新型コロナウイルス感染症の治療薬として使用される「ラゲフリオカプセル」。この薬を服用するにあたり、副作用について不安を感じている方もいるのではないでしょうか。本記事では、ラゲフリオカプセルの主な副作用から、万が一症状が出た場合の対処法、そして安全に服用するための大切な注意点まで、詳しく解説します。安心して治療に臨めるよう、正確な情報を手に入れましょう。
ラゲフリオカプセルとは?新型コロナウイルス感染症治療薬の基本
ラゲフリオカプセルは、MSD株式会社が製造販売する新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の経口治療薬です。一般名はモルヌピラビルといい、ウイルスの増殖を抑える働きがあります。この薬は、2021年12月24日に日本で特例承認され、その後2025年2月には通常承認を取得しました。特例承認の時点では情報が限られていましたが、現在も引き続き安全性や有効性に関する情報が収集されています。
ラゲフリオカプセルの効果と作用の仕組み
ラゲフリオカプセルは、抗ウイルス剤と呼ばれる種類の薬です。体内で活性体に変換された後、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のウイルスRNAに取り込まれます。これにより、ウイルスの増殖を阻害し、抗ウイルス作用を発揮します。この作用によって、新型コロナウイルス感染症の症状を軽減し、重症化を防ぐことが期待されています。
特に、症状が出てから早い段階で服用を開始することが大切です。
服用対象となる患者さんの特徴
ラゲフリオカプセルは、原則として18歳以上の新型コロナウイルス感染症患者さんに処方されます。特に、重症化のリスク因子(高齢、肥満、糖尿病、慢性腎臓病、心疾患、慢性閉塞性肺疾患、活動性のがんなど)を一つ以上持つ患者さんが主な対象です。症状が発現してから5日以内に服用を開始することが推奨されており、重症度の高い患者さんに対する有効性は確立されていないため、医師の判断のもとで適切に処方されます。
ラゲフリオカプセルの主な副作用と症状

どのような薬にも副作用のリスクはありますが、ラゲフリオカプセルも例外ではありません。服用中に体調の変化を感じた場合は、すぐに医師や薬剤師に相談することが重要です。ここでは、報告されている主な副作用について詳しく見ていきましょう。
比較的よく見られる副作用とその頻度
ラゲフリオカプセルの臨床試験で報告されている、比較的よく見られる副作用には、以下のようなものがあります。これらの症状は、発現割合が1%以上とされています。
- 下痢:最も多く報告されている副作用の一つで、約1.7%から3%程度の患者さんにみられます。
- 悪心(吐き気):約1.4%から3%程度の頻度で報告されています。
- 浮動性めまい(ふわふわする感覚):約1.0%から1.7%程度の患者さんに生じることがあります。
- 頭痛:約2%程度の頻度で報告されています。
これらの症状は通常軽度であることが多いですが、もし症状がつらいと感じる場合は、我慢せずに医療機関に相談しましょう。
注意すべき重大な副作用:アナフィラキシー
頻度は不明ですが、ラゲフリオカプセルの重大な副作用として「アナフィラキシー」が報告されています。アナフィラキシーは、薬に対する重篤なアレルギー反応で、命に関わる可能性もあるため、特に注意が必要です。具体的な症状としては、皮膚の赤み、息苦しさ、激しい嘔吐、ぐったりして意識が朦朧とするなどが挙げられます。
これらの症状が少しでも疑われる場合は、直ちに服用を中止し、すぐに医療機関を受診してください。
妊娠中の服用で懸念される胎児への影響
ラゲフリオカプセルは、動物実験において胎児に有害な影響(胎児毒性や催奇形性)が報告されています。そのため、妊婦または妊娠している可能性のある女性は、この薬を服用することができません。妊娠の可能性がある女性は、服用中および服用終了後4日間は適切な避妊を行う必要があります。もし服用中に妊娠が判明した場合は、速やかに医師、看護師、または薬剤師に相談することが大切です。
副作用が出た場合の対処法と予防のコツ

ラゲフリオカプセルを服用中に副作用が出た場合、どのように対処すれば良いのでしょうか。また、副作用をできるだけ避けるための服用方法についても理解を深めましょう。
