TACEとTAEの違いを徹底解説!肝臓がん治療の選択肢と選び方

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TACEとTAEの違いを徹底解説!肝臓がん治療の選択肢と選び方
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肝臓がんの治療法を調べていると、「TACE」や「TAE」といった専門用語を目にすることがあります。どちらもカテーテルを使った治療法ですが、その内容には重要な違いがあるため、混同してしまう方も少なくありません。

本記事では、TACEとTAEの基本的な定義から、両者の決定的な違い、それぞれのメリット・デメリット、そして患者さんにとってどちらの治療法が適しているのかを分かりやすく解説します。ご自身の状況に合った治療法を理解するための参考にしてください。

目次

TACEとTAEの違いとは?基本的な定義と目的

TACEとTAEの違いとは?基本的な定義と目的

TACEとTAEは、どちらもカテーテルを用いて動脈から病変にアプローチする治療法です。しかし、その目的や使用する薬剤に大きな違いがあります。まずはそれぞれの治療法がどのようなものか、基本的な定義から見ていきましょう。

TACE(経カテーテル的肝動脈化学塞栓術)とは

TACEは「Transcatheter Arterial Chemoembolization」の略で、日本語では「経カテーテル的肝動脈化学塞栓術」と訳されます。主に肝臓がんの治療に用いられる方法です。鼠径部(足の付け根)や肘、手首の動脈から細いカテーテルを挿入し、肝臓内の腫瘍を栄養している動脈まで進めます。

この治療の大きな特徴は、抗がん剤と塞栓物質(血管を詰まらせる物質)を混ぜて注入する点です。

抗がん剤を腫瘍に直接届けることで、全身への副作用を抑えつつ、高い濃度でがん細胞に作用させることが可能です。同時に塞栓物質で血流を遮断し、がん細胞への栄養供給を断つことで、腫瘍を壊死させることを目指します。

TAE(経カテーテル的動脈塞栓術)とは

TAEは「Transcatheter Arterial Embolization」の略で、「経カテーテル的動脈塞栓術」と訳されます。TACEと同様にカテーテルを用いて動脈から病変にアプローチしますが、TAEでは抗がん剤を使用せず、塞栓物質のみを注入して血流を遮断します。

この治療法は、肝臓がんだけでなく、消化管出血や子宮筋腫、腎血管筋脂肪腫など、幅広い疾患の止血や腫瘍の縮小・壊死を目的として用いられます。 抗がん剤による全身性の副作用がないため、患者さんの状態によってはTACEよりも適している場合があります。

TACEとTAEの決定的な違い:抗がん剤の有無と適応疾患

TACEとTAEの決定的な違い:抗がん剤の有無と適応疾患

TACEとTAEの最も重要な違いは、抗がん剤を使用するかどうかです。この違いが、それぞれの治療法の目的、適応疾患、そして期待される効果に大きく影響します。

抗がん剤使用の有無が最大の相違点

TACEは、抗がん剤と塞栓物質を併用することで、がん細胞への直接的な攻撃と栄養供給の遮断という二重の効果を狙います。 これにより、特に肝細胞がんに対して高い治療効果が期待できるのがTACEの強みです。

一方、TAEは塞栓物質のみで血流を遮断し、がんを「兵糧攻め」にする治療法です。 抗がん剤を使用しないため、抗がん剤による吐き気や食欲不振、肝機能障害などの全身性の副作用を避けることができます。

主な適応疾患の違いを理解する

TACEは、主に肝細胞がん(原発性肝がん)の治療に特化しています。特に、多発性のがんや比較的大きな腫瘍、手術が難しいケースで選択されることが多いです。

TAEは、肝細胞がんのほかにも、様々な動脈性出血の止血(外傷性出血、消化管出血など)や、良性腫瘍(子宮筋腫、腎血管筋脂肪腫など)の治療にも広く用いられます。 肝臓がんの場合でも、TACEの適応外となるケースや、抗がん剤の使用が難しい患者さんにTAEが選択されることがあります。

治療のメカニズムと期待される効果

TACEでは、がん細胞が正常な肝臓組織よりも肝動脈からの血流に依存している特性を利用します。 抗がん剤を腫瘍に集中的に送り込み、塞栓物質で血流を遮断することで、がん細胞を効率的に壊死させ、腫瘍の縮小や進行抑制を目指します。

TAEは、病変への血流を物理的に遮断することで、病変組織を虚血状態に陥らせ、壊死させるメカニズムです。 出血を止める効果や、腫瘍の成長を抑制する効果が期待できます。

それぞれの治療法のメリットとデメリット

TACEとTAEは、それぞれ異なる特性を持つため、メリットとデメリットも異なります。治療選択の際には、これらの点を十分に理解することが大切です。

TACEのメリットと注意点

TACEの最大のメリットは、抗がん剤と塞栓術を組み合わせることで、高い抗腫瘍効果が期待できる点です。 抗がん剤を局所的に高濃度で投与できるため、全身への副作用を抑えつつ、がん細胞に強力に作用させることが可能です。

しかし、TACEにはいくつかの注意点もあります。治療後に発熱、腹痛、吐き気、食欲不振などの「塞栓後症候群」と呼ばれる副作用が起こることがあります。 また、肝機能障害や腎機能障害、穿刺部位からの出血などの合併症のリスクも考慮する必要があります。 治療は複数回に分けて行われることもあり、入院が必要となるのが一般的です。

TAEのメリットと注意点

TAEのメリットは、抗がん剤を使用しないため、抗がん剤による全身性の副作用がないことです。 これにより、患者さんの身体への負担がTACEよりも少ない場合があります。 また、肝臓がん以外の幅広い疾患にも適用できる汎用性の高さも特徴です。

TAEの注意点としては、塞栓物質のみで治療を行うため、TACEと比較して抗腫瘍効果が限定的になる可能性がある点が挙げられます。治療後に発熱や痛み、吐き気などの症状が出ることがあります。 また、塞栓物質の種類によっては、一時的な塞栓効果しかないものもあり、再発のリスクも考慮する必要があります。

TACEとTAE、どちらの治療法を選ぶべきか?

