風邪をひいて体調が悪い時、自分の脈拍がいつもより速いと感じて不安になることはありませんか?特に「脈拍が120回/分」という具体的な数値を聞くと、「これは大丈夫なのだろうか」「病院に行くべきか」と心配になるものです。本記事では、風邪をひいた時に脈拍が速くなる理由から、正常な範囲、そして注意すべき危険なサインや自宅での過ごし方、さらには正確な脈拍の測り方まで、あなたの疑問に寄り添いながら詳しく解説します。
風邪をひくと脈拍が速くなるのはなぜ?

風邪をひくと、体はウイルスや細菌と戦うために様々な反応を起こします。その一つが脈拍の増加です。これは体が正常に機能しようとする生理的な反応であり、多くの場合、心配する必要はありません。
体温上昇と心臓の働き
風邪による発熱は、体内のウイルスや細菌の増殖を抑えるための防御反応です。体温が上昇すると、体の代謝が早まります。この代謝の亢進に伴い、全身に酸素や栄養を供給するために心臓はより活発に働き、心拍数が増加するのです。一般的に、体温が1℃上昇するごとに、脈拍は1分間に15~20回程度早くなると言われています。
したがって、熱が高い時に脈拍が120回/分になることは、よくある生理的な反応の一つです。
脱水症状の影響
風邪の症状として、発熱による発汗や下痢、嘔吐などがあると、体内の水分が失われやすくなります。これが脱水症状です。体が脱水状態になると、血液の量が減少し、全身に十分な血液を送り出すために心臓はより多くの回数拍動しなければなりません。 その結果、脈拍が速くなることがあります。特に、食欲不振で水分摂取が不足しがちな時は、脱水に注意が必要です。
ストレスや不安による影響
体調が悪いこと自体が、心身に大きなストレスを与えることがあります。また、脈拍が速いことに気づき、不安を感じることで、さらに交感神経が優位になり、心拍数が増加することもあります。 このように、精神的な要因も脈拍の増加に影響を与えることがあるため、まずは落ち着いて自分の状態を観察することが大切です。
脈拍120回/分は「頻脈」の範囲?正常値を知ろう

脈拍が120回/分と聞くと、とても速く感じて不安になるかもしれません。しかし、安静時の正常範囲や、年齢による違いを理解することで、自分の状態をより正確に判断できます。
成人の安静時脈拍の正常範囲
一般的に、成人の安静時の脈拍は1分間に60回から100回が正常な範囲とされています。 この範囲を超える脈拍は「頻脈(ひんみゃく)」と呼ばれます。 したがって、風邪で発熱しているとはいえ、安静時に脈拍が120回/分であれば、医学的には頻脈に該当します。ただし、前述の通り、発熱時には生理的に脈拍が速くなるため、一概に異常とは言えません。
重要なのは、他の症状の有無や、その脈拍が一時的なものか、持続しているかという点です。
小児や高齢者の脈拍の目安
脈拍の正常値は、年齢によって異なります。乳幼児は大人よりも脈拍が速く、新生児で140~180回/分、乳児で120~140回/分が目安とされています。 そのため、子供の風邪で脈拍が120回/分であっても、年齢によっては正常範囲内であることも多いです。一方、高齢者の安静時脈拍は、成人よりもやや遅く、50~70回/分程度が目安とされています。
高齢者の場合、脈拍が100回/分を超える頻脈は、心臓への負担が大きい可能性があり、特に注意が必要です。 年齢に応じた正常値を把握しておくことが、適切な判断につながります。
風邪で脈拍120、こんな症状があれば要注意!危険なサイン

