「す」から始まる昆虫と聞いて、皆さんはどんな虫を思い浮かべますか?多くの方がまず「スズムシ」や「スズメバチ」を思い浮かべるのではないでしょうか。しかし、私たちの身の回りには、意外と知られていない「す」から始まるユニークな昆虫たちが数多く存在します。本記事では、そんな「す」から始まる昆虫たちを、その特徴や生態、生息環境なども交えながら詳しく解説していきます。
「す」から始まる代表的な昆虫たち

まずは、比較的よく知られている「す」から始まる昆虫たちをご紹介します。彼らは私たちの生活にも身近な存在であり、それぞれに興味深い特徴を持っています。
スズムシ(鈴虫)
スズムシは、秋の夜長に美しい鳴き声を聞かせてくれる、日本を代表する鳴く虫です。体長は17~25mmほどの黒褐色のコオロギ科の昆虫で、オスだけが鳴きます。その鳴き声は「リーン、リーン」と表現され、多くの人に親しまれてきました。スズムシは夜行性で、草むらなどに生息していますが、野生の姿を目にする機会は意外と少ないかもしれません。
しかし、その美しい音色から、江戸時代にはすでに飼育が盛んに行われていた歴史があります。スズムシのオスは前翅をこすり合わせることで音を出しており、これはメスへの求愛や縄張りの主張のためです。
スズメバチ(雀蜂)
スズメバチは、その名前の通りスズメに似た大型のハチで、日本に生息するハチの中でも特に危険な種類として知られています。オオスズメバチ、キイロスズメバチ、コガタスズメバチなど様々な種類が存在し、体色は鮮やかな黄色と黒の縞模様が特徴です。スズメバチは非常に攻撃的で、強力な毒針を持っています。巣は木の根元や土の中、家の軒下や屋根裏など、様々な場所に作られます。
特にオオスズメバチは世界最大のハチであり、その毒性も非常に強いことで知られています。 スズメバチは社会性昆虫であり、女王蜂を中心に大きなコロニーを形成して生活しています。
スジグロシロチョウ(筋黒白蝶)
スジグロシロチョウは、モンシロチョウによく似た白い翅を持つチョウですが、翅に黒い筋が目立つことで見分けられます。モンシロチョウよりもやや大型で、平地から山地、畑や草地など、比較的薄暗く湿った環境を好む傾向があります。幼虫の食草は、イヌガラシやタネツケバナなどのアブラナ科植物です。 オスの翅にはレモンのような香りがあると言われており、これもスジグロシロチョウのユニークな特徴の一つです。
水辺で見かける「す」から始まる昆虫

水辺の環境にも、「す」から始まる昆虫たちが生息しています。彼らは水中で生活するための独特な体の構造や生態を持っています。
スイコウチュウ(水甲虫)
スイコウチュウは、水中で生活する甲虫の仲間です。流線型の体をしており、後脚がオールのような形に発達しているのが特徴で、これにより水中を素早く泳ぎ回ることができます。池や沼、水田などに生息し、水中の小動物を捕食する肉食性の昆虫です。水生昆虫の多くは、幼虫期のみ水中で過ごすものと、幼虫期と成虫期ともに水中で過ごすものに分けられますが、スイコウチュウは後者のタイプです。
水中の溶存酸素を取り込むための特別な呼吸方法を持つ種類もいます。
スイセイカメムシ(水生カメムシ)
スイセイカメムシは、水中で生活するカメムシの総称です。タガメ、コオイムシ、ミズカマキリ、タイコウチ、アメンボなどがこの仲間に入ります。彼らは水中の小動物を捕食する肉食性のものが多く、前脚が鎌状に発達している種類もいます。口器は針状にとがり、獲物の体液を吸うことで栄養を摂取します。水生カメムシ類は、水面を滑るように移動するアメンボのように水面で生活するもの、水中に潜んで獲物を待つタガメのように水中で生活するものなど、多様な生態を持っています。
水中生活に適応するため、翅と胴体の隙間に空気を蓄えたり、長い呼吸管を持つ種類も存在します。
その他「す」から始まるユニークな昆虫

他にも、あまり知られていないけれど興味深い「す」から始まる昆虫たちがいます。彼らの生態を知ることで、昆虫の多様性をより深く感じられるでしょう。
スズメガ(雀蛾)
スズメガは、大型で頑丈な体を持つガの仲間です。夜行性の種類が多く、花の蜜を吸う際にハチのようにホバリング飛行をするのが特徴です。幼虫はイモムシ型で、尾角を持つ種類が多いです。オオスカシバやセスジスズメなどが有名で、その力強い飛行能力と独特の姿は、多くの昆虫愛好家を魅了しています。スズメガの幼虫は、植物の葉を食べることで成長し、種類によっては特徴的な模様や色を持つものもいます。
スズメバチモドキ(雀蜂擬)
スズメバチモドキは、その名の通りスズメバチに姿を似せたガの仲間です。これは「擬態」と呼ばれる戦略で、捕食者から身を守るために、危険なスズメバチにそっくりな見た目をしています。翅が透明な種類もおり、一見するとハチと見間違えるほどです。スズメバチモドキは、ハチの毒針を持つという誤解を誘発することで、天敵から襲われるリスクを減らしているのです。
幼虫は樹木に穿孔して生活することが知られています。
「す」から始まる昆虫に関するよくある質問

