お子さんの乳歯がグラグラし始めると、「いつ抜けるの?」「何本抜けるんだろう?」と、期待と少しの不安を感じる親御さんも多いのではないでしょうか。乳歯から永久歯への生え変わりは、お子さんの成長にとって大切な節目です。この時期の歯のケアは、将来の歯の健康や歯並びに大きく影響します。
本記事では、乳歯が何本抜けるのか、いつからいつまで生え変わるのか、そしてその時期に起こりやすいトラブルや対処法、日々のケアのコツまで、詳しく解説します。お子さんの健やかな歯の成長をサポートするために、ぜひ参考にしてください。
乳歯が抜ける本数と生え変わりの基本

お子さんの歯の生え変わりは、成長の大きな証です。乳歯の時期から永久歯へと移行するこの期間は、お子さんの口腔環境が大きく変化します。まずは、乳歯の基本的な本数と、それが抜けていく時期について理解しましょう。
乳歯の総数は20本!永久歯への準備期間
お子さんの乳歯は、上下合わせて全部で20本あります。生後6ヶ月頃から生え始め、およそ2歳半から3歳頃までに全ての乳歯が生え揃うのが一般的です。乳歯は永久歯に比べて小さく、歯と歯の間に隙間があることが多いですが、これは永久歯が生えるためのスペースを確保する役割も担っています。
乳歯は、食べ物を噛むことだけでなく、顎の成長を促し、永久歯が生えてくる場所を確保する大切な役割があるのです。
この20本の乳歯が、成長とともに順次抜け落ち、永久歯へと生え変わっていきます。乳歯が抜けるのは、その下で育っている永久歯が乳歯の根を吸収し、押し上げてくるためです。 この自然なプロセスによって、乳歯はグラグラし始め、最終的に抜け落ちます。
乳歯が抜ける一般的な時期と順番
乳歯が抜け始めるのは、一般的に5歳から7歳頃で、12歳頃までに全ての乳歯が永久歯に生え変わると言われています。 ただし、この時期には個人差が大きく、早い子では4歳頃から、遅い子では8歳以降に最初の乳歯が抜けることも珍しくありません。
乳歯が抜ける順番には一定のパターンがあり、多くの場合、下の前歯(乳中切歯)から抜け始めます。 その後、上の前歯、下の横の前歯(側切歯)と続き、奥歯へと移行していくのが一般的です。 具体的な抜ける時期の目安は以下の通りです。
- 下の前歯(中切歯):5~7歳頃
- 上の前歯(中切歯):6~8歳頃
- 下の横の前歯(側切歯):7~8歳頃
- 上の横の前歯(側切歯):7~9歳頃
- 第一乳臼歯(奥歯):9~11歳頃
- 犬歯(糸切り歯):9~12歳頃
- 第二乳臼歯(奥歯):10~12歳頃
この時期に、乳歯の一番奥に「6歳臼歯」と呼ばれる最初の永久歯が生えてくることもあります。 6歳臼歯は噛み合わせの要となる大切な歯なので、特に注意してケアすることが重要です。
乳歯の生え変わりで知っておきたいこと

乳歯の生え変わりは、お子さんにとって初めての大きな体の変化の一つです。この時期に親御さんが知っておくべきことや、起こりやすい状況への対処法について解説します。
抜ける乳歯と生えてくる永久歯の数の違い
乳歯は全部で20本ですが、永久歯は親知らずを含めると最大で32本生えてきます。親知らずを除いても28本です。 つまり、乳歯が抜けた後に生えてくる永久歯は、乳歯の数よりも多くなるということです。乳歯が抜けたスペースに永久歯が生え変わるだけでなく、乳歯がなかった奥のスペースにも新しい永久歯(6歳臼歯など)が生えてくるため、本数が増えるのです。
この本数の違いは、お子さんの顎の成長と密接に関わっています。永久歯は乳歯よりも大きいため、顎が十分に成長していないと、歯が並びきらずに歯並びが悪くなる可能性もあります。 永久歯が正しく生え揃うためには、適切な顎の発育が欠かせません。
乳歯が抜ける際の痛みや出血への対処法
乳歯がグラグラし始めると、お子さんは口の中に違和感や軽い痛みを感じることがあります。自然に抜けるのが一番ですが、痛みや出血があった場合の対処法を知っておくと安心です。
まず、無理に乳歯を抜こうとしないことが大切です。 無理に抜くと歯茎を傷つけたり、感染の原因になったりする可能性があります。 お子さん自身が舌や指で少しずつ揺らすことで、自然に抜けるのを促すのが良いでしょう。 ほとんど歯茎から取れてぶら下がっているような状態であれば、清潔な指で優しく抜いても問題ありません。
