「小切手が廃止されるって本当?」「もし廃止されたら、現金を引き出すのが難しくなるの?」そんな不安を感じていませんか?近年、政府や金融機関は紙の小切手の利用廃止と電子化を強く推進しています。この大きな変化は、特に企業間の取引に大きな影響を与えますが、個人の方にとっても無関係ではありません。本記事では、小切手廃止の具体的なスケジュールや、それに伴う現金引き出しの変化、そして今後利用すべき代替手段について詳しく解説します。
安心して新しい決済方法へ移行するための準備を進めましょう。
小切手廃止の現状と2026年度末に向けた動き
日本において、紙の小切手は長らく企業間の決済手段として利用されてきました。しかし、デジタル化の波と効率化の必要性から、その役割は大きく変わりつつあります。政府と金融業界は、紙の小切手の利用を段階的に終了し、電子的な決済手段への移行を促しています。この動きは、私たちの現金引き出しの方法にも影響を与える可能性があります。
ここでは、小切手廃止の具体的な背景と、それが現金引き出しにどのような変化をもたらすのかを詳しく見ていきましょう。
日本における紙の小切手廃止の背景と目標
日本政府は、2021年6月に閣議決定した「成長戦略実行計画」の中で、「5年後の約束手形の利用廃止・小切手の全面的な電子化」という方針を打ち出しました。これを受け、全国銀行協会は「2026年度末までに電子交換所における手形・小切手の交換枚数をゼロにする」という目標を掲げ、具体的な取り組みを進めています。
この目標達成のため、各金融機関はすでに紙の小切手の新規発行受付を停止したり、他行宛の小切手の預金入金扱いを終了したりするなど、段階的な措置を講じています。 この背景には、紙の小切手による取引が抱える事務負担の大きさ、印紙税や郵送費などのコスト、そして紛失や盗難、偽造といったセキュリティ上のリスクを軽減したいという狙いがあります。
電子化によって、これらの課題を解決し、より安全で効率的な決済環境を築くことが目指されているのです。
小切手廃止が「現金引き出し」に与える影響
紙の小切手が廃止されると聞くと、「現金を引き出せなくなるのでは?」と心配になる方もいるかもしれません。しかし、ご安心ください。小切手の廃止は、現金そのものの引き出しを不可能にするものではありません。これまで小切手を使って当座預金から現金を引き出していた企業や個人は、その方法が使えなくなるという変化です。
例えば、三菱UFJ銀行では、小切手の発行受付終了後も、当座勘定から現金を出金したい場合は、当座キャッシュカードの利用や払戻請求書での対応が可能であると案内しています。 つまり、小切手という特定の手段が使えなくなるだけで、銀行窓口やATMを通じた現金引き出しの手段は引き続き利用できます。特に、大口の現金引き出しが必要な場合は、事前に金融機関に相談し、適切な手続きや代替手段を確認しておくことが大切です。
金融機関の対応と今後のスケジュール
全国銀行協会が掲げる「2026年度末までに電子交換所における手形・小切手の交換枚数をゼロにする」という目標に向けて、各金融機関は具体的な対応を進めています。 例えば、三菱UFJ銀行は2025年9月30日をもって手形・小切手の発行受付を終了し、2026年3月31日には他行を支払地とする手形・小切手の預金入金扱いを終了する予定です。
また、伊予銀行も2026年3月末をもって手形・小切手の発行を終了すると発表しています。 このように、金融機関によって具体的なスケジュールは異なりますが、全体としては2026年度末(2027年3月末)に向けて、紙の小切手の取り扱いが段階的に縮小・終了していく流れです。 利用者は、取引のある金融機関のウェブサイトなどで最新の情報を確認し、早めに代替手段への移行を検討することが求められます。
小切手に代わる安全で便利な支払い・送金方法

紙の小切手が廃止されることで、これまでの支払い・送金方法を見直す必要が出てきます。しかし、心配はいりません。現代には、小切手よりも安全で効率的な代替手段が数多く存在します。特に、企業間取引で利用されてきた小切手の役割を代替する「でんさい」や、個人でも手軽に利用できるインターネットバンキングなどがその中心です。
ここでは、それぞれの代替手段について詳しく解説し、あなたのビジネスや日々の生活に合った最適な方法を見つけるお手伝いをします。
法人・個人事業主におすすめの代替手段「でんさい」
紙の小切手に代わる法人・個人事業主向けの主要な代替手段として、「でんさい」(電子記録債権)が挙げられます。 でんさいは、手形や小切手のような紙媒体ではなく、電子的に債権を記録・管理する仕組みです。金融機関のシステムを通じて「でんさいネット」の記録原簿に情報が記録されるため、手形の振出や裏書、取立といった一連のプロセスが全て電子的に完結します。
これにより、紙の手形・小切手で発生していた印紙税や郵送料、発行手数料などのコストが削減できるだけでなく、紛失や盗難、偽造のリスクも大幅に低減されます。 また、支払期日になると自動的に受取企業の口座に入金されるため、取立手続きが不要となり、資金繰りの円滑化にもつながります。 でんさいは、特に企業間の大口決済において、安全性と効率性を高める有効な方法と言えるでしょう。
インターネットバンキングを活用した決済の進め方
