「し」から始まる魚と聞いて、あなたはいくつ思い浮かべられますか?私たちの食卓に並ぶおなじみの魚から、釣り人に人気のターゲット、さらには取り扱いに注意が必要な珍しい魚まで、実は「し」のつく魚は多種多様です。
本記事では、そんな「し」から始まる魚たちを詳しくご紹介します。それぞれの魚の特徴や旬、美味しい食べ方、そして知っておきたい豆知識まで、幅広く解説しますので、魚選びや料理の参考にしてみてください。
「し」から始まる人気の魚たち
まずは、食卓でよく見かける魚や、その美味しさで知られる「し」の魚たちを見ていきましょう。それぞれの魅力に迫ります。
食卓でおなじみ!身近な「し」の魚
日々の食事で親しまれている魚から、特別な日に味わいたい高級魚まで、私たちの生活に溶け込んでいる「し」の魚をご紹介します。
シマアジ:アジの王様と呼ばれる高級魚
シマアジは、その名の通り体側に鮮やかな黄色の縦縞を持つ美しい魚です。アジ科の中でも特に味が良いとされ、「アジの王様」と称されるほどの高級魚として知られています。身は淡いピンク色から乳白色で、適度な脂のりと上品な旨み、そしてしっかりとした歯ごたえが特徴です。
天然のシマアジは漁獲量が少なく、非常に高値で取引されます。天然ものは常に餌を狙っているため、顔つきが精悍で身が締まっているのが特徴です。一方、養殖のシマアジは市場に多く出回っており、天然ものに比べて脂の乗りが良い傾向があります。尾びれの付け根の長さや内臓周りの脂肪の厚さで天然と養殖を見分けるコツもあります。
旬は夏で、刺身や寿司ネタとして最高の味わいを楽しめますが、焼き物や潮汁にしても濃厚な旨みが堪能できます。
シイラ:ハワイではマヒマヒと呼ばれる大型魚
シイラは、全世界の暖かい海に広く分布する大型の肉食魚で、日本では「シイラ」と呼ばれますが、ハワイでは「マヒマヒ」という名前で高級魚として親しまれています。体長は最大で2メートル、体重40キログラム近くにもなることがあり、釣り上げられた直後の体色は背面が青、体側が緑から金色に輝き、非常に美しい姿を見せます。
シイラはルアー釣りで人気のターゲットであり、その力強い引きは釣り人を魅了します。身は白身で、淡白ながらも旨みがあり、フライやムニエル、ソテーなど油を使った料理と相性が抜群です。ハワイ料理ではグリルやポワレで提供されることも多く、日本でもマヒマヒとして流通する機会が増えています。
シマガツオ:別名「エチオピア」のユニークな魚
シマガツオは、スズキ目シマガツオ科に属する魚で、そのユニークな見た目から「エチオピア」という別名でも知られています。体は楕円形で側扁しており、体高が高く、生きているときは銀白色ですが、死後は急速に黒褐色に変化する特徴があります。大きな鱗がびっしりと体表を覆い、どこか野武士を思わせるような無骨な印象を与える魚です。
身はきれいな白身で、やや水っぽく脂肪分は少ないものの、ほのかな酸味を感じる淡白な味わいです。刺身でも食べられますが、ヅケや味噌たたきにするとより美味しくいただけます。油との相性が良いので、唐揚げやバター焼き、ムニエルなど、加熱調理でその持ち味を存分に引き出すのがおすすめです。
小さくても存在感抜群!「しらす」と「ししゃも」
次に、小さくても食卓に欠かせない存在感を放つ「しらす」と「ししゃも」についてご紹介します。
しらす:食卓の定番!栄養豊富な小さな魚
しらすは、イワシやカタクチイワシなどの稚魚の総称で、日本の食卓には欠かせない身近な食材です。透き通るような小さな体には、カルシウムをはじめとする豊富な栄養素が詰まっています。しらすの旬は産地によって異なりますが、一般的には春と秋の2回あり、それぞれ異なる味わいを楽しめます。
春に獲れる「春しらす」は小ぶりで柔らかく、釜揚げで食べるのがおすすめです。一方、秋に獲れる「秋しらす」は大きめで脂が乗っており、ちりめんじゃこにすると旨みが凝縮されます。生しらす丼や釜揚げしらすを乗せたご飯、卵焼きやサラダの具材としても人気です。新鮮なしらすを選ぶコツは、体が「くの字」に曲がっているものを選ぶと良いでしょう。
ししゃも:子持ちが嬉しい!独特の風味を持つ魚