もし出血した場合は、清潔なガーゼを丸めて抜けた部分に当て、しっかり噛んで圧迫することで止血できます。 通常、5分程度で血は止まりますが、いつまでも血が止まらない場合は、速やかに歯科医院を受診してください。
また、グラグラしている歯が痛くて食事がしづらい場合は、無理に硬いものを食べさせず、柔らかい食事を用意するなど、お子さんの負担を減らす工夫も必要です。
抜けた乳歯の保管方法とジンクス
抜けた乳歯をどうするかは、ご家庭によって様々です。日本では昔から、下の歯は屋根に、上の歯は縁の下に投げて「丈夫な歯が生えてきますように」と願う風習がありました。 しかし、最近では記念として乳歯を保管するご家庭が増えています。
乳歯を保管する際は、そのままケースに入れるのではなく、清潔な状態にしてから保存することが重要です。 抜けた乳歯にはタンパク質や唾液が付着しているため、消毒・乾燥させる必要があります。 具体的な手順は以下の通りです。
- 容器に消毒液(オキシドールなど)と乳歯を入れ、半日以上浸す。
- 歯ブラシなどで汚れをきれいに落とす。
- 水でよく洗い流し、除菌シートなどで拭く。
- 清潔なガーゼやティッシュで拭き、しっかりと乾燥させる。
乾燥させた乳歯は、専用の乳歯ケースに入れて保管するのが一般的です。 乳歯ケースには、1本だけ入れるタイプや、全ての乳歯を分けて入れられるタイプなど、様々な素材やデザインのものがあります。 湿気が多いとカビの原因になるため、保管場所にも注意しましょう。
最近では、抜けた乳歯から「歯髄幹細胞」を採取し、将来の病気や怪我に備えて凍結保管するという選択肢もあります。 これは再生医療への活用が期待される方法ですが、専門の施設での手続きが必要です。
こんな時は要注意!歯医者さんに相談するタイミング

乳歯の生え変わりは自然な体の変化ですが、時には専門家の助けが必要なケースもあります。お子さんの歯のことで気になることがあれば、早めに歯科医院に相談することが大切です。
乳歯がなかなか抜けない、永久歯が生えてこない場合
乳歯がグラグラしているのにいつまでも抜けない、または乳歯が抜けたのに半年以上経っても永久歯が生えてこないといった場合は、歯科医院に相談しましょう。 生え変わりの時期には個人差がありますが、目安の時期を大きく過ぎている場合は、何らかの問題が隠れている可能性があります。
考えられる原因としては、以下のようなものがあります。
- 永久歯の成長が遅れている:永久歯の生え変わりには個人差があり、成長がゆっくりな場合は乳歯が抜けるのも遅くなることがあります。
- 永久歯の位置異常:永久歯が歯茎の中で曲がっていたり、横を向いていたりして、正しい位置に生えてこられないことがあります。
- 過剰歯(かじょうし):乳歯や永久歯とは別に、余分な歯が永久歯の生えるのを邪魔していることがあります。特に上の前歯によく見られます。
- 永久歯の先天性欠如:ごく稀に、生まれつき永久歯の芽(歯胚)が存在しない場合があります。 この場合、乳歯の根が吸収されないため、乳歯が抜けずに残ることがあります。
- 顎のスペース不足:顎が小さく、永久歯が生える十分なスペースがないために、永久歯が埋まったまま出てこない「埋伏歯(まいふくし)」となることがあります。
これらの原因を正確に突き止めるためには、歯科医院でのレントゲン検査が不可欠です。 レントゲンを撮ることで、歯茎の下にある永久歯の状態を確認し、適切な対処法を見つけることができます。
歯並びや噛み合わせが気になる時
乳歯が抜ける前に永久歯が生えてきて二重に生えてしまったり、乳歯が抜けた隙間に隣の歯が傾いてきて永久歯の生えるスペースが狭くなったりすると、歯並びや噛み合わせが悪くなる原因になります。 このような場合は、早めに歯科医に相談し、必要に応じて小児矯正を検討することも大切です。
特に、6歳臼歯と呼ばれる最初の永久歯は、噛み合わせの基準となる重要な歯です。 この歯が正しい位置に生えてこなかったり、虫歯になったりすると、その後の歯並び全体に影響を及ぼす可能性があります。 定期的な歯科検診で、お子さんの歯並びや噛み合わせの状態をチェックしてもらいましょう。