インターネットバンキングも、小切手に代わる便利な決済手段の一つです。 パソコンやスマートフォンから銀行の専用サイトにアクセスすることで、振込・振替などの各種手続きを自宅やオフィスから手軽に行うことができます。 銀行窓口へ出向く手間が省けるため、時間や交通費の節約にもなります。特に、複数の取引先への支払いや、定期的な送金が多い企業や個人事業主にとって、インターネットバンキングは業務効率を大きく高めるツールとなるでしょう。
多くの金融機関が法人向けのインターネットバンキングサービスを提供しており、会計ソフトとの連携機能を持つものも少なくありません。これにより、利用明細の自動取り込みや仕訳の自動化など、経理業務のさらなる効率化が期待できます。個人の方にとっても、公共料金の支払いから友人への送金まで、幅広いシーンで活用できる便利なサービスです。
大口現金引き出しの新たな方法
小切手が廃止された後も、大口の現金引き出しが必要な場面は依然として存在します。例えば、従業員への給与の一部を現金で支払う場合や、特定の事業活動で多額の現金が必要になるケースなどが考えられます。小切手での引き出しが不可能になるため、今後は別の方法を検討する必要があります。主な代替策としては、以下の方法が挙げられます。
- 当座預金キャッシュカードの利用: 多くの金融機関では、当座預金口座に紐付いたキャッシュカードを発行しており、ATMや窓口で現金を引き出すことができます。
- 払戻請求書の利用: 銀行窓口で、当座預金払戻請求書に必要事項を記入し、本人確認書類を提示することで現金を引き出すことが可能です。
- 普通預金口座への振込と引き出し: 大口の現金を必要とする場合は、まず当座預金から普通預金口座へ資金を振り込み、その後、普通預金口座のキャッシュカードや通帳、印鑑を使って窓口やATMで引き出す方法も考えられます。
いずれの方法も、事前に金融機関に相談し、引き出し可能な金額の上限や手数料、必要な書類などを確認しておくことがスムーズな手続きのコツです。
小切手廃止に向けて今からできる準備と注意点

紙の小切手廃止は、企業や個人にとって、決済方法を見直す良い機会です。この変化にスムーズに対応するためには、事前の準備と注意点の把握が欠かせません。特に、取引先との調整や社内体制の整備は、早めに着手することが成功するための鍵となります。ここでは、企業と個人がそれぞれどのような準備を進めるべきか、そして小切手廃止に伴うトラブルを避けるための確認事項について具体的に解説します。
企業がスムーズに移行するためのコツ
企業が紙の小切手廃止にスムーズに対応するためには、計画的な準備が不可欠です。まず、自社で現在どの程度の小切手を発行・受領しているのか、その頻度や金額、取引先ごとの内訳を正確に把握することから始めましょう。 これにより、小切手廃止が自社の業務に与える影響の大きさが明確になります。次に、代替となる決済手段(でんさい、インターネットバンキングなど)の導入を検討し、社内システムや業務フローの改修を進める必要があります。
最も重要なのは、取引先との事前調整です。決済方法の変更は、自社だけでなく取引先にも影響を与えるため、十分な準備期間を設け、余裕をもってスケジュールを立て、円滑な移行を目指しましょう。 経理担当者や営業担当者など、決済業務に携わる従業員への教育・トレーニングも忘れずに行い、新しい決済方法への理解を深めることが大切です。
個人が知っておくべきこと
個人で小切手を利用する機会は企業に比べて少ないかもしれませんが、不動産取引や相続などで大口の支払いを受け取る際などに小切手を受け取るケースも考えられます。紙の小切手が廃止されると、これらの場面で小切手を受け取ることができなくなるか、または現金化の方法が変わる可能性があります。もし小切手を受け取る予定がある場合は、事前に振出人や金融機関に確認し、代替の支払い方法(銀行振込など)を依頼するようにしましょう。
また、もし手元に未使用の小切手用紙がある場合は、取引銀行に相談して買戻しや処分方法を確認することをおすすめします。 個人にとっても、電子決済サービスやインターネットバンキングの利用は、日々の支払いをより便利にする手段となるため、この機会に検討してみるのも良いでしょう。
小切手トラブルを避けるための確認事項
小切手廃止への移行期間中や移行後には、いくつかのトラブルが想定されます。これらを未然に防ぐためには、以下の点を確認しておくことが重要です。
- 振出日と有効期限の確認: 小切手には振出日の翌日から10日という有効期限があります。 移行期間中に受け取った小切手は、期限内に現金化または入金手続きを行う必要があります。
- 線引小切手の取り扱い: 線引小切手は、現金での引き出しができず、必ず口座への入金が必要です。 誤って現金化しようとしないよう注意しましょう。
- 不渡りのリスク: 振出人の当座預金残高が不足していると、小切手は不渡りとなります。 不渡りは振出人の信用を著しく低下させるため、振出側は残高管理を徹底し、受取側は振出人の信用状況を確認することが大切です。
- 記載内容の確認: 小切手を受け取ったら、金額、振出日、振出人名、押印などに間違いがないか必ず確認しましょう。 誤りがある場合は、振出人に修正を依頼する必要があります。
これらの確認を怠ると、資金化の遅延や思わぬ手数料の発生、さらには信用問題に発展する可能性もあります。常に最新の情報を入手し、不明な点があれば取引金融機関に相談する習慣を身につけることが、トラブル回避の最善策です。
よくある質問

- 小切手はいつ廃止されるのですか?
