自動車の購入や引っ越しで必要となる車庫証明。警察署の窓口で手続きをするのが一般的でしたが、近年ではオンラインでの申請も可能になりました。平日に警察署へ足を運ぶのが難しい方や、手続きを効率的に済ませたい方にとって、オンライン申請は非常に便利な方法です。本記事では、車庫証明のオンライン申請の進め方から、必要な書類、注意点まで詳しく解説します。
車庫証明オンライン申請(OSS)とは?基本を知ろう

車庫証明のオンライン申請は、「自動車保有関係手続のワンストップサービス(OSS)」を利用して行います。OSSは、自動車の登録や車庫証明、税金の申告・納付といった複数の行政手続きをインターネット上で一括して行えるシステムです。これにより、従来のように警察署や運輸支局、税務署など複数の窓口を回る手間が省け、自宅や職場から24時間いつでも手続きを進められるようになりました。
車庫証明オンライン申請のメリットとデメリット
オンライン申請には、多くのメリットがある一方で、いくつかのデメリットも存在します。メリットとしては、まず
24時間いつでも申請できる
点が挙げられます。警察署の窓口は平日の限られた時間しか開いていないため、仕事などで忙しい方にとっては大きな利点となるでしょう。 また、システムが入力内容をチェックしてくれるため、
書類の記入ミスを防ぎやすい
という点もメリットです。 手数料の支払いもインターネットバンキングやクレジットカードでオンライン決済が可能です。
一方、デメリットとしては、
全ての都道府県でオンライン申請に対応しているわけではない
点や、
軽自動車はオンライン申請の対象外
である点が挙げられます。 また、オンライン申請にはマイナンバーカードなどの電子証明書と、それを読み取るICカードリーダー、スキャナーなど、
特定の環境と機器が必要
です。 さらに、システム障害が発生した場合、手続きが滞る可能性もあります。
オンライン申請が可能な地域と対象者
車庫証明のオンライン申請は、2020年以降、国のデジタル化政策に伴い一部の都道府県で導入が進められています。 現時点では全国一律で対応しているわけではなく、対応エリアは限られているため、
申請前には必ず居住地の都道府県警察の公式サイトで最新の対応状況を確認する
ことが重要です。 例えば、2025年4月時点では東京都、神奈川県、大阪府などでオンライン申請に対応しています。 また、オンライン申請の対象は普通自動車のみであり、軽自動車の車庫届出は従来通り窓口での手続きが必要です。
オンライン申請を利用できるのは、原則として自動車の所有者本人で、マイナンバーカードなどの電子証明書を持っている方です。ローンを払い終わっていない車両など、所有者と使用者が一致しない場合は対象外となるケースもあります。
オンライン申請と窓口申請の違い
車庫証明の申請方法には、大きく分けてオンライン申請と窓口申請の2種類があります。窓口申請は、必要書類を揃えて管轄の警察署に直接提出する方法です。平日の日中に警察署へ出向く必要があり、書類に不備があれば再度訪問しなければなりません。
対してオンライン申請は、インターネットを通じて自宅や職場から手続きが可能です。 複数の行政手続きを一括で行えるOSSを利用するため、車庫証明だけでなく、自動車の登録や税金の申告・納付も同時に進められる場合があります。 ただし、オンライン申請は申請のみで、
証明書の交付については警察署での受け取りや郵送対応が必要なケースもある
ため、手続きの全てがオンラインで完結するわけではない点に注意が必要です。
車庫証明オンライン申請に必要な準備と書類

車庫証明のオンライン申請をスムーズに進めるためには、事前の準備が欠かせません。特に、必要な機器や書類を事前にしっかりと確認し、不備がないように整えることが大切です。
オンライン申請に必須の電子証明書と環境
オンライン申請を行うには、いくつかの機器と環境が必要です。まず、
インターネットに接続されたパソコン
が必須となります。 対応OSはWindows 8.1、Windows 10、Windows 11で、推奨ブラウザはMicrosoft EdgeやGoogle Chromeです。
次に、
マイナンバーカードまたは住民基本台帳カード(いずれも電子証明書付きのもの)
と、それを読み取るための
ICカードリーダー
が必要です。 スマートフォンで本人確認を行うケースもありますが、基本的にはICカードリーダーの準備が求められます。 また、保管場所の所在図や配置図などの添付書類を電子データ化するために、
スキャナー
も必要です。 手数料の納付には、インターネットバンキングへの登録も求められます。
車庫証明オンライン申請で用意する書類一覧
車庫証明のオンライン申請でも、窓口申請と同様に複数の書類を準備し、電子データとしてアップロードする必要があります。主な必要書類は以下の通りです。
- 自動車保管場所証明申請書
