鹿児島県の南に位置し、「日本最後の秘境」とも呼ばれるトカラ列島。手つかずの自然が残るこの魅力的な島々への唯一の定期交通手段が、十島村が運航する「フェリーとしま2」です。しかし、初めての訪問では、フェリーの料金体系や予約方法、運行スケジュールなど、分からないことばかりで不安を感じる方も多いのではないでしょうか。
本記事では、トカラ列島への船旅を計画している方に向けて、「フェリーとしま2」の料金を詳しく解説します。さらに、お得な割引制度やスムーズな予約方法、乗船時の注意点まで、あなたの疑問を解決するための情報を網羅的にご紹介します。この記事を読めば、安心してトカラ列島への旅を計画できるはずです。
トカラ列島への玄関口「フェリーとしま2」とは?

トカラ列島は、鹿児島県の屋久島と奄美大島の間に点在する12の島々からなる地域です。そのうち7つの有人島を結び、住民の生活を支え、観光客を迎え入れる重要な役割を担っているのが、十島村営の定期船「フェリーとしま2」です。このフェリーは、鹿児島港新港南埠頭を起点に、トカラ列島の各島を経由し、奄美大島の名瀬港までを結んでいます。
原則として週に2便運航されており、トカラ列島へのアクセスは、このフェリーに乗るしか方法がありません。
2018年4月に就航した「フェリーとしま2」は、先代の「フェリーとしま」の後継船として、船内設備が大幅に改善されました。授乳室やキッズルーム、バリアフリー対応のトイレ、エレベーターなどが設置されており、家族連れや高齢者、障害のある方でも快適に船旅を楽しめるよう配慮されています。船内放送では、各島への寄港を知らせる際に十島村の村歌「十島のうた」が演奏され、旅情を一層高めてくれます。
鹿児島とトカラ列島を結ぶ唯一の定期船
「フェリーとしま2」は、鹿児島市とトカラ列島を結ぶ唯一の公共交通機関であり、島民にとっては生活物資の輸送や医療機関へのアクセスに欠かせない存在です。観光客にとっては、手つかずの自然が残る秘境への冒険の始まりを告げる船でもあります。このフェリーの運航は、トカラ列島の文化や経済を支える重要なインフラと言えるでしょう。
フェリーの運航スケジュールは、基本的に鹿児島港を月曜日と金曜日の夜23時に出港し、翌日の早朝から正午にかけてトカラ列島の各島に寄港した後、奄美大島名瀬港へ向かいます。帰りの便は、名瀬港を翌日の午前2時に出港し、トカラ列島を北上しながら各島に寄港し、鹿児島港には同日の夕方18時20分頃に到着します。
運行ルートと所要時間
「フェリーとしま2」の運航ルートは、鹿児島港(本港南埠頭)を出発し、口之島、中之島、平島、諏訪之瀬島、悪石島、小宝島、宝島といったトカラ列島の有人7島に寄港し、最終的に奄美大島の名瀬港(新港地区)へと至ります。
鹿児島港から各島への所要時間は、口之島まで約6時間、中之島まで約7時間、平島まで約8時間、諏訪之瀬島まで約9時間、悪石島まで約10時間、小宝島まで約11時間、宝島まで約12時間程度です。奄美大島名瀬港までは約16時間かかります。
各島での停泊時間は短く、天候や荷物の量によって到着時間や出港時間は変動する場合があります。そのため、時間に余裕を持った旅行計画を立てることが大切です。特に、乗り換えを伴う場合は、最新の運航情報を事前に確認するようにしましょう。
フェリーとしま2の運賃体系を詳しく解説

「フェリーとしま2」の運賃は、乗船区間、客室の等級、年齢、そして車両の有無によって異なります。トカラ列島への旅を計画する上で、料金体系を事前に把握しておくことは非常に重要です。ここでは、旅客運賃、等級別の料金、車両航送運賃、貨物運賃について詳しく見ていきましょう。
十島村役場の公式サイトや中川運輸株式会社のウェブサイトで最新の運賃表が公開されていますので、乗船前に必ず確認することをおすすめします。
基本となる旅客運賃(大人・小人)