虫歯や歯肉炎の予防と治療
乳歯は永久歯に比べてエナメル質が薄く、酸に弱いため、虫歯になりやすい特徴があります。 また、虫歯の進行も早いため、気づいた時には神経にまで達しているケースも少なくありません。
乳歯の虫歯を放置すると、以下のような悪影響を永久歯や全身の発育に及ぼす可能性があります。
- 永久歯の虫歯リスクが高まる:乳歯が虫歯になるということは、口の中に虫歯菌が多い状態です。この状態が続くと、生えてきた永久歯も虫歯になりやすくなります。
- 永久歯の発育が悪くなる:乳歯の虫歯が進行して神経にまで達すると、その下で育っている永久歯の発育に悪影響を及ぼし、変色や凹みのある永久歯が生えてくることがあります。
- 歯並びが悪くなる:虫歯で乳歯を早期に失うと、その隙間を埋めるように隣の歯が傾き、永久歯が生えるスペースが狭くなって歯並びが悪くなる原因になります。
- 顎の発達を妨げる:虫歯の痛みで片方の歯ばかりで噛む癖がつくと、顎が十分に発達せず、噛む力が弱くなったり、顔のバランスが悪くなったりする可能性があります。
乳歯の虫歯予防には、毎日の丁寧な歯磨きと、フッ素塗布などの予防処置が効果的です。 定期的に歯科医院を受診し、プロによるクリーニングやフッ素塗布を受けることで、虫歯のリスクを大きく減らすことができます。
乳歯から永久歯への移行期を健やかに過ごすコツ

乳歯から永久歯への生え変わりは、お子さんの歯の健康にとって非常に重要な期間です。この時期を健やかに過ごすための具体的なコツをご紹介します。
正しい歯磨きの習慣を身につける
乳歯と永久歯が混在する「混合歯列期」は、歯の大きさが不揃いで段差や隙間が多く、歯磨きが難しい時期です。 磨き残しが起こりやすく、虫歯になりやすいため、正しい歯磨きの習慣を身につけることが何よりも大切です。
お子さん自身が歯磨きをするだけでなく、小学校高学年までは親御さんによる仕上げ磨きでサポートしてあげましょう。 仕上げ磨きでは、歯ブラシを歯の表面に垂直に、歯茎との境目には45度の角度で当て、歯ブラシの先がつぶれない程度の力で細かく動かすのがコツです。 奥歯や歯並びの悪い部分は特に磨き残しが多いので、タフトブラシやデンタルフロスを併用するのもおすすめです。
また、フッ素配合の歯磨き粉を使用することで、歯質を強化し、虫歯への抵抗力を高めることができます。 歯磨きは食後に必ず行う習慣をつけ、寝る前だけでも丁寧に磨くようにしましょう。
定期的な歯科検診の重要性
乳歯の生え変わり時期は、お子さんの口の中が大きく変化する時期です。この期間に定期的に歯科検診を受けることは、虫歯や歯肉炎の早期発見・治療だけでなく、歯並びや噛み合わせの問題を早期に発見し、適切な対処を行う上で非常に重要です。
歯科医は、レントゲン検査などを用いて、歯茎の下にある永久歯の成長状況や、埋伏歯の有無などを確認することができます。 また、歯並びや噛み合わせに問題が見られる場合は、小児矯正の相談も可能です。 定期検診では、プロによるクリーニングやフッ素塗布、シーラントなどの予防処置も受けられます。 これらは、お子さんの大切な永久歯を虫歯から守るために非常に効果的です。
お子さんが歯医者さんを怖がらないように、小さいうちから定期的に通い、慣れてもらうことも大切です。 歯医者さんは「怖い場所」ではなく、「歯を健康に保つための場所」という良いイメージを持たせてあげましょう。
食生活と歯の健康
お子さんの歯の健康は、毎日の食生活と密接に関わっています。特に、乳歯から永久歯への生え変わり時期は、顎の成長も活発なため、よく噛んで食べる習慣が重要です。
柔らかい食べ物ばかり食べていると、顎の発育が不十分になり、永久歯が生えるスペースが不足して歯並びが悪くなる原因になることがあります。 積極的に硬めの食材を取り入れ、よく噛むことを意識させましょう。
また、糖分の多いお菓子やジュースの摂取は、虫歯のリスクを高めます。 摂取量や頻度を控え、食べた後はすぐに歯磨きをするか、水で口をゆすぐなどの対策を心がけましょう。カルシウムやビタミンなど、骨や歯を作る栄養素をバランス良く摂取することも、丈夫な歯を育てる上で欠かせません。
よくある質問

- 乳歯が抜けるのは何歳から何歳までですか?
