大切な方を亡くされた悲しみの中、葬儀で会社から供花をいただき、そのお返しについてどうすべきか悩んでいらっしゃる方も多いのではないでしょうか。会社からの供花は、個人の香典とは異なる性質を持つため、お返しに関するマナーも少し複雑に感じられるかもしれません。本記事では、会社からの供花へのお返しは必要なのか、どのような対応が適切なのかを詳しく解説します。
失礼なく感謝の気持ちを伝えるための方法を知り、安心して故人様をお見送りください。
会社からの供花にお返しは基本的に不要な理由

会社からいただいた供花に対しては、多くの場合、お返しの品を用意する必要はありません。これは、供花が個人の弔意とは異なる意味合いを持つためです。なぜお返しが不要とされるのか、その理由を詳しく見ていきましょう。
供花が福利厚生や経費として扱われるため
会社からの供花は、故人様への弔意を示すと同時に、社員やその家族に対する福利厚生の一環として、あるいは会社の経費として贈られるケースがほとんどです。このような場合、供花は会社組織としての儀礼的な意味合いが強く、個人的な香典とは性質が異なります。そのため、遺族側が個別に返礼品を用意する必要はないとされています。
会社によっては、慶弔規定で供花に関する取り決めがあり、その費用が福利厚生費や交際費として計上されていることも珍しくありません。
香典とは性質が異なるため
供花は「故人を偲ぶ気持ちの表現」であり、葬儀会場を飾る装飾としての役割も担っています。一方、香典は「遺族への経済的な援助」という意味合いが強いものです。 このように、供花と香典では贈る目的が異なるため、香典のように形式的なお返し(香典返し)は必須ではないと考えられています。特に会社や団体から贈られた供花は、組織としての弔意表明という側面が強いため、個別のお返しは控えめで問題ありません。
会社からの供花へのお礼は「お礼状」が一般的

会社からの供花に対してお返しの品は不要とされることが多いですが、感謝の気持ちを伝えることは非常に大切です。その際、最も一般的で丁寧な方法が「お礼状」を送ることです。お礼状の送り方や例文、その他の連絡手段について解説します。
お礼状で感謝を伝えるタイミング
お礼状を送るタイミングは、四十九日法要が済んだ後、忌明けの挨拶として送るのが一般的です。 葬儀直後は慌ただしく、遺族の方も心身ともに疲れている時期なので、無理に急ぐ必要はありません。落ち着いてから丁寧に書いたお礼状の方が、かえって真心が伝わるものです。もし、お礼状のみを送る場合は、葬儀が終わって心情的に落ち着いてくる1週間から10日ごろを目安に送っても問題ありません。
お礼状の書き方と例文
お礼状には、供花をいただいたことへの感謝と、葬儀が無事に終わったことの報告を簡潔に記します。定型文に、供花に触れる一文を加えるだけで十分です。
以下に例文を示します。
- 拝啓
- この度は、亡〇〇の葬儀に際しまして、ご多忙の中、ご丁重なご供花を賜り、誠にありがとうございました。
- 故人もさぞ喜んでいることと存じます。
- おかげさまで、〇月〇日に滞りなく四十九日法要を終え、忌明けいたしましたことをご報告申し上げます。
- 略儀ながら書中をもちまして御礼申し上げます。
- 敬具
会社宛てに送る場合は、会社名と代表者名、または部署名を正確に記載しましょう。
連絡手段は状況に応じて使い分ける
お礼状が最も丁寧な方法ですが、状況によっては電話やメールで感謝を伝えることも可能です。特に、忌引き休暇明けに出社する際に、上司や同僚に直接口頭でお礼を伝えるのも良いでしょう。その際、部署の皆で分けられるような菓子折りを持参すると、より丁寧な印象を与えられます。 ただし、メールでの連絡は、相手の会社の慣習や関係性によって判断が必要です。
基本的には、書面で残るお礼状が最も失礼のない方法と心得ておきましょう。
お返しが必要になる例外的なケース

会社からの供花は基本的にお返し不要とされていますが、状況によっては返礼品を用意した方が良いケースもあります。どのような場合に例外的な対応が必要になるのか、具体的に見ていきましょう。
供花が高額だった場合
いただいた供花の金額が明らかに高額だった場合は、お返しを検討する余地があります。供花の相場は1基あたり15,000円から35,000円程度ですが、これよりも著しく高額な供花をいただいた場合は、感謝の気持ちをより丁寧に伝えるために、お返しの品を用意することも考えられます。 お返しの金額の目安は、いただいた供花の3分の1から半額程度が一般的です。
ただし、高額すぎるお返しはかえって相手に気を遣わせてしまう可能性もあるため、バランスを考えることが大切です。
会社ではなく個人名義で贈られた場合
供花が会社名義ではなく、社長や役員、または同僚など個人の名前で贈られた場合は、個人的な弔意とみなされるため、お返しの品を用意するのがマナーです。 この場合、香典返しと同様に、いただいた供花の金額の3分の1から半額程度の品物を選び、お礼状を添えて送るのが一般的です。連名で贈られた場合でも、一人ひとりの負担額が比較的少額であれば、個別の返礼品は不要ですが、職場全体への感謝として菓子折りなどを持参するのも良い方法です。
会社独自の慣習がある場合
会社によっては、供花へのお返しに関する独自の慣習やルールがある場合があります。特に、故人様が生前深く関わっていた会社や、長年お世話になった取引先など、今後の関係性を考慮する必要がある場合は、念のため会社の総務担当者や上司に相談してみるのも一つの方法です。 地域性によっても供花のお返しに関する考え方が異なる場合があるため、不安な場合は周囲に確認してみることをおすすめします。
会社からの供花に関するよくある質問