旅客運賃は、大人と小人で料金が異なります。小人運賃は大人運賃の半額(小数点以下切り上げ)となります。未就学児は親同伴の場合、無料です。
例えば、鹿児島港から最も近い口之島までの2等大人運賃は6,590円、小人運賃は3,300円です。最も遠い宝島までの2等大人運賃は11,950円、小人運賃は5,980円となります。
このように、目的地が遠くなるほど運賃は高くなりますが、トカラ列島の美しい自然を体験できる貴重な機会と考えると、その価値は十分にあるでしょう。旅行の予算を立てる際には、往復運賃だけでなく、宿泊費や島内での交通費も考慮に入れることが大切です。
等級別の料金と船室の種類
「フェリーとしま2」には、主に以下の客室等級があります。
- 一等客室(2名用・4名用)
- 指定寝台(8名・6名各室)
- 二等客室
一等客室は、プライベートな空間でゆったりと過ごしたい方におすすめです。指定寝台は、個別の寝台で比較的快適に過ごせますが、相部屋となります。二等客室は、大部屋で雑魚寝スタイルとなり、最も経済的な選択肢です。
例えば、鹿児島港から宝島までの運賃は、一等大人23,900円、指定寝台大人16,320円、二等大人11,950円です。 一等客室や指定寝台は数が少ないため、利用を希望する場合は早めの予約がおすすめです。
車両航送運賃について
トカラ列島で車やバイクを利用したい場合、フェリーでの車両航送が可能です。車両航送運賃は、車両の種類(乗用車、バイク、トラックなど)や長さ、乗船区間によって異なります。
車両を航送する場合は、旅客運賃とは別に車両運賃が必要です。また、無人車両には別途積込料や水揚料が加算されることがあります。 車両航送は予約が必須であり、特に繁忙期は早めに予約を済ませることが重要です。
なお、トカラ列島の各島には給油施設がないため、燃料は事前に満タンにしておく必要があります。
貨物運賃の目安
フェリーとしま2は、旅客だけでなく、生活物資や貨物の輸送も行っています。貨物運賃は、荷物の種類、大きさ、重さ、輸送区間によって細かく設定されています。
大型犬などケージやバスケットに入らないペットは貨物扱いとなる場合があります。 貨物の輸送を希望する場合は、事前に中川運輸株式会社(鹿児島港代理店)または十島村役場へ問い合わせて、詳細な料金と手続きを確認しましょう。
知っておきたい!お得な割引制度と利用のコツ

「フェリーとしま2」を利用する際には、いくつかの割引制度が用意されています。これらの割引を上手に活用することで、旅費を抑えることが可能です。ここでは、住民割引、団体割引、学生割引、そして障害者割引について詳しくご紹介します。
割引制度は適用条件が細かく定められている場合があるため、利用を検討する際は、必ず十島村役場の公式サイトや中川運輸株式会社に最新の情報を確認するようにしてください。
住民割引や団体割引の適用条件
十島村に住民票がある方には、住民割引が適用されます。これは、島民の生活を支援するための重要な制度です。割引率は一般の運賃よりも大幅に優遇されており、島への帰省や移動の負担を軽減しています。
また、15名以上の団体で同一区間を同一便で旅行する場合、団体割引が適用されます。 学生団体の場合も同様に15名以上で割引が適用され、学校長からの申し込みが必要です。 友人や家族と大人数で旅行する際は、団体割引の利用を検討すると良いでしょう。
学生割引や障害者割引の適用条件
学生の方には、学生割引が用意されています。片道101キロメートル以上の区間を旅行する場合、2等旅客運賃が2割引となります。 割引を受けるには、学生本人の生徒手帳や学生証(写真付)の提示、または学校長から交付された所定の旅客運賃割引証の提出が必要です。 指定寝台や1等客室には学生割引は適用されません。
