作文で「かぎかっこ」や「句読点」の使い方が分からず悩んでいませんか?正しい使い方を知ることは、読みやすい文章を書くための第一歩です。本記事では、作文におけるかぎかっこや句読点の基本的なルールから、迷いやすい点の解決策、そして文章をより魅力的にするコツまで、分かりやすく解説します。
作文でかぎかっこを使う基本的なルール

作文において、かぎかっこ「」は会話や引用、強調など、さまざまな場面で活躍する重要な記号です。その使い方を正しく理解することは、読み手に意図を正確に伝え、文章全体を分かりやすくするために欠かせません。ここでは、かぎかっこの基本的な使い方を詳しく見ていきましょう。
かぎかっこを使う場面
かぎかっこ「」は、主に以下の四つの場面で使われます。まず、登場人物の
会話文をそのまま示す際に用います。次に、心の中で思ったことや考えを表現する際にも役立ちます。また、特定の語句や文章を
引用する場合や、読者の注意を引きたい
強調したい部分を際立たせるためにも使われます。
さらに、本のタイトルや物語の題名を示す際にもかぎかっこが用いられることがあります。これらの使い方を適切に使い分けることで、作文の表現力がぐっと高まります。
会話文でのかぎかっこの使い方
会話文をかぎかっこで書く場合、いくつかの大切なルールがあります。まず、会話が始まる際には、原則として
新しい行に改行し、かぎかっこ「」から書き始めます。会話文が二行以上にわたる場合、二行目以降は行頭を一マス空ける必要はありません。そのまま続けて書きましょう。 話し手が変わる場合は、前の会話文を閉じかぎかっこ「」で閉じた後、改行して新しい話し手の会話を始めます。
会話文の後に地の文が続く場合も、通常は改行して書き始めますが、新しい段落でなければ一マス空ける必要はありません。
引用や強調でのかぎかっこの使い方
引用文や強調したい語句をかぎかっこで示す際も、会話文と同様に読みやすさを意識することが大切です。例えば、本や記事から文章を引用する場合、その引用部分を正確にかぎかっこで囲みます。これにより、
どの部分が引用であるかが明確になり、読者に誤解を与える心配がありません。
また、特定の言葉やフレーズを強調したいときにもかぎかっこは有効です。例えば、「彼の言葉はまさに
「希望の光」だった」のように使うことで、その言葉が持つ意味合いを強く印象付けられます。ただし、強調のためにかぎかっこを多用しすぎると、かえって文章が読みにくくなることもあるため、使いすぎには注意が必要です。
かぎかっこの中の句読点、どうする?
かぎかっこの中に句読点をどう配置するかは、作文を書く上で多くの人が迷う点です。一般的に、会話文や引用文の
文末に句点「。」は付けず、閉じかぎかっこ「」で直接閉じます。 これは、かぎかっこ自体が文の終わりを示す役割を果たすためです。しかし、小学校の作文など、教育現場によっては、会話文の最後に句点「。
」を付けてから閉じかぎかっこ「」で閉じるよう指導される場合もあります。 どちらのルールに従うかは、提出先の指示や文脈によって異なりますが、一貫性を持たせることが重要です。感嘆符「!」や疑問符「?」が会話文の最後に来る場合は、句点「。」は不要です。
二重かぎかっこ『』の役割と使い方
二重かぎかっこ『』は、かぎかっこ「」の中でさらにかぎかっこを使いたい場合や、特定の作品名を示す際に使われます。例えば、「彼は「
『銀河鉄道の夜』を読んだ」と言った」のように、会話文の中に本のタイトルが出てくる場合などに使用します。 また、書籍や映画、芸術作品のタイトルを本文中で示す際にも二重かぎかっこが使われることがあります。
これにより、文章の階層が明確になり、読者はどの部分が作品名で、どの部分が会話や引用なのかをスムーズに理解できます。二重かぎかっこも、使いすぎると文章が複雑になるため、必要な場面で効果的に使うことが大切です。
作文で句読点を使う基本的なルール