会社からの供花について、多くの方が疑問に感じる点をまとめました。それぞれの質問に対する回答を参考に、適切な対応を心がけましょう。
- 供花を辞退した場合はどうすればいいですか?
- 会社から供花と香典の両方をいただいた場合、お返しは必要ですか?
- 会社からの供花のお礼は誰がするべきですか?
- 家族葬の場合でも会社からの供花にお礼は必要ですか?
- お礼状以外に何か送るものはありますか?
供花を辞退した場合はどうすればいいですか?
事前に供花を辞退する意向を伝えていたにもかかわらず、会社から供花をいただいた場合は、お気持ちをありがたく受け取り、お礼を伝えることが大切です。 相手の善意を尊重し、改めてお礼状を送るなどして感謝の気持ちを伝えましょう。辞退の意向を伝えていたからといって、無礼な対応をするのは避けるべきです。 家族葬などで供花を辞退するケースは増えており、失礼にはあたりません。
しかし、それでも贈ってくださった方には、丁寧にお礼を伝えるのがマナーです。
会社から供花と香典の両方をいただいた場合、お返しは必要ですか?
会社から供花と香典の両方をいただいた場合、基本的には香典への返礼(香典返し)のみで問題ありません。 お礼状は一通にまとめて、「ご厚志」という言葉で両方を含めることができます。ただし、供花の金額が明らかに高額だった場合は、香典返しとは別に、供花へのお返しも検討しても良いでしょう。
会社からの供花のお礼は誰がするべきですか?
会社からの供花へのお礼は、喪主または遺族代表者が行うのが一般的です。故人様が所属していた部署単位で供花をいただいた場合は、部署名を記載し、故人様が生前最も関わりの深かった方々へ、心を込めてお礼を伝えましょう。 忌引き休暇明けに出社する際に、直接上司や同僚に挨拶をするのが最も丁寧な方法です。
家族葬の場合でも会社からの供花にお礼は必要ですか?
家族葬の場合でも、会社から供花をいただいたのであれば、お礼は必要です。家族葬では香典や供花を辞退するケースが多いですが、それでも贈ってくださった方には感謝の気持ちを伝えるのがマナーです。 お返しの品は不要な場合がほとんどですが、お礼状を通して丁寧に感謝を伝えましょう。
お礼状以外に何か送るものはありますか?
お礼状以外に品物を送る場合は、会社全体で分けられるような菓子折りがおすすめです。 個包装で日持ちのするお菓子は、職場で配りやすく、相手に気を遣わせにくい品物です。 洗剤やタオルなどの日用品も選択肢の一つですが、個人の好みが分かれることもあるため、無難なのは菓子折りでしょう。 品物を選ぶ際は、いただいた供花の金額の3分の1から半額程度を目安にすると良いでしょう。
まとめ
- 会社からの供花は、多くの場合お返しの品は不要です。
- 供花は会社の福利厚生や経費、または組織としての弔意表明とみなされます。
- 香典とは性質が異なるため、香典返しのような形式的なお返しは必須ではありません。
- 感謝の気持ちを伝える最も一般的な方法は、お礼状を送ることです。
- お礼状は四十九日法要後、忌明けの挨拶として送るのが一般的です。
- お礼状には、供花へのお礼と葬儀が無事に終わったことの報告を簡潔に記します。
- 供花が高額だった場合や、個人名義で贈られた場合はお返しを検討しましょう。
- お返しをする場合の品物は、いただいた供花の3分の1から半額程度が目安です。
- 会社独自の慣習がある場合は、事前に確認することをおすすめします。
- 供花を辞退した場合でも、いただいた場合は丁寧にお礼を伝えましょう。
- 供花と香典の両方をいただいた場合は、香典返しのみで問題ないことが多いです。
- お礼は喪主または遺族代表者が行い、忌引き明けの挨拶時に口頭で伝えるのも良いでしょう。
- 家族葬の場合でも、供花へのお礼は必要です。
- お礼状以外に品物を送るなら、個包装の菓子折りがおすすめです。
- 品物を選ぶ際は、相手に気を遣わせない程度のものを選びましょう。