- 小切手の代わりに何を使えばいいですか?
- 大金を現金で引き出す方法はありますか?
- 小切手を受け取った場合、どうすればいいですか?
- 電子決済への移行は進んでいますか?
- 小切手廃止のメリットは何ですか?
- 未使用の小切手用紙はどうすればいいですか?
小切手はいつ廃止されるのですか?
紙の小切手は、2026年度末(2027年3月末)までに、電子交換所における交換枚数をゼロにすることが目標とされています。 これは、紙の小切手の利用が完全に終了し、電子的な決済手段への移行が進むことを意味します。各金融機関はすでに段階的に小切手関連のサービスを停止しており、具体的なスケジュールは取引銀行によって異なるため、ご自身の利用している金融機関の情報を確認することが大切です。
小切手の代わりに何を使えばいいですか?
小切手の主な代替手段としては、「でんさい」(電子記録債権)とインターネットバンキングによる振込が推奨されています。 でんさいは企業間の大口決済に適しており、インターネットバンキングは法人・個人問わず幅広い用途で利用できます。その他、クレジットカード決済、デビットカード、電子マネーなども状況に応じて活用できます。
大金を現金で引き出す方法はありますか?
小切手が廃止された後も、大金を現金で引き出す方法はあります。当座預金キャッシュカードを利用したり、銀行窓口で払戻請求書を提出したりすることで、現金を引き出すことが可能です。 また、当座預金から普通預金に振り替えてから引き出す方法も考えられます。大口の現金引き出しには、事前に金融機関に相談し、必要な手続きや本人確認書類などを確認しておくことをおすすめします。
小切手を受け取った場合、どうすればいいですか?
もし移行期間中に小切手を受け取った場合は、まず振出日を確認し、有効期限(振出日の翌日から10日)内に取引銀行で現金化または口座への入金手続きを行いましょう。 線引小切手の場合は、現金化はできず口座への入金のみとなります。 記載内容に誤りがないかも確認し、不明な点があれば振出人や銀行に問い合わせることが大切です。
電子決済への移行は進んでいますか?
はい、電子決済への移行は急速に進んでいます。政府の方針に加え、全国銀行協会も電子化を強く推進しており、でんさいの利用件数は年々増加しています。 多くの企業が事務負担の軽減やコスト削減、セキュリティ向上といったメリットを享受するため、電子決済への切り替えを進めています。個人においても、キャッシュレス決済の普及により、電子決済は日常的に利用されるようになっています。
小切手廃止のメリットは何ですか?
小切手廃止のメリットは多岐にわたります。まず、紙の小切手にかかる印紙税や郵送費、発行・取立手数料などのコストが削減できます。 次に、小切手の作成や管理、受け渡しといった事務作業の負担が軽減され、業務効率が向上します。 さらに、紛失や盗難、偽造といったリスクが低減され、決済の安全性が高まります。 受取企業にとっては、資金化までの期間が短縮され、資金繰りが円滑になるというメリットもあります。
未使用の小切手用紙はどうすればいいですか?
手元に未使用の小切手用紙がある場合は、取引のある金融機関に相談してください。多くの金融機関では、未使用の小切手用紙の買戻しを実施しています。 買戻し期間が設定されている場合もあるため、早めに確認し、適切な手続きを取りましょう。また、買戻しができない場合でも、安全な処分方法について指示を仰ぐことが重要です。
まとめ
- 紙の小切手は2026年度末(2027年3月末)までに利用廃止が目標です。
- 政府と金融界が連携し、電子化を推進しています。
- 小切手廃止は現金引き出しそのものを不可能にするものではありません。
- 大口現金引き出しは、当座キャッシュカードや払戻請求書で対応可能です。
- 法人・個人事業主には「でんさい」が主要な代替手段です。
- インターネットバンキングは、手軽で効率的な決済方法です。
- 企業は小切手の利用状況を把握し、代替手段への移行計画を立てましょう。
- 取引先との決済方法の調整は早めに進めることが大切です。
- 個人も小切手を受け取る機会があれば、代替手段を確認しましょう。
- 未使用の小切手用紙は取引銀行に相談し、買戻しや処分方法を確認してください。
- 小切手廃止のメリットは、コスト削減と事務負担軽減です。
- 紛失・盗難・偽造のリスク低減も大きなメリットです。
- 資金繰りの円滑化にもつながります。
- 移行期間中の小切手は有効期限内に処理しましょう。
- 不明な点は、必ず取引金融機関に相談してください。