- 保管場所標章交付申請書
- 保管場所の所在図・配置図
- 保管場所使用権原疎明書面(自認書)または保管場所使用承諾証明書
これらの書類は、各都道府県警察のウェブサイトからダウンロードできる場合が多いです。 不備があると申請が差し戻され、手続きに時間がかかるため、正確に記入し、必要な情報を全て網羅しているか確認しましょう。
保管場所使用承諾証明書(または自認書)
保管場所使用承諾証明書は、駐車場が自分の所有地ではない場合に必要となる書類です。月極駐車場などを借りている場合、
土地の所有者や管理者に、保管場所の利用を承諾してもらったことを証明する
ために提出します。 駐車場を所有する方に署名・押印してもらう必要があるため、早めに依頼しましょう。 発行手数料がかかる場合もあり、金額は3,000円から20,000円程度と幅があります。
一方、保管場所が自分の所有する土地である場合は、「保管場所使用権原疎明書面(自認書)」を提出します。 これは、自分の土地を自動車の保管場所として使用する意思を証明する書類です。 どちらの書類が必要か、自身の状況に合わせて準備を進めてください。
所在図・配置図
所在図は、
保管場所の周辺の道路や目標となる建物などを記載し、自宅から保管場所までの距離を示す
ものです。 配置図は、
保管場所の敷地や駐車スペースの寸法、出入り口、前面道路の幅などを具体的に示す
書類です。 Googleマップなどを利用して作成することも可能です。 これらの図面は、警察官が現地調査を行う際の重要な資料となるため、正確かつ分かりやすく作成することが求められます。
その他、状況に応じて必要な書類
上記の書類以外にも、状況に応じて追加で書類が必要になる場合があります。例えば、自動車の登録と同時に申請する場合は、車検証情報などが必要になることがあります。 また、代理人が申請する場合は委任状が必要です。 申請内容によって必要な書類は異なるため、OSSのポータルサイトや管轄の警察署のウェブサイトで、
ご自身のケースに合わせた必要書類を事前に確認する
ようにしましょう。
書類の準備でよくある疑問を解決
書類準備の段階で、多くの人が疑問に感じる点があります。例えば、「保管場所使用承諾証明書はどこでもらえるのか?」という疑問です。これは、駐車場を管理している不動産会社や大家さんから発行してもらいます。発行に時間がかかる場合もあるため、早めに依頼することが大切です。
また、「所在図・配置図は手書きでも良いのか?」という疑問もよく聞かれます。手書きでも問題ありませんが、正確な情報が記載されていることが重要です。Googleマップなどの地図サービスを活用し、距離や寸法を正確に測って記入すると良いでしょう。 書類に不備があると、申請が受理されず、手続きが遅れてしまう原因となります。
疑問点があれば、
事前に警察署や行政書士に相談する
のが賢明です。
自動車保有関係手続のワンストップサービス(OSS)での申請手順

必要な準備が整ったら、いよいよOSSを利用してオンライン申請を進めます。ここでは、具体的な申請手順をステップごとに解説します。
OSSポータルサイトでのアカウント登録とログイン
まず、自動車保有関係手続のワンストップサービス(OSS)のポータルサイトにアクセスします。 初めて利用する場合は、アカウント登録が必要です。登録には、マイナンバーカードなどの電子証明書とICカードリーダー(または対応スマートフォン)を使用し、本人確認を行います。 登録が完了したら、ログインして申請手続きを開始しましょう。
アカウント登録の際には、パスワードの設定も求められます。8文字以上16文字以下で、半角スペース、数字、記号の中から2種類以上を組み合わせる必要があるため、
セキュリティを考慮したパスワードを設定する
ようにしてください。
申請情報の入力と必要書類のアップロード
ログイン後、申請フォームに必要事項を入力していきます。氏名、住所、連絡先、車両情報、保管場所の詳細など、正確な情報を入力することが求められます。 車名、型式、車体番号、自動車の大きさなどは車検証に記載された通りに入力し、誤りがないか
入念に確認する
ことが大切です。
次に、事前に電子データ化した必要書類をアップロードします。所在図・配置図、保管場所使用承諾証明書(または自認書)などをPDFファイルなどの指定された形式でアップロードしてください。 システム上で入力ミスや書類の不備がチェックされるため、指示に従って修正しましょう。
手数料の支払い方法と注意点
申請情報の入力と書類のアップロードが完了したら、手数料の支払いを行います。OSSでの手数料納付方法は、
インターネットバンキングまたは金融機関ATM(ペイジー対応)による電子納付