- 乳歯が抜ける順番は決まっていますか?
- 乳歯が抜けたのに永久歯が生えてこないのはなぜですか?
- 乳歯が抜ける時に痛がったらどうすればいいですか?
- 抜けた乳歯はどのように保管するのが良いですか?
- 永久歯が生えてきたら歯磨きはどうすればいいですか?
乳歯が抜けるのは何歳から何歳までですか?
一般的に、乳歯は5歳から7歳頃に抜け始め、12歳頃までに全ての乳歯が永久歯に生え変わります。 ただし、個人差が大きく、早い子では4歳頃から、遅い子では8歳以降に最初の乳歯が抜けることもあります。
乳歯が抜ける順番は決まっていますか?
乳歯が抜ける順番には一定のパターンがあり、多くの場合、下の前歯(乳中切歯)から抜け始めます。 その後、上の前歯、下の横の前歯(側切歯)と続き、奥歯へと移行していくのが一般的です。 しかし、この順番はあくまで目安であり、個人差があるため、多少前後しても心配はいりません。
乳歯が抜けたのに永久歯が生えてこないのはなぜですか?
乳歯が抜けたのに永久歯が生えてこない原因はいくつか考えられます。最も多いのは、単純に永久歯が歯茎の中で成長するのに時間がかかっているケースです。 しかし、永久歯の位置がずれている、過剰歯がある、生まれつき永久歯がない(先天性欠如)、顎のスペースが不足しているなどの可能性もあります。 半年以上経っても生えてこない場合は、歯科医院でレントゲン検査を受けることをおすすめします。
乳歯が抜ける時に痛がったらどうすればいいですか?
乳歯がグラグラして痛がる場合は、無理に抜こうとせず、自然に抜けるのを促しましょう。 お子さん自身が舌や指で優しく揺らすのが良い方法です。 痛みが強い場合は、硬いものを避け、柔らかい食事を用意するなど、お子さんの負担を減らす工夫をしてください。 出血した場合は清潔なガーゼで圧迫止血し、出血が止まらない場合は歯科医院を受診しましょう。
抜けた乳歯はどのように保管するのが良いですか?
抜けた乳歯を記念として保管する場合は、まず清潔な状態にすることが大切です。 抜けた乳歯には唾液やタンパク質が付着しているため、消毒液に浸して汚れを落とし、しっかりと乾燥させてから専用の乳歯ケースに入れて保管しましょう。 湿気の少ない場所で保管し、カビの発生を防ぐことが重要です。
永久歯が生えてきたら歯磨きはどうすればいいですか?
永久歯が生え始めたら、食後は必ず歯磨きをする習慣をつけましょう。 乳歯と永久歯が混在する時期は、歯の大きさが不揃いで磨き残しが多いため、親御さんによる仕上げ磨きが特に重要です。 歯ブラシを歯の表面に垂直に、歯茎との境目には45度の角度で当て、細かく動かして丁寧に磨きます。 奥歯や歯並びの悪い部分には、タフトブラシやデンタルフロスを併用すると良いでしょう。
フッ素配合の歯磨き粉も活用し、定期的な歯科検診も忘れずに行いましょう。
まとめ
- 乳歯は全部で20本あり、全て永久歯に生え変わります。
- 乳歯が抜けるのは5歳から7歳頃に始まり、12歳頃までに完了します。
- 抜ける順番は下の前歯からが一般的ですが、個人差があります。
- 永久歯は親知らずを含め最大32本生え、乳歯より本数が多いです。
- 乳歯が抜ける際の痛みや出血は、無理に抜かず清潔に保ちましょう。
- 抜けた乳歯は消毒・乾燥させ、乳歯ケースで保管するのがおすすめです。
- 乳歯が抜けない、永久歯が生えてこない場合は歯科医に相談が必要です。
- 歯並びや噛み合わせが気になる時も、早めに歯科医に相談しましょう。
- 乳歯の虫歯は永久歯に悪影響を及ぼすため、予防と治療が大切です。
- 生え変わり時期は、正しい歯磨きの習慣を身につける良い機会です。
- 親御さんによる仕上げ磨きは小学校高学年まで続けるのが理想です。
- フッ素配合歯磨き粉やデンタルフロスの活用も効果的です。
- 定期的な歯科検診で、歯の健康状態をチェックしましょう。
- よく噛む食生活は顎の成長を促し、歯並びにも良い影響を与えます。
- 糖分の摂取を控え、バランスの取れた食生活を心がけましょう。
