TACEとは?医療における肝臓がん治療の選択肢を徹底解説

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肝臓がんの治療法について調べているあなたへ。TACE(肝動脈化学塞栓術)という言葉を目にして、どのような治療なのか、自分や大切な人に合っているのかと疑問に感じていませんか?

本記事では、TACEの基本的な情報から、具体的な進め方、メリットやデメリット、そして他の治療法との違いまで、分かりやすく解説します。この治療法があなたの状況にとってどのような意味を持つのか、理解を深めるためにお役立てください。

目次

TACE(肝動脈化学塞栓術)とは?肝臓がん治療の基本を知る

TACE(肝動脈化学塞栓術)とは?肝臓がん治療の基本を知る

TACEは「Transcatheter Arterial Chemoembolization」の略で、日本語では「肝動脈化学塞栓術」と呼ばれます。これは、肝臓がんの治療に用いられるカテーテルを使った治療法の一つです。主に、手術での切除が難しい肝臓がんや、多発している肝臓がんに対して検討されます。

この治療は、がん細胞に栄養を送る肝動脈に直接抗がん剤を注入し、さらにその血管を塞いで血流を遮断することで、がんを「兵糧攻め」にするという特徴があります。

TACEの基本的な定義と目的

TACEは、X線透視などの画像診断装置を使いながら、足の付け根や手首の動脈から細いカテーテルを挿入し、肝臓内のがんを栄養する動脈まで進める治療です。

目的は、がん細胞に高濃度の抗がん剤を直接届けることと、がんへの血流を遮断して栄養や酸素の供給を絶つことで、がん細胞を壊死させることにあります。

TACEが肝臓がんに有効な理由

肝臓は、門脈と肝動脈の二つの血管から血液が供給されています。正常な肝細胞は主に門脈から栄養を受けますが、肝臓がんは進行すると、その多くが肝動脈から栄養を得て増殖するという特徴があります。

この特性を利用し、肝動脈を標的にすることで、がん細胞に集中的に治療を行い、正常な肝臓組織への影響を最小限に抑えながら治療効果を高めることが期待できるのです。

TACEの進め方と具体的な流れ

TACEの進め方と具体的な流れ

TACEは、インターベンショナルラジオロジー(IVR)と呼ばれる画像下治療の一種です。 治療は通常、入院して行われます。

ここでは、治療前の準備から実際の治療手順、そして治療後の経過と注意点について詳しく見ていきましょう。

治療前の準備と検査

TACEを行う前には、患者さんの肝機能や全身の状態を詳しく評価するための検査が行われます。これには、血液検査やCTスキャン、MRIなどの画像検査が含まれます。 これらの検査結果に基づいて、TACEが適切な治療法であるか、またどのような方法で進めるかを決定します。

治療前日に入院し、全身状態の確認や痛み止めの点滴投与などが行われるのが一般的です。

実際の治療手順

治療は、X線透視装置のある血管撮影室で行われます。 まず、足の付け根(鼠径部)の動脈を消毒し、局所麻酔を施します。 その後、数ミリ程度の小さな穴を開けてカテーテルを挿入し、X線画像を見ながら肝臓のがんを栄養している細い動脈まで慎重に進めていきます。

がんの近くまでカテーテルが到達したら、抗がん剤と、血管を塞ぐための塞栓物質(ゼラチンスポンジやビーズなど)を注入します。 これにより、がんに直接抗がん剤を届けつつ、血流を遮断してがんを壊死させることを目指します。 治療後、カテーテルを抜去し、穿刺部位を圧迫して止血します。

治療後の経過と注意点

治療後は、穿刺部位からの出血を防ぐため、数時間の絶対安静が必要です。 治療中や治療後に、腹痛、吐き気、発熱、倦怠感、食欲不振などの症状が現れることがあります。これらは「塞栓後症候群」と呼ばれ、塞栓に対する体の反応であり、通常は1週間程度で治まります。 痛み止めや吐き気止めなどで症状を和らげることが可能です。

入院期間は、患者さんの状態や治療内容によって異なりますが、一般的には1週間から2週間程度が目安とされています。 退院後は、定期的にCTや超音波検査、血液検査などで治療効果や肝機能の変化を確認し、再発の有無を早期に発見することが重要です。

TACEのメリットとデメリットを理解する

TACEは肝臓がんの治療において有効な選択肢の一つですが、他の治療法と同様にメリットとデメリットが存在します。これらを理解することは、治療選択をする上で非常に大切です。

TACEの主な利点

TACEの大きな利点は、

メスを使わない低侵襲な治療であることです。 外科手術に比べて体への負担が少なく、入院期間も短期間で済む傾向があります。 また、局所麻酔で行われるため、全身麻酔が難しい患者さんにも適用できる場合があります。

さらに、抗がん剤をがんに直接届けるため、全身への副作用を抑えつつ、高い治療効果が期待できる点もメリットです。 がんへの血流を遮断することで、がん細胞の増殖を抑制し、壊死させる効果も期待できます。

TACEの注意点と起こりうる副作用

TACEの注意点としては、治療後に「塞栓後症候群」と呼ばれる症状が現れることが挙げられます。具体的には、発熱、腹痛、吐き気、倦怠感、食欲不振などです。 これらの症状は一時的なものがほとんどですが、個人差があります。

稀に、肝機能の悪化や胆嚢炎、肝膿瘍などの合併症が起こる可能性もあります。 また、TACEはがんを完全に消滅させるのが難しい場合もあり、複数回治療が必要になることや、再発のリスクがあることも理解しておく必要があります。

TACEの対象となる患者さんと適応基準

TACEの対象となる患者さんと適応基準

TACEは、全ての肝臓がん患者さんに適用されるわけではありません。患者さんの状態やがんの進行度によって、TACEが最適な治療法となるかどうかが慎重に検討されます。