が一般的です。 クレジットカード払いに対応している地域もあります。 手数料の種類は、自動車保管場所証明書交付申請手数料と保管場所標章交付手数料があり、地域によって金額が異なるため、事前に確認しておきましょう。 例えば、自動車保管場所証明書交付申請手数料は2,000円~2,300円、保管場所標章交付手数料は500円~610円程度です。
手数料が不徴収または免除になる申請は、OSSを利用できない場合があるため注意が必要です。 支払い手続きが完了すると、システム上で「手数料納付済み」と表示され、次の審査段階に進みます。
申請後の進捗確認と交付までの流れ
手数料の納付が完了すると、警察署での審査が始まります。審査の進捗状況は、OSSのポータルサイトにある「状況照会」ページからいつでも確認できます。 警察官による現地調査が行われることもありますので、申請内容と実際の保管場所が一致しているか確認されます。
審査が終了し、保管場所が確保されていると認められた場合、電子的に保管場所証明の通知が行われます。 その後、
車庫証明書と保管場所標章(ステッカー)の交付
となります。交付方法は、警察署での受け取りか、郵送対応となる場合が多いです。 申請から交付までの期間は、おおむね2日~4日程度が一般的ですが、土日祝日はカウントされないため、余裕を持ったスケジュールで申請することが大切です。
車庫証明オンライン申請をスムーズに進めるコツと注意点
オンライン申請は便利ですが、いくつかのポイントを押さえておくことで、よりスムーズに手続きを進められます。ここでは、申請を成功させるためのコツと、注意すべき点をご紹介します。
申請前に必ず確認すべきポイント
オンライン申請を始める前に、以下の点を必ず確認しましょう。
-
対応地域であるか:
お住まいの地域がOSSによる車庫証明オンライン申請に対応しているか、都道府県警察のウェブサイトで確認してください。
-
必要な機器が揃っているか:
パソコン、ICカードリーダー、スキャナー、マイナンバーカード(電子証明書付き)など、必要な機器が全て揃っているか確認します。
-
書類の準備は万全か:
必要書類は全て揃っているか、記入漏れや誤りがないか、電子データ化は適切に行われているかを確認します。特に、保管場所使用承諾証明書は、管理会社や大家さんへの依頼に時間がかかる場合があります。
-
手数料の支払い方法:
インターネットバンキングの登録状況や、利用可能な金融機関を確認しておきましょう。
これらの事前確認を怠ると、途中で手続きが中断したり、余計な時間がかかったりする原因となります。特に、
車検証に記載された情報と申請内容に誤りがあると、補正ができず証明不可となる
場合があるため、細心の注意を払いましょう。
オンライン申請でよくある失敗例とその対策
オンライン申請でよくある失敗例としては、以下のようなものがあります。
-
必要書類の不備:
特に、保管場所使用承諾証明書や所在図・配置図の記載内容に不備があったり、データ化の際に不鮮明になったりするケースがあります。対策としては、
事前に警察署のウェブサイトで記載例を確認し、鮮明な画像でデータ化する
ことが重要です。
-
電子証明書の期限切れや読み取りエラー:
マイナンバーカードの電子証明書には有効期限があります。期限切れの場合は更新が必要です。また、ICカードリーダーの接続不良やドライバーの未インストールもエラーの原因となるため、
事前に動作確認を行う
と良いでしょう。
-
申請内容と実際の状況の不一致:
警察官による現地調査で、申請書に記載された保管場所と実際の状況が異なると、交付が遅れることがあります。例えば、代替車両が停まっていたり、申請した住所と車庫が違ったりするケースです。
申請内容と現状が一致しているか、再度確認する
ことが大切です。
これらの失敗を避けるためには、
余裕を持ったスケジュールで準備を進め、不明な点は早めに確認する
姿勢が成功への鍵となります。
オンライン申請が難しいと感じたら?代行サービスの活用
「オンライン申請は便利そうだけど、手続きが複雑で自信がない」「平日に書類を準備する時間がない」と感じる方もいるかもしれません。そのような場合は、
行政書士などの専門家による代行サービス
を活用するのも一つの方法です。
行政書士は、車庫証明の申請手続きを専門としており、必要書類の作成から申請までを代行してくれます。オンラインで依頼から完了まで進められる事務所も多く、専門知識に基づいた確実な手続きが期待できます。 代行手数料はかかりますが、手間や時間を大幅に削減できるため、忙しい方や手続きに不安がある方にとっては、非常に有効な選択肢となるでしょう。
よくある質問
- 車庫証明オンライン申請できない地域はありますか?
- 車庫証明オンライン申請のデメリットは何ですか?
- 車庫証明オンライン申請はどのくらい時間がかかりますか?
- 車庫証明オンライン申請で必要なものは何ですか?
- 車庫証明オンライン申請は郵送でできますか?
- 車庫証明オンライン申請は土日でもできますか?
- 車庫証明オンライン申請の費用はいくらですか?