ししゃもは、サケ目キュウリウオ科に属する細長い魚で、特に子持ちのメスは卵のプチプチとした食感が人気です。しかし、スーパーなどで一般的に見かける「子持ちししゃも」の多くは、実は「カラフトししゃも(カペリン)」という別の魚です。本物のししゃもは北海道の太平洋沿岸だけに生息する日本固有種であり、その漁獲量は非常に少ない貴重な魚です。
本ししゃもはウロコが大きく目立ち、口や目がはっきりしているのが特徴で、卵はとろけるような滑らかな食感です。一方、カラフトししゃもはウロコがほとんど目立たず、口や目が小さい傾向にあります。本ししゃもは焼いてシンプルに味わうことで、その独特の風味と繊細な旨みを堪能できます。
知っておきたい!「し」から始まる珍しい魚・注意が必要な魚

「し」から始まる魚の中には、その美しさや珍しさで目を引くもの、あるいは取り扱いに特別な注意が必要なものも存在します。ここでは、そんな魚たちに焦点を当ててご紹介します。
シマフグ:美しい模様に潜む毒の危険性
シマフグは、その名の通り体側に美しい縞模様を持つフグの一種です。フグの中では比較的大型になり、鮮やかな黄色のヒレも特徴的です。見た目はトラフグに似ていますが、卵巣や肝臓には非常に強い毒であるテトロドトキシンが含まれており、素人による調理は絶対に避けるべきです。
しかし、筋肉や皮膚、精巣は無毒とされており、フグ調理師免許を持つ専門家が適切に処理すれば食用にできます。鍋や唐揚げ、刺身などで賞味されることもあり、特に秋に水揚げされる天然のシマフグは、トラフグにも劣らない美味しさを持つと評価されることもあります。
その他「し」から始まるユニークな魚たち
他にも「し」から始まる魚はたくさんあります。ここでは、いくつかピックアップしてご紹介しましょう。
- シロギス:「砂浜の女王」とも呼ばれる美しい白身魚です。淡白で上品な味わいが特徴で、天ぷらの定番として有名ですが、刺身や塩焼き、干物など様々な料理で美味しくいただけます。釣り人に人気のターゲットでもあります。
- シラウオ:透き通った体が特徴の小さな魚で、霞ヶ浦や宍道湖などで獲れます。鮮度が良ければ生食も可能ですが、寄生虫のリスクもあるため注意が必要です。かき揚げやお吸い物など、上品な味わいを楽しめる料理に向いています。
- シマダイ:イシダイの幼魚を指すことが多く、縞模様が特徴です。成長するとイシダイとなり、磯釣りの人気ターゲットとなります。身は白身で、刺身や塩焼きで美味しく食べられます。
- シマキンチャクフグ:美しい模様を持つフグの一種ですが、食用には適さないとされています。観賞魚として人気があります。
魚選びのコツと「し」の魚を楽しむ方法

美味しい魚を食卓に迎えるためには、新鮮なものを選ぶことが大切です。また、それぞれの魚に合った調理法を知ることで、その魅力を最大限に引き出せます。
新鮮な魚を見分けるポイント
新鮮な魚を選ぶにはいくつかのコツがあります。これらのポイントを押さえることで、より美味しい「し」の魚を味わえるでしょう。
- 目が澄んでいるか:魚の目は透明感があり、濁っていないものが新鮮です。
- エラが鮮やかな赤色か:エラ蓋を開けてみて、鮮やかな赤色をしているものは鮮度が良い証拠です。
- 身に張りがあるか:魚全体に弾力があり、身がしっかりとしているものを選びましょう。
- ウロコがしっかりしているか:ウロコが剥がれていないか、光沢があるかどうかも確認します。
- 独特の臭みがないか:新鮮な魚は磯の香りはしますが、不快な生臭さはありません。
特に、しらすのように小さな魚は鮮度が落ちやすいので、できるだけ透明感があり、一匹一匹がピンと張っているものを選ぶのがおすすめです。
「し」の魚を美味しく食べるための調理のコツ
「し」の魚たちは、それぞれに合った調理法でその美味しさが際立ちます。ここでは、いくつかの魚の調理のコツをご紹介します。
- シマアジ:高級魚であるシマアジは、鮮度の良いものならぜひ刺身で味わってみてください。皮目を軽く炙る「焼き霜造り」も、香ばしさと旨みが加わり絶品です。