軽度な副作用への対応
下痢や吐き気、頭痛などの比較的軽度な副作用が出た場合でも、自己判断で服用を中止したり、量を減らしたりしてはいけません。症状が軽度であれば、水分補給をこまめに行うなどして様子を見ることもできますが、症状が続く場合や、つらいと感じる場合は、必ず医師や薬剤師に相談してください。
適切なアドバイスや、症状を和らげるための対症療法が提案されることがあります。例えば、頭痛にはアセトアミノフェンなどの解熱鎮痛剤が有効な場合もあります。
重大な副作用が疑われる場合の緊急対応
アナフィラキシーのような重大な副作用が疑われる症状(息苦しさ、全身の発疹、意識の低下など)が現れた場合は、一刻も早く医療機関を受診することが必要です。救急車を呼ぶなど、緊急の対応をためらわないでください。服用している薬がラゲフリオカプセルであることを医療従事者に伝えられるよう、薬の情報を持参すると良いでしょう。
副作用を最小限に抑えるための服用方法
ラゲフリオカプセルは、医師の指示通りに服用することが最も重要です。具体的には、1回4カプセルを1日2回、5日間服用します。症状が改善したと感じても、途中で服用を中止せず、必ず5日間飲み切ってください。飲み忘れた場合は、気がついた時に1回分を服用しますが、次の服用時間が近い場合(目安として2時間以内)は、1回分を飛ばして次の時間に1回分を服用し、決して2回分を一度に飲まないようにしましょう。
食事の有無にかかわらず服用できるため、食欲がない時でも無理なく服用を続けられます。
ラゲフリオカプセル服用時の重要な注意点

ラゲフリオカプセルを安全に服用するためには、副作用だけでなく、特定の状況下での注意点も理解しておく必要があります。特に、妊娠や授乳、他の薬との併用については、服用前に必ず確認しましょう。
妊婦または妊娠の可能性がある女性への禁忌
前述の通り、ラゲフリオカプセルは動物実験で胎児への影響が報告されているため、妊婦または妊娠している可能性のある女性は服用できません。妊娠する可能性のある女性は、服用中および服用終了後4日間は、パートナーと共に適切な避妊を行うことが強く推奨されています。もし服用中に妊娠がわかったり、妊娠が疑われたりした場合は、直ちに服用を中止し、速やかに医師、看護師、または薬剤師に相談してください。
授乳中の女性と小児への服用について
授乳中の女性がラゲフリオカプセルを服用する場合、治療上の有益性と母乳栄養の有益性を考慮し、授乳を続けるか中止するかを慎重に検討する必要があります。動物実験では乳汁への移行に関するデータがなく、ヒトでの安全性は確立されていません。また、ラゲフリオカプセルは18歳未満の小児を対象とした臨床試験が実施されておらず、有効性および安全性は確立されていないため、18歳未満の患者さんへの投与は推奨されていません。
他の薬との飲み合わせ(併用注意)
ラゲフリオカプセルは、他の新型コロナウイルス感染症治療薬と比較して、薬の飲み合わせに関する注意が少ないことが特徴です。添付文書上、併用禁忌とされている薬やサプリメントは特にありません。モルヌピラビルおよびその主要代謝物は、主要な薬物代謝酵素やトランスポーターの基質ではなく、またそれらに対する阻害作用や誘導作用も示さないことが確認されています。
しかし、他に服用している薬がある場合は、念のため医師や薬剤師に伝え、確認してもらうことが大切です。
服用期間と飲み忘れへの対応
ラゲフリオカプセルは、新型コロナウイルス感染症の症状が発現してから速やかに服用を開始し、5日間飲み切ることが重要です。たとえ症状が改善したと感じても、自己判断で服用を中止すると、病気が悪化する可能性があります。飲み忘れてしまった場合は、気がついた時に1回分を服用しますが、次の服用時間が近い場合(目安として2時間以内)は、飲み忘れ分を飛ばして次の服用時間に1回分を服用してください。
決して2回分を一度に飲まないように注意しましょう。誤って多く飲んでしまった場合は、すぐに医師または薬剤師に相談してください。
よくある質問

ラゲフリオカプセルに関して、患者さんからよく寄せられる質問とその回答をまとめました。服用前の疑問や不安を解消し、安心して治療に専念するための参考にしてください。
- ラゲフリオカプセルはどんな薬ですか?