- 車庫証明オンライン申請は誰でもできますか?
車庫証明オンライン申請できない地域はありますか?
はい、車庫証明のオンライン申請は、
全ての都道府県で対応しているわけではありません。
2020年以降、国のデジタル化政策に伴い導入が進められていますが、現時点では一部の都道府県に限られています。 申請を行う前に、必ずお住まいの地域がオンライン申請に対応しているか、
都道府県警察の公式サイトで確認する
ようにしてください。
車庫証明オンライン申請のデメリットは何ですか?
車庫証明オンライン申請の主なデメリットは、
全ての地域で利用できるわけではない
こと、
軽自動車は対象外
であること、そして
電子証明書(マイナンバーカードなど)やICカードリーダー、スキャナーといった特定の機器や環境が必要
になることです。 また、システム障害が発生すると手続きが滞る可能性もあります。
車庫証明オンライン申請はどのくらい時間がかかりますか?
車庫証明のオンライン申請から交付までの期間は、
おおむね2日~4日程度が一般的
です。 ただし、この日数には土日祝日は含まれません。例えば、月曜日に申請した場合、中2日で交付される警察署であれば木曜日が交付予定日となります。 書類に不備があった場合は、さらに時間がかかる可能性があります。
車庫証明オンライン申請で必要なものは何ですか?
車庫証明オンライン申請で必要なものは、主に以下の通りです。
- インターネットに接続されたパソコン
- マイナンバーカード(電子証明書付き)または住民基本台帳カード(電子証明書付き)
- ICカードリーダー(または対応スマートフォン)
- スキャナー
- 自動車保管場所証明申請書、保管場所標章交付申請書、所在図・配置図、保管場所使用承諾証明書(または自認書)などの電子データ
- インターネットバンキングへの登録
車庫証明オンライン申請は郵送でできますか?
車庫証明のオンライン申請は、
申請自体はインターネットを通じて行いますが、証明書の交付については郵送対応が可能なケースと、警察署での受け取りが必要なケースがあります。
全ての手続きが郵送で完結するわけではないため、事前に管轄の警察署のウェブサイトで確認することをおすすめします。
車庫証明オンライン申請は土日でもできますか?
はい、車庫証明のオンライン申請は、
システムメンテナンス時を除き、24時間365日いつでも手続きが可能
です。 警察署の窓口が閉まっている土日や祝日でも、ご自身の都合の良い時間に申請を進められるのが大きなメリットです。ただし、審査や交付までの期間には土日祝日は含まれない点に注意が必要です。
車庫証明オンライン申請の費用はいくらですか?
車庫証明オンライン申請にかかる費用は、
自動車保管場所証明書交付申請手数料と保管場所標章交付手数料
です。 これらの手数料は、都道府県によって金額が異なりますが、目安として自動車保管場所証明書交付申請手数料が2,000円~2,300円、保管場所標章交付手数料が500円~610円程度です。 支払い方法はインターネットバンキングやATM(ペイジー対応)による電子納付が一般的です。
車庫証明オンライン申請は誰でもできますか?
車庫証明のオンライン申請は、
原則として自動車の所有者本人で、マイナンバーカードなどの電子証明書を持っている方
が対象です。 ただし、代理人による申請も可能であり、その場合は代理人のマイナンバーカードや委任状などが必要になることがあります。 軽自動車はオンライン申請の対象外です。
まとめ
- 車庫証明は「自動車保有関係手続のワンストップサービス(OSS)」でオンライン申請が可能。
- オンライン申請は24時間いつでも手続きでき、書類の記入ミスを防ぎやすい。
- 全ての都道府県でオンライン申請に対応しているわけではなく、軽自動車は対象外。
- オンライン申請にはパソコン、電子証明書(マイナンバーカード)、ICカードリーダー、スキャナーが必要。
- 必要書類は窓口申請と同様で、電子データ化してアップロードする。
- 保管場所使用承諾証明書は、駐車場管理者からの発行に時間がかかる場合がある。
- 所在図・配置図は正確に作成し、鮮明な画像でデータ化することが大切。
- OSSポータルサイトでアカウント登録後、申請情報の入力と書類アップロードを行う。
- 手数料はインターネットバンキングやATM(ペイジー対応)で電子納付する。
- 申請から交付までの期間は2~4日程度が目安だが、土日祝日は含まれない。
- 申請前には対応地域、必要機器、書類の準備状況を必ず確認する。
- 書類不備や電子証明書のエラー、申請内容と現状の不一致は失敗の原因となる。
- オンライン申請が難しい場合は、行政書士などの代行サービス活用も有効な方法。
- 車庫証明の交付は警察署での受け取りか郵送対応となる場合が多い。
- 手数料は都道府県によって異なるため、事前に確認が必要。
