「う」から始まる昆虫と聞いて、すぐにいくつも思い浮かぶ方は少ないかもしれません。しかし、私たちの身の回りには、ユニークな生態や美しい姿を持つ「う」から始まる昆虫が意外と多く存在します。本記事では、そんな魅力的な昆虫たちを詳しくご紹介し、それぞれの特徴や生息環境、興味深い習性まで掘り下げて解説します。
この記事を読めば、「う」から始まる昆虫に関する知識が深まり、日々の散策や自然観察がより一層楽しくなるでしょう。子供から大人まで、昆虫の世界への新たな扉を開くきっかけとなれば幸いです。
「う」から始まる代表的な昆虫とその魅力

「う」から始まる昆虫の中には、その名前を聞いたことがある方もいれば、初めて知る方もいるかもしれません。ここでは、特に代表的な昆虫をいくつかピックアップし、その魅力に迫ります。それぞれの昆虫が持つ独特の生態や、私たちを惹きつける特徴について詳しく見ていきましょう。
- ウマオイ:美しい鳴き声で夏を彩る昆虫
- ウスバカゲロウ:神秘的な成虫と恐ろしい幼虫「アリジゴク」の正体
- ウスバキトンボ:長距離を移動する「旅するトンボ」の生態
- ウラギンシジミ:裏翅の銀色が特徴的な美しい蝶
- ウラナミアカシジミ:森の奥で出会える赤い翅の蝶
ウマオイ:美しい鳴き声で夏を彩る昆虫
ウマオイは、バッタ目キリギリス科に属する昆虫で、その名の通り、馬を追いたてるような「スィーッチョン」という独特の鳴き声が特徴です。主に夏から秋にかけて、草むらや林縁部でその美しい鳴き声を聞くことができます。日本にはハヤシノウマオイとハタケノウマオイの2種類がおり、外見はよく似ていますが、鳴き声のテンポや生息環境で区別されます。
ハヤシノウマオイは林の中の下草に、ハタケノウマオイは畑の片隅や河原の草原に生息することが多いです。ウマオイは肉食性が強く、他の小さな昆虫を捕食する獰猛な一面も持ち合わせています。夜行性で、灯火にも飛来することがあります。メスは土の中に産卵し、卵で越冬します。
ウスバカゲロウ:神秘的な成虫と恐ろしい幼虫「アリジゴク」の正体
ウスバカゲロウは、アミメカゲロウ目に属する昆虫で、成虫は薄く透明な翅を持つ姿が神秘的です。しかし、その幼虫は「アリジゴク」として広く知られています。アリジゴクは、乾燥した砂地にすり鉢状の巣を作り、その底に潜んでアリなどの獲物が落ちてくるのを待ち伏せます。獲物が巣に落ちると、砂を投げつけて脱出を妨害し、鋭い顎で捕らえて体液を吸い取るという恐ろしい捕食者です。
ウスバカゲロウの成虫は夜行性で、灯火に集まることもあります。幼虫は1年から2年かけて成長し、蛹を経て約1ヶ月で成虫になります。成虫のウスバカゲロウは、カゲロウという名前から短命なイメージがありますが、実際には1ヶ月以上生きる種類もいます。
ウスバキトンボ:長距離を移動する「旅するトンボ」の生態
ウスバキトンボは、トンボ科に分類される中型のトンボで、その名の通り薄く黄色がかった翅を持つのが特徴です。世界中の熱帯・温帯地域に広く分布しており、特に長距離を移動する「渡り」を行うことで知られています。日本では九州以北では越冬できないと考えられていますが、毎年5月頃には沖縄や南方地域から飛来し、夏には全国各地でその姿を見ることができます。
お盆の頃に多く見られることから、「盆とんぼ」や「精霊とんぼ」とも呼ばれ、地域によってはご先祖様の使いとして大切にされることもあります。ウスバキトンボは、水田や溜め池、学校のプールなど、さまざまな水辺で繁殖し、わずか1ヶ月ほどで卵から成虫まで育つ驚異的な繁殖力を持っています。しかし、低温には弱く、日本で生まれた個体の多くは冬を越せずに死んでしまいます。
それでも毎年、新たな世代が南方から飛来し、命をつないでいます。
ウラギンシジミ:裏翅の銀色が特徴的な美しい蝶
ウラギンシジミは、シジミチョウ科に属する蝶で、その最大の特徴は翅の裏面が光沢のある銀白色をしていることです。翅の表面はオスが濃茶色地に朱色の紋、メスは濃茶色地に水色の紋を持ち、翅の先端が尖っているのも特徴的です。飛んでいるときに翅の裏の白色がチラチラと目立ち、林と草原の境目や人家周辺でも活発に飛び回る姿が見られます。
幼虫はフジやクズなどのマメ科植物の葉やつぼみを食べます。ウラギンシジミは成虫で越冬し、ヒサカキやカシ類などの常緑樹の葉裏に頭を葉先に向けて止まっている姿が観察されることがあります。近年、温暖化の影響で分布域が北上している可能性も指摘されており、東北地方でも見つかるようになりました。
ウラナミアカシジミ:森の奥で出会える赤い翅の蝶
ウラナミアカシジミは、シジミチョウ科に属する蝶で、その名の通り、翅の裏面に波状の模様があり、全体的に赤みがかった色合いが特徴です。主に山地の雑木林や林縁部に生息し、コナラやクヌギなどのブナ科植物を食草とします。成虫は初夏に発生し、樹液や腐った果実、動物の糞などに集まる姿が見られます。鮮やかな赤い翅は、森の中でひときわ目を引く存在です。
