体調を崩してしまった後、体が回復に向かう時期は、食事に特に気を配りたいものです。そんな病み上がりの体に優しく、しかも栄養をしっかり摂れる食材として、鶏肉はとてもおすすめです。本記事では、胃腸に負担をかけずに美味しく食べられる鶏肉レシピと、回復を早めるための食事のコツを徹底解説します。
病み上がりに鶏肉がおすすめな理由

病み上がりの体は、消化機能が低下し、栄養を効率よく吸収しにくい状態にあります。そんな時でも鶏肉がおすすめされるのには、いくつかの理由があります。
消化に優しく高タンパク質
鶏肉は、他の肉類に比べて脂肪が少なく、特にむね肉やささみは低脂質で高タンパク質です。タンパク質は、体の組織を修復し、免疫力を高めるために不可欠な栄養素ですが、脂質が多いと消化に時間がかかり、胃腸に負担をかけてしまいます。鶏肉は、その点、消化吸収がしやすいため、弱った胃腸にも優しく、効率的にタンパク質を摂取できるのが大きな魅力です。
特に、鶏むね肉やささみは、肉の繊維が細かく柔らかい特徴があり、高齢者や胃腸の弱い方にとって理想的なタンパク源となります。 病み上がりの体は、エネルギーを回復に使うため、胃腸に負担をかけない食事が大切です。
疲労回復を助ける栄養素
鶏肉には、タンパク質だけでなく、疲労回復を助けるビタミンB群も比較的豊富に含まれています。ビタミンB群は、エネルギー代謝を助け、疲労回復に役立つ大切な栄養素です。 また、薬膳の観点から見ても、鶏肉は体を温め、胃腸の働きを助け、気力も補うとされており、病後の滋養強壮に良いとされています。
病み上がりの体は、病気によって「気」(目に見えないエネルギー)が不足した状態と考えられています。鶏肉は、この「気」を充実させる作用が高く、体の回復を早める食養生に役立つでしょう。
胃腸に負担をかけない鶏肉調理のコツ

病み上がりの鶏肉料理は、食材選びだけでなく、調理方法にも工夫が必要です。胃腸に優しく、美味しく食べるためのコツをご紹介します。
柔らかく仕上げる下処理と加熱方法
鶏肉を柔らかく仕上げるには、下処理と加熱方法が重要です。特にむね肉やささみはパサつきやすいので、以下のコツを試してみてください。
- 小さく切る、叩く: 食材を小さく切ったり、叩いて繊維を壊したりすることで、消化しやすくなります。
- 片栗粉や酒を揉み込む: 片栗粉や酒を揉み込むことで、保水力が高まり、加熱しても水分が抜けにくく、しっとり柔らかく仕上がります。
- 余熱で火を通す: 沸騰したお湯やスープに鶏肉を入れ、火を止めて余熱でじっくり火を通すと、驚くほど柔らかく仕上がります。
- 煮込み料理や蒸し料理を選ぶ: 揚げ物や炒め物よりも、煮物や蒸し料理、スープなどが胃腸に負担をかけにくくおすすめです。
マヨネーズやヨーグルトに漬け込む方法も、鶏肉を柔らかくするのに効果的です。マヨネーズの油分が水分蒸発を防ぎ、ヨーグルトの乳酸菌と酸がタンパク質を分解してくれます。
刺激を抑えた味付けの工夫
病み上がりの胃腸はデリケートなので、刺激の強い味付けは避けましょう。
- 薄味を基本に: 塩分や香辛料は控えめにし、だしの旨味を活かした薄味を心がけてください。
- 生姜やネギで風味をプラス: 体を温める効果のある生姜や、香りの良いネギは、食欲増進にもつながります。
- とろみをつける: 片栗粉などでとろみをつけると、料理が冷めにくく、口当たりもなめらかになり、飲み込みやすくなります。
醤油や味噌などの調味料も、少量に抑えるのがコツです。素材本来の味を活かすことで、胃腸への負担を減らせます。
栄養バランスを考えた組み合わせ