どのような肝臓がん患者にTACEが検討されるのか

TACEは主に、

手術による切除が難しい肝細胞がんの患者さんに検討されます。 具体的には、がんの個数が複数ある場合や、がんの大きさが3cmを超えている場合、あるいは肝機能が比較的保たれている(Child-Pugh分類AまたはB)進行肝細胞がんが対象となります。

また、他の臓器に転移がなく、肝臓内にがんが限局している患者さんや、肝移植を待つ間の「ブリッジング治療」としてTACEが用いられることもあります。

TACEが適用されないケース

TACEが適用されない主なケースとしては、肝機能が著しく低下している患者さん(Child-Pugh分類Cなど)が挙げられます。 肝機能が悪いと、TACEによる肝臓への負担に耐えられない可能性があるためです。

また、門脈に血栓がある場合や、がんが肝臓の主要な血管に広がっている場合、肝臓以外の臓器にがんが転移している場合も、TACEの適応外となることがあります。 胆道術後の患者さんに対しても、原則禁忌とされています。

TACEと他の肝臓がん治療法との違い

TACEと他の肝臓がん治療法との違い

肝臓がんの治療法はTACEだけではありません。患者さんの状態やがんの特性に応じて、様々な治療法が選択されます。TACEがどのような位置づけにあるのか、他の治療法と比較しながら見ていきましょう。

手術療法やラジオ波焼灼療法との比較

肝臓がんの根治的な治療法として、

手術による肝切除が挙げられます。 手術はがんを直接取り除くため、最も根治性が高いとされていますが、がんの大きさや数、位置、肝機能などによって適用できる患者さんが限られます。

また、

ラジオ波焼灼療法(RFA)は、体外から針をがんに刺し、ラジオ波の熱でがんを焼いて壊死させる局所治療です。 手術に比べて体への負担が少ないのが特徴で、がんの大きさが3cm以下で3個以内といった比較的早期の肝臓がんが主な対象となります。

TACEは、手術やラジオ波焼灼療法が難しい場合に選択されることが多く、より幅広い患者さんに適用できる柔軟性があります。 ただし、局所再発の可能性は手術やRFAに比べて高いとされています。

全身化学療法との違い

全身化学療法は、抗がん剤を点滴などで全身に投与し、血液の流れに乗せて全身のがん細胞を攻撃する治療法です。 肝臓がんが広範囲に広がっている場合や、他の臓器に転移している場合などに検討されます。

TACEは、抗がん剤をがんに直接届けるため、全身化学療法に比べて全身への副作用を抑えられるという違いがあります。 近年では、TACEと分子標的薬などの薬物療法を組み合わせることで、治療効果を高める試みも行われています。

TACEに関するよくある質問

TACEに関するよくある質問

TACEについて、患者さんやご家族が抱きやすい疑問にお答えします。

TACEの入院期間はどれくらいですか?

TACEの入院期間は、患者さんの状態や治療後の経過によって異なりますが、一般的には1週間から2週間程度が目安とされています。 治療前日に入院し、治療後数日間の安静と経過観察を経て退院となることが多いです。

TACEの費用はどのくらいかかりますか?

TACEの費用は、保険適用となるため、患者さんの自己負担割合によって異なります。例えば、3割負担の場合、入院期間が13日で約25万円程度が目安となることがあります。 ただし、使用する薬剤や医療機関によって費用は変動します。高額療養費制度なども利用できるため、詳細は医療機関の窓口や医療相談室に確認することをおすすめします。

TACEは痛いですか?

TACEの治療中は、局所麻酔を使用するため、カテーテルを挿入する際の痛みはほとんど感じません。 しかし、治療後に腹痛や吐き気、発熱などの「塞栓後症候群」と呼ばれる症状が現れることがあります。 これらの痛みは、痛み止めでコントロールできることがほとんどです。

TACE後の生活で気をつけることはありますか?

TACE後は、穿刺部位からの出血を防ぐため、治療直後は数時間の絶対安静が必要です。 その後、医師や看護師の指示に従って徐々に活動を再開します。退院後は、特別な活動制限がない場合が多いですが、定期的な通院による経過観察が非常に重要です。 肝機能の維持のため、医師の指示に従い、食事や生活習慣に注意を払うことも大切です。

TACEは何回でも受けられますか?

TACEは、肝動脈が閉塞しない限り、複数回受けることが可能です。 肝臓がんは再発しやすい病気であるため、TACEを繰り返し受ける患者さんも少なくありません。 ただし、肝機能の状態やがんの進行度に応じて、治療の適応が慎重に判断されます。

まとめ

  • TACE(肝動脈化学塞栓術)は、肝臓がんの治療法の一つです。
  • がんを栄養する肝動脈に抗がん剤を注入し、血管を塞いで血流を遮断する治療です。
  • メスを使わない低侵襲な治療であり、体への負担が少ないのが特徴です。
  • 主に手術が難しい肝臓がんや多発する肝臓がんが対象となります。
  • 治療はカテーテルを挿入し、X線画像を見ながら行われます。
  • 治療後には発熱や腹痛などの「塞栓後症候群」が現れることがあります。
  • 入院期間は1週間から2週間程度が目安です。
  • 肝機能が著しく低下している場合などは適用されません。
  • 手術やラジオ波焼灼療法が難しい場合の選択肢となります。
  • 全身化学療法に比べて全身への副作用を抑えられます。
  • TACEは複数回受けることが可能です。
  • 費用は保険適用で、高額療養費制度も利用できます。
  • 治療中の痛みは局所麻酔で抑えられます。
  • 治療後は定期的な経過観察が重要です。
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