知っておきたい!「う」から始まるその他の昆虫たち

「う」から始まる昆虫は、先に紹介した代表的な種類以外にも、私たちの身近な環境や特定の植物に特化したユニークな昆虫がいます。ここでは、あまり知られていないかもしれませんが、それぞれに興味深い生態を持つ昆虫たちをご紹介します。
ウメケシキスイ:梅の木に集まる小さな甲虫
ウメケシキスイは、ケシキスイ科に属する小さな甲虫で、主に熟した梅の果実を好んで食害することで知られています。特に、地面に落下した梅の実の内部に侵入し、幼虫が育つことがあります。このため、梅農家にとっては厄介な害虫の一つとされています。成虫は体長数ミリ程度で、黒色や赤褐色の光沢を持つ種類が多いです。ウメケシキスイの防除には、落下した果実を速やかに除去したり、水に浸漬するなどの方法が検討されています。
樹液にも集まることがあり、クヌギやコナラなどの樹液でも見られることがあります。
ウマノオバチ:寄生するユニークな生態を持つハチ
ウマノオバチは、コマユバチ科に属する寄生バチの一種で、メスが体長の数倍にもなる非常に長い産卵管を持つことが最大の特徴です。この長い産卵管を使って、木の内部に潜むカミキリムシの幼虫などに卵を産み付けます。幼虫は寄主の体液を吸って成長するという、ユニークな生態を持っています。体長は15~25mm程度で、体は黄赤褐色、翅には斑紋があります。
ウマノオバチは、林相の変化や土地開発の影響で生息環境が悪化し、環境省のレッドリストで準絶滅危惧種に指定されている希少なハチです。しかし、近年は手入れがされなくなったクリ畑などで、寄主となるミヤマカミキリが増加したことで、一時的に局地的な増加が見られる可能性も指摘されています。
ウリハムシ:野菜畑の厄介者?その特徴と対策
ウリハムシは、ハムシ科に属する甲虫で、主にキュウリやカボチャ、スイカなどのウリ科植物を食害する害虫として知られています。成虫は体長7~9mmほどの黄褐色で、光沢のある橙黄色の頭部と前胸部が特徴です。葉を不規則な半円形や網の目状に食害し、ひどい場合は葉を食い尽くしてしまうこともあります。幼苗期に食害されると、植物の生育が著しく阻害されることがあります。
また、幼虫はウリ科植物の根を食害し、株が枯死に至ることもあります。ウリハムシの成虫は日当たりの良い草むらなどで越冬し、春になると活動を開始します。防除方法としては、寒冷紗で覆う、捕殺する、農薬を使用するなどの方法があります。
昆虫観察を楽しむためのコツと注意点

昆虫観察は、私たちの身近な自然の豊かさを実感できる素晴らしい活動です。しかし、より安全に、そして効果的に昆虫たちと触れ合うためには、いくつかのコツと注意点があります。ここでは、昆虫観察を最大限に楽しむための方法をご紹介します。
観察に適した場所と時間帯
昆虫観察の成功は、適切な場所と時間帯を選ぶことから始まります。多くの昆虫は、日当たりの良い草地、林縁部、公園、河川敷などで見られます。特に、広葉樹林や疎林は昆虫相が豊かで、観察に適していると言えるでしょう。時間帯としては、多くの昆虫が活動的になる日中の暖かい時間帯が最適ですが、夜行性の昆虫を観察したい場合は、夕方から夜にかけて街灯や自動販売機の明かりの周りを探すのも良い方法です。
樹液の出る木にはカブトムシやクワガタムシなどが集まるため、夜間に懐中電灯を持って訪れるのもおすすめです。
昆虫に優しい観察方法
昆虫観察では、昆虫たちにストレスを与えない「昆虫に優しい」方法を心がけることが大切です。捕獲する際は、必要以上に追いかけ回さず、素早く捕虫網で捕らえるようにしましょう。捕まえた昆虫は、観察が終わったら元の場所にそっと放してあげることが重要です。また、小さな昆虫を観察する際には、吸虫管などの道具を使うと、傷つけずに捕獲できます。
昆虫の生息環境を乱さないよう、草むらを必要以上に踏み荒らしたり、石をひっくり返したままにしたりしないように注意しましょう。
安全に観察するための注意点
昆虫観察を安全に楽しむためには、いくつかの注意点を守る必要があります。まず、服装は長袖・長ズボンを基本とし、肌の露出を避けることで、虫刺されや植物によるかぶれを防げます。帽子をかぶり、水分補給をこまめに行い、熱中症対策も忘れずに行いましょう。ハチやムカデなど、危険な生物には近づかないようにし、もし刺されたり噛まれたりした場合は、すぐに適切な処置をすることが大切です。
毒を持つ昆虫や、触るとかぶれる植物もあるため、むやみに触らないようにしましょう。また、私有地や立ち入り禁止区域には入らないなど、マナーを守って観察を楽しむことが重要です。
よくある質問

「う」から始まる昆虫について、多くの方が抱く疑問にお答えします。ここでは、よくある質問とその回答をまとめました。
- 「う」から始まる生き物には他にどんなものがいますか?