鶏肉だけでなく、他の食材と組み合わせることで、より栄養バランスの取れた回復食になります。
- 消化の良い炭水化物と: おかゆやうどんなど、消化しやすい炭水化物と一緒に摂ることで、エネルギーを補給できます。
- 野菜をたっぷり加える: ビタミンやミネラルが豊富な野菜は、細かく切ったり、柔らかく煮込んだりして加えましょう。
- 卵や豆腐も活用: 卵や豆腐も消化に優しく、タンパク質を補給できる優れた食材です。
特に、ビタミンAは皮膚や粘膜の健康維持を助け、病気で弱った粘膜の修復にも有効です。にんじんやかぼちゃなどの緑黄色野菜に多く含まれるので、積極的に取り入れると良いでしょう。
【簡単】病み上がりにおすすめの鶏肉レシピ5選

ここからは、病み上がりの体に優しい、簡単で美味しい鶏肉レシピを5つご紹介します。
鶏むね肉とたっぷり野菜のやさしいスープ
鶏むね肉と野菜の旨味が溶け込んだ、心も体も温まるスープです。鶏むね肉は余熱で火を通すことで、しっとり柔らかく仕上がります。野菜は消化しやすいように小さめに切り、じっくり煮込むのがコツです。
材料(2人分)
- 鶏むね肉:150g
- キャベツ:1/8個
- 人参:1/4本
- 玉ねぎ:1/4個
- 水:400ml
- 鶏ガラスープの素:小さじ1
- 塩:少々
- こしょう:少々
- お好みで生姜のすりおろし:小さじ1
作り方
- 鶏むね肉はフォークで数カ所穴を開け、一口大のそぎ切りにする。キャベツ、人参、玉ねぎは食べやすい大きさに切る。
- 鍋に水と鶏ガラスープの素、人参、玉ねぎを入れて中火にかける。
- 沸騰したら鶏むね肉を加え、1分ほど煮たら火を止め、蓋をして5分ほど余熱で火を通す。
- キャベツを加え、再度弱火で柔らかくなるまで煮込む。
- 塩、こしょうで味を調え、お好みで生姜のすりおろしを加える。
鶏ささみと卵のふわふわおかゆ
消化に良いおかゆに、高タンパク質の鶏ささみと卵を加えた、栄養満点の一品です。とろみのあるおかゆは、食欲がない時でも食べやすいでしょう。鶏ささみは筋を取り、細かくほぐして使うと、より食べやすくなります。
材料(1人分)
- ご飯:茶碗1杯分
- 水:300ml
- 鶏ささみ:1本
- 卵:1個
- 長ねぎ(白い部分):5cm
- だしの素:小さじ1/2
- 塩:少々
- 醤油:少々
作り方
- 鶏ささみは筋を取り、茹でて細かくほぐす。長ねぎは小口切りにする。卵は溶きほぐす。
- 鍋にご飯と水、だしの素を入れて中火にかける。沸騰したら弱火にし、ご飯が柔らかくなるまで10分ほど煮込む。
- ほぐした鶏ささみと長ねぎを加え、さらに2~3分煮る。
- 溶き卵を回し入れ、半熟状になったら火を止める。
- 塩と醤油で味を調える。
蒸し鶏とキノコのあんかけ
蒸し鶏は脂質が少なく、胃腸に優しい調理法です。キノコ類は食物繊維が豊富ですが、細かく刻んであんかけにすることで消化しやすくなります。あんかけのとろみが、喉越しを良くしてくれるでしょう。
材料(2人分)
- 鶏むね肉:1枚(約200g)
- しめじ:1/2パック
- えのき:1/2袋
- だし汁:200ml
- 醤油:大さじ1
- みりん:大さじ1
- 片栗粉:大さじ1
- 水:大さじ2(水溶き片栗粉用)
- おろし生姜:小さじ1
作り方
- 鶏むね肉は酒(分量外)を振って耐熱皿に入れ、ふんわりラップをして電子レンジ(600W)で3~4分加熱し、粗熱が取れたら食べやすい大きさにほぐす。
- しめじとえのきは石づきを取り、食べやすい大きさにほぐす。
- 鍋にだし汁、醤油、みりん、おろし生姜、キノコ類を入れて中火にかける。