風邪による脈拍の増加は、多くの場合、生理的な反応ですが、中には医療機関の受診を検討すべき危険なサインが隠されていることもあります。以下の症状が見られる場合は、早めに医師の診察を受けましょう。
息苦しさや胸の痛みがある場合
脈拍が速いことに加えて、息苦しさや呼吸困難を感じる、あるいは胸の圧迫感や痛みがある場合は、心臓や肺に何らかの問題が起きている可能性があります。 特に、普段から心臓に持病がある方や、高齢者の方は、これらの症状に注意が必要です。心筋炎や肺炎、心不全などの重篤な病気が隠れていることも考えられます。
めまいや意識の変化を伴う場合
脈拍が速いことで、脳への血流が一時的に不足し、めまいやふらつき、立ちくらみが起こることがあります。 さらに、意識がぼんやりしたり、一時的に意識を失ったりする(失神)場合は、非常に危険な状態です。 これらの症状は、不整脈や心臓のポンプ機能の低下など、緊急性の高い病気を示唆している可能性があるため、すぐに医療機関を受診してください。
強い倦怠感や冷や汗が見られる場合
風邪の時にも倦怠感は伴いますが、尋常ではないほどの強い倦怠感や疲労感、全身の脱力感がある場合は注意が必要です。 また、冷や汗をかいている、皮膚が冷たいといった症状も、体の状態が悪化しているサインかもしれません。 これらの症状が脈拍の速さと同時に現れる場合は、ショック状態や重症な感染症の兆候である可能性も考えられます。
脈拍が不規則に感じる場合
脈拍が速いだけでなく、そのリズムがバラバラに感じられたり、時々脈が飛ぶように感じられたりする場合は、不整脈の可能性があります。 特に心房細動などの不整脈は、脳梗塞や心不全のリスクを高めることがあるため、早期の診断と治療が重要です。 自己検脈で脈のリズムに異常を感じたら、医療機関で詳しく調べてもらうことをおすすめします。
高熱が続き、脈拍120以上が続く場合
風邪の症状は通常、長くても10日以内には治まるものです。 しかし、数日間38℃以上の高熱が続き、それに伴って脈拍が120回/分以上で推移している場合は、単なる風邪ではない可能性も考慮する必要があります。 肺炎や心筋炎、敗血症など、より重篤な感染症や合併症の兆候であることも考えられるため、早めに医師の診察を受けましょう。
脈拍120回/分が示す可能性のある病気

風邪による一時的な脈拍の増加はよくあることですが、脈拍が120回/分以上で、上記のような危険なサインを伴う場合は、以下のような病気が隠れている可能性も考えられます。
心筋炎
心筋炎は、ウイルス感染などがきっかけで心臓の筋肉に炎症が起こる病気です。 風邪のような症状(発熱、寒気、頭痛、筋肉痛、全身倦怠感など)から始まり、数日後に息苦しさ、胸の痛み、脈の異常(頻脈など)が現れることがあります。 軽症で自然に治ることもありますが、急激に悪化して命に関わる重症例もあるため、風邪の治りが悪く、心臓に関わる症状が出たら注意が必要です。
肺炎や敗血症
風邪のウイルスが原因で、気管支炎や肺炎に進行することがあります。肺炎になると、発熱、咳、痰、息苦しさなどの症状が強くなり、脈拍も速くなります。 また、感染症が全身に広がり、重篤な状態になるのが敗血症です。敗血症では、高熱、頻脈、呼吸数の増加、意識レベルの低下など、全身性の炎症反応が見られます。 これらの病気は早期の診断と治療が重要です。
不整脈(心房細動など)
不整脈は、心臓の電気信号に異常が生じ、脈拍のリズムが乱れる病気の総称です。 頻脈性の不整脈には、洞性頻脈、上室性頻拍、心房細動、心室頻拍など様々な種類があります。 風邪や発熱がきっかけで不整脈が顕在化することもあります。特に心房細動は、脈がバラバラになる特徴があり、脳梗塞や心不全のリ原因となるため注意が必要です。
甲状腺機能亢進症や貧血
心臓以外の病気が原因で脈拍が速くなることもあります。甲状腺機能亢進症(バセドウ病など)は、甲状腺ホルモンが過剰に分泌されることで全身の代謝が異常に高まり、脈拍が速くなる、動悸、手の震え、体重減少などの症状が現れます。 また、貧血も、全身の酸素運搬能力が低下するため、それを補うために心臓が速く拍動することで頻脈を引き起こすことがあります。
これらの病気も、脈拍の異常と他の症状から疑われることがあります。
風邪で脈拍が速い時の自宅での過ごし方と対処法