障害のある方には、障害者割引が適用されます。第1種身体障害者、第1種知的障害者、第1級精神障害者の方と介護者1名は半額になります。 第2種身体障害者、第2種知的障害者、第2級・第3級精神障害者の方は、片道101キロメートル以上の旅行の場合に限り、ご本人のみ半額となります。 割引を受ける際には、身体障害者手帳や療育手帳、精神障害者保健福祉手帳の提示が必要です。
ミライロIDアプリも利用可能です。
フェリーとしま2の予約方法と乗船手続き

トカラ列島への旅をスムーズに進めるためには、「フェリーとしま2」の予約方法と乗船手続きを事前に理解しておくことが大切です。特に、人気の高い時期や特定の客室を利用したい場合は、早めの手配が求められます。ここでは、予約の受付期間、インターネット予約の有無、そして乗船当日の流れと注意点について詳しく解説します。
最新の情報は十島村役場の公式サイトや中川運輸株式会社のウェブサイトで確認するようにしましょう。
予約の受付期間と窓口
フェリーとしま2の予約は、乗船月の前月15日から受け付けています(日曜・祝日を除く)。 予約は電話またはFAXで行うことができ、鹿児島港発の往路のみインターネット予約も可能です。 15名以上の団体予約については、直接窓口に電話で申し込む必要があります。
一等客室や指定寝台は数が少ないため、希望する場合は早めに予約することをおすすめします。 予約をした場合、鹿児島港出港当日の21時までに乗船券を購入しないとキャンセル扱いとなるため、注意が必要です。
インターネット予約の有無
「フェリーとしま2」は、鹿児島港発の下り便に限り、インターネット予約が可能です。 十島村役場のホームページから「フェリーとしま2運行情報」のページへ進み、「予約」の項目から手続きができます。 インターネット予約は手軽で便利ですが、予約可能な区間が限られている点に留意しましょう。
インターネット予約ができない区間や、車両・バイクの航送を希望する場合は、電話またはFAXでの予約が必要です。 特に車両航送は往復ともに予約が必須となるため、忘れずに手配しましょう。
乗船当日の流れと注意点
鹿児島港での乗船券発売は、出港当日の午前9時から午後5時、および午後7時から午後10時30分までです。 予約済みの場合は、出港当日の午後9時までに乗船券を購入する必要があります。 待合所は鹿児島港の南埠頭にあり、ロッカーや椅子、テレビが完備されています。
乗船開始は出港2時間前の午後9時から可能です。 出港直後に船内は消灯となるため、シャワーなどを利用したい場合は早めに乗船し、済ませておくのが良いでしょう。 各島からの乗船の場合は、前日に各島の役場出張所で乗船券を購入する必要があります。 支払い方法は現金のみの場合が多いので、準備しておきましょう。
手荷物については、三辺の和が2メートル以内、30kg未満の旅行用バッグ等に限り、一人2個まで客室への持ち込みが可能です。 釣り竿は必ず専用ケースに入れ、大型クーラーボックスや釣行用のバケツなどは手荷物運送での申し込みが必要です。 客室内での飲食はできませんので、レストランを利用しましょう。
トカラ列島フェリー利用時のよくある質問

トカラ列島へのフェリー旅は、非日常の体験が待っていますが、同時にいくつかの疑問や不安も生じるものです。ここでは、フェリーの利用に関してよく寄せられる質問とその回答をまとめました。これらの情報を参考に、安心してトカラ列島への旅を楽しんでください。
フェリーの欠航情報はどこで確認できますか?
フェリーとしま2は、天候や海の状況によって欠航したり、大幅に遅れたりすることがあります。 出港の可否は、鹿児島港を出港する当日の午前9時30分頃に決定し、十島村役場の公式サイト「フェリーとしま運行情報」で更新されます。 荒天時などは、情報更新が遅れる場合もありますので、自宅を出る前に必ず確認するようにしましょう。
ペットと一緒に乗船できますか?