TACEとTAE、どちらの治療法を選ぶべきか?

TACEとTAEのどちらの治療法を選ぶかは、患者さんの病状、肝機能、がんの進行度、全身状態など、様々な要因によって決定されます。自己判断せずに、必ず医師と十分に話し合うことが重要です。

医師との相談が重要な決定要素

肝臓がんの治療は、個々の患者さんに合わせて最適な方法を選択することが成功へのコツです。 担当医は、CTやMRIなどの画像検査、血液検査の結果、そして肝機能の状態(肝障害度やChild-Pugh分類など)を総合的に評価し、最も効果的で安全な治療法を提案してくれます。

治療法の選択にあたっては、TACEとTAEそれぞれの治療効果、副作用、合併症のリスクについて詳しく説明を受け、疑問点があれば遠慮なく質問しましょう。セカンドオピニオンを求めることも、納得のいく治療を選択するための一つの方法です。

患者さんの状態やがんの進行度による選択

一般的に、TACEは肝細胞がんが多発している場合や、比較的大きな腫瘍で手術やラジオ波焼灼療法が難しい場合に推奨されます。 肝機能が比較的良好な患者さんが対象となることが多いです。

TAEは、TACEの適応外となる肝機能の患者さんや、抗がん剤の使用が難しい場合、あるいは肝臓がん以外の出血性疾患や良性腫瘍の治療に選択されることがあります。 がんの個数が4個以上の場合でも、TACEが選択肢となることがあります。

また、TACEやTAEは、手術やラジオ波焼灼療法などの他の治療法と組み合わせて行われることもあります。 治療の進め方は、患者さんの状態やがんの反応を見ながら柔軟に調整されるため、担当医との密な連携が欠かせません。

よくある質問

よくある質問

TACEの副作用にはどのようなものがありますか?

TACEの主な副作用として、「塞栓後症候群」と呼ばれる発熱、腹痛、吐き気、食欲不振などがあります。これらは腫瘍組織の壊死や抗がん剤の影響で起こり、通常は数日から1週間程度で改善することが多いです。 その他、肝機能障害、腎機能障害、穿刺部位の出血や血腫、稀に肝膿瘍や胆嚢炎などの重篤な合併症が起こる可能性もあります。

TAEの治療費用はどのくらいですか?

TAEの治療費用は、治療を行う医療機関や入院期間、使用する塞栓物質の種類、併用する薬剤などによって異なります。日本では公的医療保険が適用されるため、自己負担割合に応じて費用が決まります。高額療養費制度の対象となる場合もありますので、具体的な費用については、治療を受ける医療機関の医療相談窓口や会計担当者に確認することをおすすめします。

TACEとRFA(ラジオ波焼灼療法)の違いは何ですか?

TACEとRFA(ラジオ波焼灼療法)は、どちらも肝臓がんの局所治療ですが、アプローチ方法が異なります。TACEはカテーテルを用いて動脈から抗がん剤と塞栓物質を注入し、血流を遮断してがんを壊死させる方法です。 一方、RFAは体外から細い針をがんに直接刺し、ラジオ波の熱でがん細胞を焼灼して壊死させる方法です。

RFAは比較的小さながん(3cm以下、3個まで)に適応されることが多いのに対し、TACEは多発性や大きな腫瘍にも用いられます。

肝臓がんの治療法には他にどのようなものがありますか?

肝臓がんの治療法には、TACEやTAEの他に、手術(肝切除)、穿刺局所療法(ラジオ波焼灼療法RFA、経皮的エタノール注入療法PEIなど)、薬物療法(分子標的薬、免疫チェックポイント阻害薬など)、放射線治療、肝移植などがあります。 患者さんの肝機能、がんの大きさや個数、転移の有無などによって、最適な治療法が選択されます。

まとめ

  • TACEは「経カテーテル的肝動脈化学塞栓術」の略称です。
  • TAEは「経カテーテル的動脈塞栓術」の略称です。
  • TACEは抗がん剤と塞栓物質を併用する肝臓がん治療です。
  • TAEは抗がん剤を使用せず塞栓物質のみを注入する治療です。
  • TACEの主な目的は肝臓がんの縮小・壊死です。
  • TAEは肝臓がんの他、出血止血など幅広い疾患に適用されます。
  • TACEは抗がん剤による全身性の副作用リスクがあります。
  • TAEは抗がん剤の副作用を避けられるメリットがあります。
  • TACEの副作用には発熱、腹痛、吐き気などの塞栓後症候群があります。
  • 治療選択は患者さんの病状、肝機能、がんの進行度で決まります。
  • 医師との十分な相談が治療法決定には不可欠です。
  • TACEは多発性や大きな肝臓がんに推奨されることがあります。
  • TAEはTACEの適応外や抗がん剤が使えない場合に選択肢となります。
  • TACEとTAEは他の治療法と併用されることもあります。
  • 治療費用や副作用については医療機関に確認しましょう。
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