風邪で脈拍が速いと感じても、危険なサインがなければ、まずは自宅で安静に過ごし、体の回復を促すことが大切です。以下の対処法を試してみてください。
十分な安静と保温
風邪の時は、体を休めることが何よりも重要です。無理をせず、十分な睡眠をとり、体を温めて安静に過ごしましょう。 体がウイルスと戦うエネルギーを温存し、回復を早めることにつながります。特に発熱がある場合は、体力を消耗しやすいため、横になって休む時間を多くとりましょう。
こまめな水分補給
発熱や発汗、下痢などによって体から水分が失われやすい風邪の時は、脱水症状を防ぐためにこまめな水分補給が欠かせません。 水やお茶、経口補水液などを少しずつ頻繁に摂るように心がけましょう。特に、熱が高い時は、意識的に水分を摂ることが大切です。
カフェイン・アルコール・喫煙を控える
カフェインやアルコール、喫煙は、心臓に負担をかけ、脈拍を速める原因となることがあります。 風邪で体調が悪い時は、これらの摂取を控え、心臓への負担を減らすようにしましょう。回復を早めるためにも、刺激物は避けるのが賢明です。
ストレスを軽減する
体調不良や脈拍の速さへの不安は、さらに心拍数を上げてしまうことがあります。 落ち着いて深呼吸をする、リラックスできる音楽を聴くなど、ストレスを軽減する方法を見つけましょう。過度な心配は避け、体の回復に集中することが大切です。
正しい脈拍の測り方

自分の脈拍を正確に測ることは、体調の変化に気づくための大切なコツです。自宅で簡単にできる脈拍の測り方を知っておきましょう。
手首で測る方法
脈拍は、手首の親指側にある橈骨動脈(とうこつどうみゃく)で測るのが一般的です。まず、手のひらを上向きにし、もう一方の手の人差し指、中指、薬指の3本を、手首の親指側の付け根あたりに軽く当てます。 脈拍を感じたら、15秒間拍動の回数を数え、その数を4倍すると1分間の脈拍数になります。 もし脈拍が不規則だと感じたら、1分間しっかり測るようにしましょう。
測定時のコツと注意点
脈拍を測る際は、以下のコツと注意点を意識しましょう。まず、安静にした状態で測ることが重要です。運動後や入浴後、食後、緊張している時などは脈拍が変動しやすいため、避けるようにしてください。 また、毎日できるだけ同じ時間に測り、自分の平常時の脈拍を知っておくことが大切です。 脈拍の回数だけでなく、リズムが規則正しいか、強さはどうかなども合わせて確認すると、より多くの情報を得られます。
よくある質問