「フェリーとしま2」には、空調完備のペットルームが設けられており、ペットと一緒に乗船することが可能です。 ただし、お客様ご自身でケージやバスケットを必ず準備する必要があります。 等級に関わらず、船室へのペットの持ち込みは一切できません。 ペットの糞尿処理は飼い主が行い、大型犬などケージに入らないペットは貨物扱いとなる場合があります。
ペットの生死については、村は一切責任を負わないため、注意が必要です。
船内で食事はできますか?
船内にはレストランと売店があり、食事や飲み物を購入することができます。 レストランでは、温かい食事を楽しむことができ、長時間の船旅も快適に過ごせるでしょう。 客室内での飲食は禁止されているため、食事をする際はレストランを利用するようにしてください。
船酔いが心配ですが、対策はありますか?
トカラ列島への航路は、黒潮の影響を受ける海域を航行するため、揺れが大きくなることがあります。船酔いが心配な方は、事前に酔い止め薬を服用する、窓の外の景色を見る、横になって休むなどの対策をとりましょう。 また、消化の良いものを食べる、アルコールの摂取を控えるなども効果的です。船内には診療所もありますが、島民の健診に使用されることが主であり、常時医療スタッフが待機しているわけではないため、ご自身の体調管理には十分注意してください。
どの島で降りるのがおすすめですか?
トカラ列島には7つの有人島があり、それぞれ異なる魅力を持っています。 どの島で降りるかは、旅の目的によって異なります。
- 口之島: 野生牛が生息し、ダイビングスポットとしても人気です。
- 中之島: トカラ列島の中心的な島で、トカラ最高峰の御岳からの眺めが素晴らしいです。
- 平島: 平家の落人伝説が残る歴史ある島で、美しい東之浜海水浴場があります。
- 諏訪之瀬島: 活火山「御岳」が噴煙を上げる迫力ある島です。
- 悪石島: ユネスコ無形文化遺産に登録された「悪石島のボゼ」で知られ、温泉も楽しめます。
- 小宝島: 隆起サンゴでできた奇岩が特徴で、美しい海が広がります。
- 宝島: 珊瑚礁に囲まれた美しい島で、キャンプ場やビーチハウスがあります。
各島の民宿情報も参考に、自分の興味に合った島を選んでみましょう。
まとめ
- トカラ列島への唯一の定期交通手段は、十島村が運航する「フェリーとしま2」です。
- フェリーは鹿児島港と奄美大島名瀬港を結び、トカラ列島の有人7島に寄港します。
- 運航は原則週2便で、鹿児島港を月曜・金曜の夜に出港します。
- 旅客運賃は大人・小人、客室等級(一等、指定寝台、二等)によって異なります。
- 小人運賃は大人運賃の半額、未就学児は親同伴で無料です。
- 車両航送運賃は車両の種類や長さ、区間によって異なり、予約が必須です。
- 十島村住民割引、15名以上の団体割引、学生割引(2等運賃2割引)、障害者割引があります。
- 学生割引は片道101km以上の利用で適用され、学生証などの提示が必要です。
- 障害者割引は手帳の種類によって割引率が異なり、介護者も割引対象となる場合があります。
- 予約は乗船月の前月15日から可能で、電話・FAXまたは一部区間でインターネット予約ができます。
- 鹿児島港発の予約は、出港当日の21時までに乗船券を購入しないとキャンセルされます。
- 各島からの乗船は、前日に各島の役場出張所で乗船券を購入します。
- 天候による欠航情報は、十島村役場の公式サイトで確認できます。
- ペットはケージに入れてペットルームに持ち込み可能ですが、船室への持ち込みはできません。
- 船内にはレストランと売店があり、食事や飲み物を購入できます。
- 船酔い対策として、酔い止め薬の服用や窓の外を見るなどの方法があります。
- トカラ列島各島はそれぞれ異なる魅力があり、旅の目的に合わせて選ぶのがおすすめです。
