「もしかして、ギョウ虫かも?」夜中に肛門のあたりがかゆくて眠れない、お子さんがお尻をかいているのを見て不安を感じている方もいらっしゃるかもしれません。ギョウ虫は決して珍しい感染症ではありませんが、正しい知識と対策でしっかりと駆除できます。本記事では、ギョウ虫駆除薬の種類や選び方、効果的な使い方、そして再感染を防ぐための具体的な方法まで、あなたの悩みを解決するための情報を詳しくお伝えします。
ギョウ虫症とは?症状と感染経路を理解する

ギョウ虫症は、小さな寄生虫であるギョウ虫が腸に住み着くことで起こる感染症です。特に夜間の肛門のかゆみが特徴で、感染経路を知ることは予防の第一歩となります。
ギョウ虫症の主な症状
ギョウ虫症の最も特徴的な症状は、夜間や就寝時に強くなる肛門周囲の激しいかゆみです。これは、成熟したメスのギョウ虫が夜間に肛門から出てきて、その周囲に卵を産み付ける際に皮膚を刺激するためです。かゆみの程度には個人差がありますが、ひどい場合は睡眠不足や集中力の低下、イライラといった症状を引き起こすこともあります。
また、かゆみで掻きむしることで、肛門周囲に傷がつき、細菌による二次感染を起こす可能性もあります。
ギョウ虫の感染経路と再感染の仕組み
ギョウ虫の感染は、主に経口感染によって起こります。感染者の肛門周囲に産み付けられた卵が、無意識に掻いた指や下着、寝具、さらにはホコリなどを介して口に入り、再び腸内で孵化することで感染が成立します。この「自家感染」と呼ばれる仕組みにより、一度感染すると繰り返し感染してしまうことがあります。
また、ギョウ虫の卵は非常に感染力が強く、家族内や集団生活の場(幼稚園、小学校など)で容易に広がるため、周囲の人への感染にも注意が必要です。
ギョウ虫の検査方法と診断の流れ

ギョウ虫症が疑われる場合、自宅で簡単にできる検査方法があります。正確な診断のために、検査の進め方を知っておきましょう。
セロハンテープ法による検査
ギョウ虫症の診断には、主にセロハンテープ法が用いられます。これは、透明な粘着テープを起床直後、排便や入浴の前に肛門周囲にしっかりと貼り付け、ギョウ虫の卵を採取する方法です。採取したテープを顕微鏡で観察し、卵の有無を確認することで診断します。ギョウ虫は毎晩産卵するとは限らないため、2日続けて検査を行うと、より正確な結果が得られます。
以前は学校健診で広く行われていましたが、現在は感染率の低下に伴い廃止されています。
ギョウ虫駆除薬の種類と選び方

ギョウ虫駆除薬には市販薬と処方薬があり、それぞれ特徴があります。ご自身の状況に合った薬を選ぶことが大切です。
市販されているギョウ虫駆除薬
現在、市販されているギョウ虫駆除薬の主な成分は、パモ酸ピルビニウムです。この成分は、腸管からはほとんど吸収されず、ギョウ虫に直接作用して駆除する特徴があります。多くの市販薬は1回の服用で成虫に効果を発揮しますが、卵や幼虫には効かないため、通常は1回目の服用から2~3週間後に再度服用することで、残っていた卵から孵化した幼虫を駆除し、より高い駆虫効果を目指せます。
代表的な市販薬としては、佐藤製薬の「パモキサン錠」が挙げられます。
医療機関で処方されるギョウ虫駆除薬
医療機関で処方されるギョウ虫駆除薬には、ピランテルパモ酸塩やアルベンダゾールなどの薬剤があります。これらの薬も、ギョウ虫の駆除に高い効果を示します。特に、市販薬で効果が見られない場合や、医師の診断が必要な特定の状況(乳幼児、妊婦、基礎疾患がある場合など)では、医療機関を受診し、適切な処方薬を検討することが重要です。
医師は患者さんの年齢や健康状態、他の薬との飲み合わせなどを考慮し、最適な薬を選んでくれます。
ギョウ虫駆除薬の正しい使い方と注意点