- ウスバカゲロウの幼虫は本当にアリジゴクですか?
- ウマオイはどこでよく見られますか?
- 「う」から始まる昆虫は珍しい種類が多いですか?
- ウスバキトンボはなぜ「旅するトンボ」と呼ばれるのですか?
「う」から始まる生き物には他にどんなものがいますか?
「う」から始まる生き物は昆虫以外にもたくさんいます。例えば、哺乳類ではウサギ、ウシ、ウマなどが挙げられます。鳥類ではウグイス、ウズラ、ウミネコ。魚類ではウナギ、ウミタナゴ、ウツボなどがいます。爬虫類ではウミガメ、両生類ではウシガエル、軟体動物ではウミウシなども「う」から始まる生き物です。
ウスバカゲロウの幼虫は本当にアリジゴクですか?
はい、ウスバカゲロウの幼虫は「アリジゴク」として知られています。アリジゴクは、乾燥した砂地にすり鉢状の巣を作り、その底に潜んでアリなどの小昆虫を捕食するユニークな生態を持っています。成虫になると、薄い翅を持つウスバカゲロウになります。
ウマオイはどこでよく見られますか?
ウマオイは、主に夏から秋にかけて、草むらや林縁部、畑の片隅、河原の草原などで見られます。特に、下草の多い林や山沿いの草むらに生息するハヤシノウマオイと、開けた草原や畑に生息するハタケノウマオイがいます。夜行性で、夜間に灯火に飛来することもあります。
「う」から始まる昆虫は珍しい種類が多いですか?
「う」から始まる昆虫の中には、ウマノオバチのように環境省のレッドリストで準絶滅危惧種に指定されている希少な種類も存在します。しかし、ウスバカゲロウやウスバキトンボ、ウラギンシジミのように、比較的広範囲に分布し、身近な場所で見られる種類も多くいます。珍しいかどうかは、その昆虫の種類や生息環境によって異なります。
ウスバキトンボはなぜ「旅するトンボ」と呼ばれるのですか?
ウスバキトンボは、熱帯・亜熱帯地域で生まれ、季節風に乗って長距離を移動する「渡り」を行う習性があるため、「旅するトンボ」と呼ばれます。日本では越冬できない地域が多いため、毎年南方から飛来し、世代を重ねながら北上します。その壮大な移動距離と、命をつなぐための旅の様子から、この名が付きました。
まとめ
- 「う」から始まる昆虫は身近な種類から希少種まで様々です。
- ウマオイは「スィーッチョン」と鳴く肉食性のキリギリスの仲間です。
- ウスバカゲロウの幼虫はすり鉢状の巣を作る「アリジゴク」です。
- ウスバキトンボは長距離を移動する「旅するトンボ」として知られています。
- ウラギンシジミは翅の裏が銀白色の美しい蝶で、成虫で越冬します。
- ウラナミアカシジミは赤い翅が特徴で、森の雑木林に生息します。
- ウメケシキスイは梅の果実を食害する小さな甲虫です。
- ウマノオバチは長い産卵管でカミキリムシの幼虫に寄生する希少なハチです。
- ウリハムシはウリ科植物の葉や根を食害する害虫です。
- 昆虫観察は日当たりの良い草地や林縁部が適しています。
- 夜行性昆虫は街灯や樹液の出る木で観察できます。
- 昆虫に優しい観察を心がけ、捕獲後は元の場所へ戻しましょう。
- 観察時は長袖・長ズボンで虫刺されや植物かぶれを防ぎます。
- 危険な生物には近づかず、マナーを守って観察しましょう。
- 「う」から始まる生き物には昆虫以外にも多くの動物がいます。
- ウスバキトンボは日本で越冬できないため、毎年南方から飛来します。