ここでは、「す」から始まる昆虫についてよくある疑問にお答えします。
- スズムシの鳴き声はどのようにして出すのですか?
- スズメバチに刺された場合の対処法は?
- 「す」から始まる昆虫は他にどんな種類がいますか?
- 水生昆虫とは具体的にどのような昆虫を指しますか?
- スズムシを飼育する際のコツはありますか?
スズムシの鳴き声はどのようにして出すのですか?
スズムシの鳴き声は、オスの前翅にある「やすり状器」と「摩擦器」と呼ばれる器官をこすり合わせることで出されます。この摩擦によって振動が生まれ、翅の膜がその振動を増幅させることで、美しい「リーン、リーン」という音色となるのです。鳴くのはオスのみで、メスへの求愛や縄張りの主張のために鳴いています。
スズメバチに刺された場合の対処法は?
スズメバチに刺された場合は、まず冷静になり、その場から静かに離れることが重要です。ハチが興奮すると、さらに仲間を呼んで攻撃してくる可能性があります。刺された傷口は、流水でよく洗い流し、針が残っている場合は、指でつまんで毒液を再注入しないようにそっと抜きましょう。毒液を吸い出す専用の器具があれば使用し、その後は抗ヒスタミン軟膏などを塗り、冷やして安静にすることが大切です。
症状が悪化したり、アレルギー反応(アナフィラキシーショック)の兆候が見られる場合は、すぐに医療機関を受診してください。
「す」から始まる昆虫は他にどんな種類がいますか?
「す」から始まる昆虫は、他にも様々な種類がいます。例えば、スジアオゴミムシ、スジクワガタ、スジコガネ、スズキクサカゲロウ、スズバチ、スミスハキリバチなどが挙げられます。 また、水生昆虫の中には、スイコウチュウやスイセイカメムシの他にも、ゲンゴロウやミズスマシといったコウチュウの仲間、タガメやタイコウチといったカメムシの仲間も含まれます。
昆虫の世界は非常に多様で、探せば探すほど新しい発見があるでしょう。
水生昆虫とは具体的にどのような昆虫を指しますか?
水生昆虫とは、その生活史の少なくとも一部を水中、または水面で過ごす昆虫の総称です。幼虫期のみ水中で過ごすカゲロウやトンボ、カワゲラ、トビケラなどの仲間と、幼虫期と成虫期ともに水中で過ごすゲンゴロウやタガメ、ミズカマキリなどの仲間がいます。彼らは水中で呼吸するためのエラや、泳ぐための特殊な脚など、水生生活に適応した様々な特徴を持っています。
川虫と呼ばれることもあり、水環境の健康状態を示す指標生物としても重要です。
スズムシを飼育する際のコツはありますか?
スズムシを飼育するコツは、適切な環境を整えることです。まず、飼育容器には、メスが産卵できるように卵管より少し深い赤玉土や川砂を敷き、適度な湿度を保ちましょう。土が乾きすぎないように霧吹きで湿らせつつ、びしょびしょにならないよう注意が必要です。 餌はナスやキュウリ、煮干しなどの雑食性のものを与えます。
また、隠れ家となる落ち葉や小枝を入れてあげると、スズムシが落ち着いて生活できます。容器は直射日光やクーラーの風が当たらない場所に置き、殺虫剤などの使用は避けてください。 適切な管理をすれば、美しい鳴き声を長く楽しむことができます。
まとめ
- 「す」から始まる昆虫には、スズムシ、スズメバチ、スジグロシロチョウなどがいます。
- スズムシは秋に美しい鳴き声を奏でるコオロギ科の昆虫です。
- スズメバチは攻撃性が高く、強力な毒針を持つ危険なハチです。
- スジグロシロチョウはモンシロチョウに似た白い翅に黒い筋が特徴のチョウです。
- 水辺にはスイコウチュウやスイセイカメムシといった水生昆虫が生息しています。
- スイコウチュウは流線型の体で水中を泳ぎ回る甲虫です。
- スイセイカメムシにはタガメやミズカマキリなど多様な種類がいます。
- スズメガは大型でホバリング飛行をするガの仲間です。
- スズメバチモドキはスズメバチに擬態して身を守るガの一種です。
- スズムシの鳴き声はオスの前翅をこすり合わせることで出されます。
- スズメバチに刺された際は、冷静に離れて傷口を洗い流し、医療機関を受診しましょう。
- 水生昆虫は生活史の一部または全てを水中で過ごす昆虫の総称です。
- スズムシ飼育では、湿った土、適切な餌、隠れ家が重要です。
- 「す」から始まる昆虫は、身近なものから珍しいものまで多様な生態を持っています。
- 昆虫の多様性を知ることは、自然への理解を深めることにつながります。