薬の効果を最大限に引き出し、安全に服用するためには、正しい使い方と注意点を守ることが不可欠です。服用前に必ず確認しましょう。
服用方法とタイミング
ギョウ虫駆除薬は、製品によって服用量や服用回数が異なりますが、多くの場合、1回の服用で効果を発揮するタイプが多いです。しかし、前述の通り、卵には効果がないため、残った卵から孵化した幼虫を駆除するために、1回目の服用から2週間~1ヶ月程度の期間を空けて、再度服用することが勧められています。
食事に関係なく服用できる薬が多いですが、歯に色がつくのを防ぐため、錠剤は噛まずにそのまま水で飲むようにしましょう。
服用時の注意点と副作用
ギョウ虫駆除薬を服用する際は、いくつかの注意点があります。まず、他の駆虫薬やヒマシ油との併用は避けてください。また、妊娠中や妊娠している可能性のある方、医師の治療を受けている方、薬でアレルギー症状を起こしたことがある方は、服用前に必ず医師や薬剤師に相談しましょう。小児、特に2歳未満の乳幼児への投与は慎重に行う必要があります。
主な副作用としては、胃痛、腹痛、吐き気、嘔吐、食欲不振、頭痛、めまい、倦怠感、発疹、かゆみなどが報告されています。また、薬の成分により尿や便が赤く着色することがありますが、これは一時的なもので心配ありません。
ギョウ虫の再感染を防ぐための対策

ギョウ虫は再感染しやすい特徴があるため、薬による駆除だけでなく、日常生活での予防策を徹底することが非常に重要です。家族全員で取り組むことで、感染の連鎖を断ち切りましょう。
個人衛生の徹底
ギョウ虫の卵は、感染者の指や衣類、寝具などを介して広がるため、手洗いの徹底が最も基本的な予防策です。特に、トイレの後や食事の前、調理をする前には、石鹸を使って丁寧に手を洗いましょう。また、爪を短く切り、爪噛みや指しゃぶりの習慣がある場合は改善するよう心がけることも大切です。
朝起きたらすぐにシャワーを浴びるか、肛門を清潔に洗うことで、夜間に産み付けられた卵を洗い流し、拡散を防ぐことができます。
生活環境の整備
ギョウ虫の卵は、衣類や寝具、床などに付着し、空気中に舞い上がって感染源となることがあります。そのため、寝具や下着は毎日交換し、こまめに洗濯することが重要です。ギョウ虫の卵は紫外線に弱いため、天気の良い日には布団やシーツを外に干して日光消毒するのも効果的です。また、部屋の掃除も徹底し、特に床やホコリがたまりやすい場所は念入りに掃除機をかけ、ドアノブや電気のスイッチ、トイレの便座など、多くの人が触れる場所は定期的に拭き掃除をして清潔に保ちましょう。
家族全員での対策の重要性
ギョウ虫は、一人感染者が出ると家族全員に感染している可能性が高い感染症です。そのため、感染が確認された場合は、症状の有無にかかわらず、家族全員で同時に駆虫薬を服用することが強く勧められています。これにより、家族内での再感染の連鎖を断ち切り、より確実にギョウ虫を駆除できます。
また、家族全員で予防策を徹底し、協力して衛生管理を行うことが、ギョウ虫症を乗り越えるための大切な一歩となります。
病院を受診するタイミング

市販薬で対応できるギョウ虫症ですが、状況によっては医療機関の受診が必要です。どのような場合に病院に行くべきかを知っておきましょう。
市販薬で効果が見られない場合
ギョウ虫駆除薬の市販薬を正しく服用し、衛生対策も徹底しているにもかかわらず、症状が改善しない、または繰り返し感染してしまう場合は、医療機関を受診しましょう。他の寄生虫感染症の可能性や、薬が効きにくいタイプのギョウ虫である可能性も考えられます。医師は、より詳細な検査や、異なる種類の処方薬の検討、または他の病気の可能性を探るために診察を行います。
特定の症状や状況がある場合
以下のような特定の症状や状況がある場合は、自己判断せずに速やかに医療機関を受診してください。
- 激しい腹痛や下痢、嘔吐など、消化器系の症状が強い場合。
- 発疹やじんましんなど、薬による重いアレルギー症状が疑われる場合。
- 2歳未満の乳幼児が感染した場合。
- 妊娠中または授乳中で、市販薬の服用に不安がある場合。
- 基礎疾患(持病)があり、他の薬を服用している場合。
- 肛門周囲の掻きむしりにより、皮膚が化膿しているなど、二次感染を起こしている場合。
これらの状況では、専門医の診断と適切な治療が不可欠です。小児科や内科を受診し、現在の症状や服用中の薬、アレルギーの有無などを詳しく伝えましょう。
よくある質問