- キノコが柔らかくなったら、水溶き片栗粉を加えてとろみをつける。
- 器に蒸し鶏を盛り、上からあんかけをかける。
鶏ひき肉と豆腐のふんわり煮込み
鶏ひき肉と豆腐は、どちらも消化に優しく、柔らかい食感が特徴です。ふんわりと煮込むことで、さらに食べやすくなります。胃腸が弱っている時でも、しっかりタンパク質を摂れるレシピです。
材料(2人分)
- 鶏ひき肉:100g
- 絹ごし豆腐:1/2丁
- だし汁:200ml
- 醤油:大さじ1
- みりん:大さじ1
- 砂糖:小さじ1
- 片栗粉:大さじ1/2
- 水:大さじ1(水溶き片栗粉用)
- お好みで刻みネギ:少々
作り方
- 豆腐は軽く水切りをして、粗く崩す。
- 鍋にだし汁、醤油、みりん、砂糖を入れて中火にかける。
- 沸騰したら鶏ひき肉を加え、ほぐしながら煮る。
- ひき肉に火が通ったら豆腐を加え、優しく混ぜながら2~3分煮込む。
- 水溶き片栗粉を加えてとろみをつけ、火を止める。
- 器に盛り付け、お好みで刻みネギを散らす。
鶏肉と彩り野菜の雑炊
様々な野菜と鶏肉を一緒に煮込んだ雑炊は、栄養バランスが良く、体を温めてくれます。野菜は消化しやすいように柔らかく煮込み、彩りも意識すると食欲が湧きやすくなります。
材料(2人分)
- ご飯:茶碗2杯分
- 鶏むね肉:100g
- 人参:1/4本
- ほうれん草:2株
- しいたけ:2枚
- だし汁:500ml
- 醤油:大さじ1
- 塩:少々
- 卵:1個
作り方
- 鶏むね肉は小さめの一口大に切り、酒(分量外)を振る。人参は薄いいちょう切り、ほうれん草は茹でて水気を絞り、3cm長さに切る。しいたけは薄切りにする。卵は溶きほぐす。
- 鍋にだし汁と人参、しいたけを入れて中火にかける。
- 人参が柔らかくなったら鶏むね肉を加え、火が通るまで煮る。
- ご飯とほうれん草を加え、全体を混ぜながら温める。
- 醤油と塩で味を調え、溶き卵を回し入れ、半熟状になったら火を止める。
病み上がりに避けたい食材と調理法

病み上がりの体はデリケートなので、回復を妨げる可能性のある食材や調理法は避けるのが賢明です。
胃腸に負担をかける食材
胃腸に負担をかける食材は、消化に時間がかかり、体力を消耗させてしまいます。
- 脂質の多い食べ物: 揚げ物、炒め物、脂身の多い肉(豚バラ、ロースなど)は消化に時間がかかります。
- 食物繊維の多い食べ物: ごぼう、れんこん、きのこ類、海藻類、玄米などは、消化しにくい不溶性食物繊維が多いため、体調が悪い時は控えめにしましょう。
- 刺激物: 唐辛子、わさびなどの香辛料は胃を刺激し、胃酸の分泌を促すため、胃腸が弱っている時は避けるべきです。
- 冷たすぎる・熱すぎる食べ物: 極端に冷たいものや熱いものは、胃腸に刺激を与えてしまいます。適温で食べるようにしましょう。
- 柑橘類や酸味の強いもの: 酸味の強い果物や調味料も、胃を刺激する可能性があります。
肉を食べるとスタミナがつきそうだと考えがちですが、体調が完全に回復するまでは、脂質の少ない鶏むね肉やささみを選ぶのがおすすめです。
刺激の強い調理法
調理法も、胃腸への負担を左右します。
- 揚げ物、炒め物: 油を多く使う調理法は、胃腸に大きな負担をかけます。
- 濃い味付け: 塩分や糖分、香辛料を多く使った濃い味付けは、胃腸に刺激を与え、回復を遅らせる可能性があります。
煮る、蒸す、茹でるなど、油を使わない、または少量で済む調理法を選び、薄味を心がけることが大切です。
よくある質問

病み上がりの食事に関して、よくある質問にお答えします。
病み上がりはいつから鶏肉を食べられますか?