- シイラ:淡白な白身なので、フライやムニエル、バター焼きなど、油を使った料理でコクを加えるのがおすすめです。ハワイ風にグリルでシンプルに塩胡椒で焼いても美味しいです。
- シマガツオ:刺身にする場合はヅケや味噌たたきにすると、淡白な身に旨みが加わります。唐揚げやバター焼き、ムニエルなど、油で調理すると美味しくいただけます。
- しらす:生しらすはシンプルにご飯に乗せてしらす丼にしたり、薬味を添えてそのまま味わうのが一番です。釜揚げしらすは、おひたしや卵焼き、サラダなど、様々な料理のアクセントに使えます。
- ししゃも:焼いて食べるのが一般的ですが、フライにしても美味しくいただけます。本ししゃもとカラフトししゃもで食感や風味の違いを楽しむのも良いでしょう。
- シロギス:天ぷらが定番ですが、新鮮なものは刺身でも美味しく、昆布締めや焼霜造りもおすすめです。淡白な味わいなので、素材の味を活かす調理法が向いています。
- シラウオ:鮮度が良ければ生食も可能ですが、加熱調理ではかき揚げや卵とじ、お吸い物などがおすすめです。身が柔らかいので、加熱しすぎないように注意しましょう。
よくある質問

「し」から始まる魚について、多くの方が抱く疑問にお答えします。
「し」から始まる魚で高級なものは何ですか?
「し」から始まる魚の中で特に高級とされるのは、シマアジです。その美味しさから「アジの王様」と呼ばれ、天然ものは非常に高値で取引されます。
シマアジの天然と養殖ではどちらが美味しいですか?
天然と養殖のシマアジは、それぞれ異なる美味しさがあります。天然ものは身が締まっていてさっぱりとした旨みがあり、養殖ものは脂の乗りが良く濃厚な味わいが特徴です。どちらが良いかは個人の好みによりますが、身の締まりを重視するなら天然、脂の旨みを求めるなら養殖がおすすめです。
シマフグは食べられますか?
シマフグは、卵巣や肝臓に強い毒を持つため、素人による調理は非常に危険です。しかし、筋肉や皮膚、精巣は無毒とされており、フグ調理師免許を持つ専門家が適切に処理すれば食用にできます。
シイラはどんな料理に向いていますか?
シイラは淡白な白身魚なので、油を使った料理と相性が良いです。フライ、ムニエル、バター焼き、ソテーなどが特におすすめです。ハワイでは「マヒマヒ」としてグリルやポワレで提供されることも多く、シンプルに塩胡椒で焼いても美味しくいただけます。
しらすの種類にはどんなものがありますか?
しらすは、特定の魚の種類を指すのではなく、イワシやカタクチイワシなどの稚魚の総称です。漁獲方法や加工方法によって、生しらす、釜揚げしらす、しらす干し、ちりめんじゃこなど、様々な種類があります。
まとめ
- 「し」から始まる魚は、食卓に身近なものから珍しいものまで多種多様です。
- シマアジは「アジの王様」と呼ばれる高級魚で、刺身や寿司で最高の味わいです。
- シイラはハワイではマヒマヒと呼ばれ、フライやムニエルなど油を使った料理がおすすめです。
- シマガツオは別名「エチオピア」で、唐揚げやバター焼きで美味しくいただけます。
- しらすはイワシなどの稚魚の総称で、春と秋に旬があり、生食や釜揚げで楽しめます。
- ししゃもには日本固有の「本ししゃも」と、スーパーで一般的な「カラフトししゃも」があります。
- 本ししゃもはウロコが大きく、口や目がはっきりしており、卵はとろける食感です。
- カラフトししゃもはウロコが目立たず、卵はプチプチとした食感が特徴です。
- シマフグは美しい模様を持つフグですが、内臓に強い毒があるため専門家による調理が必要です。
- シロギスは「砂浜の女王」と呼ばれ、天ぷらだけでなく刺身や塩焼きも絶品です。
- シラウオは透き通った体が特徴で、かき揚げやお吸い物など上品な料理に向いています。
- 新鮮な魚を選ぶコツは、目が澄んでいるか、エラが鮮やかな赤色か、身に張りがあるかを確認することです。
- 魚の美味しさを最大限に引き出すには、それぞれの魚に合った調理法を選ぶことが大切です。
- 「し」の魚たちは、日本の豊かな食文化を彩る大切な存在です。
- この記事が、あなたの魚選びや料理の助けになれば幸いです。