- ギョウ虫駆除薬は市販されていますか?
- ギョウ虫駆除薬は家族全員で飲むべきですか?
- ギョウ虫駆除薬の副作用はありますか?
- ギョウ虫は自然に治りますか?
- ギョウ虫の検査はどこでできますか?
- ギョウ虫の卵はどのくらい生きる?
- ギョウ虫駆除薬は子供でも使えますか?
- ギョウ虫駆除薬を飲んだ後、便に虫が出ますか?
- ギョウ虫の予防で一番大切なことは何ですか?
- 妊娠中や授乳中にギョウ虫駆除薬は使えますか?
ギョウ虫駆除薬は市販されていますか?
はい、ギョウ虫駆除薬は市販されています。主な成分はパモ酸ピルビニウムで、佐藤製薬の「パモキサン錠」などが代表的です。薬局やドラッグストアで購入できます。
ギョウ虫駆除薬は家族全員で飲むべきですか?
はい、ギョウ虫は家族内感染のリスクが高いため、感染が確認された場合は、症状の有無にかかわらず家族全員で同時に服用することが強く勧められています。これにより、再感染の連鎖を断ち切る効果が高まります。
ギョウ虫駆除薬の副作用はありますか?
はい、副作用として、胃痛、腹痛、吐き気、嘔吐、食欲不振、頭痛、めまい、倦怠感、発疹、かゆみなどが報告されています。また、尿や便が赤く着色することがありますが、これは薬の成分による一時的なもので心配ありません。
ギョウ虫は自然に治りますか?
ギョウ虫は自然に治ることもありますが、再感染の可能性が高く、放置すると症状が長引いたり、家族に広がるリスクがあります。そのため、薬による適切な駆除と予防策を講じることが大切です。
ギョウ虫の検査はどこでできますか?
ギョウ虫の検査は、主に医療機関で行われるセロハンテープ法が一般的です。自宅で検査キットを購入して行うことも可能ですが、診断や治療方針については医師に相談することをおすすめします。
ギョウ虫の卵はどのくらい生きる?
ギョウ虫の卵は、環境中で2~3週間程度生存する感染力を持っています。この期間に口から摂取されると感染が成立するため、徹底した衛生管理が重要です。
ギョウ虫駆除薬は子供でも使えますか?
はい、多くのギョウ虫駆除薬は子供でも使用できますが、年齢制限があります(例:5歳以上)。特に2歳未満の乳幼児への投与は慎重に行う必要があり、必ず医師や薬剤師に相談し、指示に従ってください。
ギョウ虫駆除薬を飲んだ後、便に虫が出ますか?
ギョウ虫駆除薬を服用した後、便と一緒に駆除されたギョウ虫が排出されることがあります。薬の成分によっては、尿や便が赤く着色することもありますが、これは薬の作用によるものです。
ギョウ虫の予防で一番大切なことは何ですか?
ギョウ虫の予防で最も大切なことは、手洗いの徹底と生活環境の清潔保持です。特に、トイレの後や食事前の手洗い、爪を短く保つこと、寝具や下着のこまめな洗濯と日光消毒が効果的です。
妊娠中や授乳中にギョウ虫駆除薬は使えますか?
妊娠中の方は、服用前に必ず医師に相談してください。授乳中の方は、服用しても差し支えないとされる薬もありますが、念のため医師や薬剤師に確認することをおすすめします。
まとめ
- ギョウ虫症は夜間の肛門のかゆみが主な症状です。
- 感染はギョウ虫の卵を口から摂取することで起こります。
- セロハンテープ法でギョウ虫の卵を検査します。
- 市販薬の主成分はパモ酸ピルビニウムです。
- 市販薬は1回の服用で成虫に効果を発揮します。
- 卵には効果がないため、2~3週間後に再服用が勧められています。
- 処方薬にはピランテルパモ酸塩やアルベンダゾールがあります。
- 他の駆虫薬やヒマシ油との併用は避けてください。
- 妊娠中や持病がある場合は医師に相談が必要です。
- 副作用として胃腸症状や発疹、頭痛などがあります。
- 尿や便が赤くなることがありますが、一時的なものです。
- 手洗いの徹底が最も基本的な予防策です。
- 爪を短く保ち、爪噛みや指しゃぶりをやめましょう。
- 寝具や下着は毎日交換し、洗濯・日光消毒が効果的です。
- 家族全員で同時に駆虫薬を服用することが大切です。
- 症状が改善しない場合や特定の状況では病院を受診しましょう。