病み上がりに鶏肉を食べ始める時期は、体調によって異なります。一般的には、食欲が少しずつ戻り、おかゆやうどんなどの消化の良い食事が問題なく食べられるようになったら、脂質の少ない鶏むね肉やささみを少量から試してみるのが良いでしょう。高熱や強い吐き気、下痢などの症状が治まり、胃腸の調子が落ち着いてからが目安です。
急いで普段通りの食事に戻そうとせず、段階的に食事を戻していくことが大切です。
鶏肉以外におすすめの回復食はありますか?
鶏肉以外にも、病み上がりにおすすめの回復食はたくさんあります。消化に良い炭水化物として、おかゆ、うどん、そうめんなどがあります。タンパク質源としては、白身魚、豆腐、卵、はんぺん、乳製品などがおすすめです。
また、ビタミンやミネラルを補給するために、大根、白菜、キャベツ、ほうれん草などの繊維質が少ない野菜を柔らかく煮て摂るのも良いでしょう。果物では、りんごやバナナが消化を助け、胃腸機能を整える働きが期待できます。
鶏肉の部位でおすすめはありますか?
病み上がりの食事には、脂質が少なく消化に優しい「鶏むね肉」や「鶏ささみ」が特におすすめです。 これらの部位は高タンパク質でありながら低カロリーで、胃腸に負担をかけにくい特徴があります。
鶏もも肉はジューシーで美味しいですが、脂質が多いため、体調が完全に回復してから少量ずつ試すのが良いでしょう。
病み上がりに食べてはいけないものは?
病み上がりに避けるべき食べ物は、主に胃腸に負担をかけるものです。具体的には、脂質の多い揚げ物や炒め物、脂身の多い肉類、食物繊維が豊富なごぼうや玄米、刺激の強い香辛料などが挙げられます。
また、極端に熱いものや冷たいもの、塩辛いもの、酸味の強いものも胃腸への刺激となるため、控えるようにしましょう。
病み上がりに良い食べ物は?
病み上がりに良い食べ物は、消化に優しく、栄養価が高いものです。炭水化物ではおかゆやうどん、タンパク質では鶏むね肉、ささみ、白身魚、豆腐、卵、乳製品がおすすめです。
野菜は、大根、白菜、キャベツ、ほうれん草などを柔らかく煮て摂ると良いでしょう。果物では、バナナやりんごが消化を助け、ビタミン補給にも役立ちます。 水分補給も非常に大切なので、スープや味噌汁などの汁物も積極的に取り入れてください。
まとめ
- 病み上がりの体には、消化に優しく高タンパク質な鶏肉がおすすめです。
- 特に鶏むね肉やささみは、低脂質で胃腸に負担をかけにくいです。
- 鶏肉は体の組織修復や免疫力向上に不可欠なタンパク質を効率よく摂取できます。
- ビタミンB群も豊富で、疲労回復を助ける働きが期待できます。
- 調理の際は、小さく切る、片栗粉や酒を揉み込むなどして柔らかく仕上げるのがコツです。
- 余熱で火を通す煮込み料理や蒸し料理は、胃腸に優しくおすすめです。
- 味付けは薄味を基本とし、だしの旨味や生姜、ネギで風味をプラスしましょう。
- おかゆやうどん、柔らかく煮た野菜、卵、豆腐などと組み合わせると栄養バランスが良くなります。
- 脂質の多い揚げ物や炒め物、刺激の強い香辛料は避けるべきです。
- 食物繊維が多い食材や、冷たすぎる・熱すぎる食べ物も控えましょう。
- 食欲が戻り、消化の良い食事が問題なく食べられるようになってから鶏肉を試しましょう。
- 水分補給も大切で、スープなどの汁物を積極的に摂ることが回復を助けます。
- 病み上がりの食事は、焦らず段階的に普段の食事に戻していくことが大切です。
- 本記事のレシピは、体調が優れない時でも手軽に作れるよう工夫されています。
- 体の回復を第一に考え、無理のない範囲で食事を楽しんでください。