- ラゲフリオカプセルは1日に何錠飲みますか?
- ラゲフリオカプセルはいつから飲み始めるのが効果的ですか?
- ラゲフリオカプセルは食後に飲む必要がありますか?
- ラゲフリオカプセルは重症化予防に役立ちますか?
ラゲフリオカプセルはどんな薬ですか?
ラゲフリオカプセルは、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)による感染症の治療に用いられる経口抗ウイルス薬です。体内でウイルスの増殖を阻害することで、症状の軽減や重症化の予防を目指します。MSD株式会社が製造販売しており、一般名はモルヌピラビルです。
ラゲフリオカプセルは1日に何錠飲みますか?
通常、18歳以上の患者さんには、1回4カプセル(主成分として800mg)を1日2回、5日間服用します。合計で5日間で40カプセルを服用することになります。2025年5月からは、1回2錠で済む「ラゲフリオ錠400mg」も発売されています。
ラゲフリオカプセルはいつから飲み始めるのが効果的ですか?
新型コロナウイルス感染症の症状が発現してから、できるだけ速やかに服用を開始することが重要です。臨床試験では、症状発現から5日目までに服用を開始した患者さんで、より顕著な抗ウイルス効果が確認されています。症状が出てから6日目以降に服用を開始した場合の有効性を裏付けるデータは得られていません。
ラゲフリオカプセルは食後に飲む必要がありますか?
ラゲフリオカプセルは、食事の有無にかかわらず服用できます。食欲がない時や、食事の時間が不規則な場合でも、指示された時間に服用を続けることが可能です。服用はコップ1杯程度の水またはぬるま湯で行ってください。
ラゲフリオカプセルは重症化予防に役立ちますか?
ラゲフリオカプセルは、新型コロナウイルス感染症の重症化リスク因子を持つ患者さんにおいて、入院や死亡のリスクを低減する効果が報告されています。特に、発症後早期に服用を開始することで、その効果が期待されます。ただし、重症度の高い患者さんに対する有効性は確立していません。
まとめ
- ラゲフリオカプセルは新型コロナウイルス感染症の経口治療薬です。
- 一般名はモルヌピラビルで、MSD株式会社が製造販売しています。
- ウイルスの増殖を阻害する作用があります。
- 主な副作用は下痢、悪心、浮動性めまい、頭痛などです。
- 重大な副作用としてアナフィラキシーが報告されています。
- 妊婦または妊娠の可能性がある女性は服用できません。
- 服用中および服用終了後4日間は適切な避妊が必要です。
- 18歳未満の小児への安全性は確立されていません。
- 他の薬との併用禁忌は特にありません。
- 1回4カプセルを1日2回、5日間服用します。
- 症状が改善しても自己判断で服用を中止しないでください。
- 飲み忘れた場合は、次の服用時間が近い場合は飛ばし、2回分を一度に飲まないでください。
- 副作用が疑われる場合は、速やかに医師や薬剤師に相談しましょう。
- 特に重大な副作用が疑われる場合は、すぐに医療機関を受診してください。
- 食事の有無にかかわらず服用可能です。
- 重症化リスク因子を持つ患者さんの入院・死亡リスクを低減する効果が期待されます。