- 風邪で脈拍が120を超えたらすぐに病院に行くべきですか?
- 子供の風邪で脈拍が速い場合、大人と違う注意点はありますか?
- 高齢者の風邪で脈拍が速い場合、特に気を付けることは何ですか?
- 脈拍が速いのは、風邪が治りかけているサインですか?
- 安静にしていても脈拍が速いのはなぜですか?
- 風邪で脈拍が速い状態はどのくらい続きますか?
- 脈拍が速いと心臓に負担がかかりますか?
- 脱水症状は脈拍が速くなる原因になりますか?
風邪で脈拍が120を超えたらすぐに病院に行くべきですか?
風邪で脈拍が120回/分を超えても、発熱による生理的な反応であることも多いです。しかし、息苦しさ、胸の痛み、めまい、強い倦怠感、意識の変化、不規則な脈拍などの危険なサインを伴う場合は、すぐに医療機関を受診してください。これらの症状がない場合は、まずは安静にして水分補給を心がけ、症状が改善しない、または悪化するようであれば受診を検討しましょう。
子供の風邪で脈拍が速い場合、大人と違う注意点はありますか?
子供は大人に比べて元々脈拍が速いため、風邪で脈拍が120回/分であっても、年齢によっては正常範囲内であることも多いです。 しかし、子供は自分の症状をうまく伝えられないことがあるため、「元気がない」「食欲がない」「いつもと違う」など、普段と異なる様子が見られたら注意が必要です。 特に、呼吸が苦しそう、顔色が悪い、ぐったりしているなどの場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。
高齢者の風邪で脈拍が速い場合、特に気を付けることは何ですか?
高齢者の脈拍の正常値は成人よりも遅いため、風邪で脈拍が120回/分となると、心臓への負担が大きい可能性があり、注意が必要です。 高齢者は心臓に持病を抱えていることも多く、脱水症状も起こしやすいため、脈拍の増加が心不全や不整脈の悪化につながることもあります。 息切れ、むくみ、強い倦怠感などの症状があれば、早めに医療機関を受診しましょう。
脈拍が速いのは、風邪が治りかけているサインですか?
脈拍が速いこと自体が、風邪が治りかけているサインとは限りません。風邪の回復期には、熱が下がり、それに伴って脈拍も徐々に落ち着いてくるのが一般的です。もし熱が下がっても脈拍が速い状態が続く、あるいは他の症状が改善しない場合は、別の原因が隠れている可能性も考えられるため、医療機関への相談を検討してください。
安静にしていても脈拍が速いのはなぜですか?
安静にしていても脈拍が速い場合、風邪による発熱や脱水、ストレス、睡眠不足などが原因として考えられます。 しかし、不整脈、心不全、甲状腺機能亢進症、貧血など、心臓や他の臓器の病気が原因となっている可能性もあります。 症状が続く場合は、一度医療機関で検査を受けることをおすすめします。
風邪で脈拍が速い状態はどのくらい続きますか?
風邪による脈拍の速さは、通常、発熱や体調不良のピーク時に見られ、風邪の症状が改善するにつれて落ち着いてくるのが一般的です。多くの場合、数日から1週間程度で正常に戻ります。しかし、2週間以上長引く場合や、他の症状が悪化する場合は、単なる風邪ではない可能性もあるため、医療機関を受診してください。
脈拍が速いと心臓に負担がかかりますか?
脈拍が速い状態が続くと、心臓は常に活発に働き続けるため、心臓に負担がかかります。特に、安静時でも脈拍が100回/分以上続く頻脈は、心臓の仕事量が増え、心臓に過度の負担がかかりやすくなります。 心臓に持病がある方や高齢者の場合は、この負担が心不全などの悪化につながることもあるため、注意が必要です。
脱水症状は脈拍が速くなる原因になりますか?
はい、脱水症状は脈拍が速くなる主な原因の一つです。 体内の水分量が減少すると、血液の循環量が減り、全身に十分な血液を送り出すために心臓はより頻繁に拍動する必要があります。風邪で発熱や下痢、嘔吐がある場合は、特に脱水になりやすいため、こまめな水分補給を心がけましょう。
まとめ
- 風邪で脈拍が120回/分になるのは、発熱による生理的な反応が多いです。
- 体温が1℃上がると脈拍は15~20回/分程度増加します。
- 成人の安静時脈拍の正常値は60~100回/分です。
- 小児は元々脈拍が速く、高齢者は成人より遅いのが一般的です。
- 息苦しさ、胸の痛み、めまい、意識の変化は危険なサインです。
- 強い倦怠感や冷や汗、不規則な脈拍にも注意が必要です。
- 高熱が続き、脈拍120回/分以上が続く場合は受診を検討しましょう。
- 心筋炎、肺炎、不整脈、甲状腺機能亢進症、貧血などの病気の可能性もあります。
- 自宅では十分な安静と保温を心がけましょう。
- こまめな水分補給で脱水症状を防ぎましょう。
- カフェイン、アルコール、喫煙は控えるのがおすすめです。
- ストレスを軽減し、心身をリラックスさせましょう。
- 手首で脈拍を正確に測る方法を覚えましょう。
- 普段から自分の平常時の脈拍を知っておくことが大切です。
- 症状が長引く、悪化する場合は医療機関を受診してください。