句読点「。」と「、」は、文章のリズムを作り、意味を明確にするために不可欠な記号です。これらを適切に使うことで、読者は文章をスムーズに読み進められ、書き手の意図を正確に把握できます。ここでは、句読点の基本的な使い方と、特に注意したい点について解説します。
句点「。」の正しい使い方
句点「。」は、文の終わりを示す記号であり、文章を区切る最も基本的な役割を担います。原則として、
一つの文が終わるごとに句点「。」を打ちます。 ただし、かぎかっこ「」で閉じられた会話文や引用文の直前には、通常句点「。」は付けません。 また、感嘆符「!」や疑問符「?」の後に句点「。
」は不要です。 丸かっこ()で補足説明をする場合、丸かっこの後に句点「。」を打つのが一般的です。 句点を正しく使うことで、文章に明確な区切りが生まれ、読者は内容を一つずつ理解しながら読み進められます。
読点「、」の正しい使い方と効果的な配置
読点「、」は、文中の意味の区切りや、誤読を防ぐために使われる記号です。句点とは異なり、明確なルールが少ないため、その配置に迷うことも少なくありません。しかし、読点を効果的に使うことで、文章にリズムが生まれ、より読みやすくなります。読点を打つ主な場面としては、
長い主語の後、文と文をつなぐ接続詞の後、並列する語句の間、そして誤読を防ぐためなどが挙げられます。
例えば、「私は、昨日図書館で借りた本を読んだ」のように、主語が長い場合に読点を置くと、主語と述語の関係が分かりやすくなります。また、文章を音読してみて、自然に息継ぎをする場所で読点を打つというコツも有効です。 読点の打ちすぎは文章を不自然にするため、必要最小限に留める意識が大切です。
行頭禁則と句読点の処理
原稿用紙を使う作文では、「行頭禁則」という重要なルールがあります。これは、
句読点「。」「、」や閉じかぎかっこ「」などが、行の最初にきてはいけないという決まりです。 もし、句読点や閉じかぎかっこが行の最初にきてしまう場合は、前の行の最後のマスに、その前の文字と一緒に書き入れます。
これにより、原稿用紙の見た目が整い、読み手にとってストレスなく文章を読み進められるようになります。特に、作文用紙に手書きで書く際には、このルールを意識して、文字の配置に気を配ることが大切です。
読みやすい作文にするための実践的なコツ

かぎかっこや句読点の正しい使い方をマスターするだけでなく、文章全体を読みやすくするための工夫も作文の質を高める上で重要です。ここでは、読者がスムーズに内容を理解し、共感できるような作文を書くための実践的なコツをご紹介します。
一文を短くする意識を持つ
長い文章は、読者にとって理解しにくく、途中で読むのをやめてしまう原因にもなりかねません。そのため、
一文をできるだけ短く、簡潔にまとめることを意識しましょう。 一つの文に複数の情報を詰め込みすぎず、伝えたいことを一つに絞って表現すると、文章がすっきりとします。例えば、「私は昨日、友達と一緒に公園へ行き、そこで新しい遊びを見つけて、とても楽しい時間を過ごしました。
」という文は、「私は昨日、友達と公園へ行きました。そこで新しい遊びを見つけました。とても楽しい時間でした。」のように、複数の文に分けることで、それぞれの情報が明確になり、読みやすさが向上します。文を短くすることで、読者は内容をスムーズに把握し、飽きずに読み進められます。
文末表現を統一する
作文全体で文末表現を統一することは、文章に一貫性を持たせ、読み手に安定した印象を与える上で重要です。一般的に、作文では「です・ます調」か「だ・である調」のどちらかに統一します。例えば、
「です・ます調」で書き始めたら、最後までその調子を保ちましょう。 途中で文末表現が混在すると、文章が不安定に感じられ、読者に違和感を与えてしまいます。
特に、会話文以外の地の文では、文末表現の統一を心がけることが大切です。書き終えた後に必ず読み返し、文末表現が統一されているかを確認する習慣をつけましょう。
記号の多用を避ける
感嘆符「!」や疑問符「?」、リーダー「…」などの記号は、文章に感情や余韻を加える効果がありますが、
多用しすぎると文章が幼稚に見えたり、読みにくくなったりすることがあります。 特に、改まった作文や小論文では、これらの記号の使用は控えめにするのが一般的です。感情を表現したい場合は、記号に頼るのではなく、言葉の選び方や表現方法を工夫することで、より豊かな文章になります。
例えば、「とても驚いた!」ではなく、「心臓が飛び跳ねるほど驚いた」のように具体的に描写することで、読者に情景が伝わりやすくなります。
段落分けで文章にリズムを作る
段落は、文章の意味のまとまりを示すものであり、
適切に段落を分けることで、文章にリズムが生まれ、読みやすさが格段に向上します。 話題が変わる時、時間や場所が移り変わる時、登場人物の視点が変わる時、そして特に強調したいことや感情の変化を伝えたい時などに、新しい段落を始めましょう。
段落の始まりは、通常一マス空けて書き始めます。 長すぎる段落は読者を疲れさせてしまうため、一つの段落に多くの情報を詰め込みすぎないよう注意が必要です。段落分けを意識することで、読者は文章の構成を把握しやすくなり、内容をより深く理解できます。
よくある質問

- 作文でかぎかっこの中に句点は必要ですか?
- 原稿用紙で句読点が行の最初にきてしまったらどうすればいいですか?
- 会話文の途中で改行する際のルールはありますか?
- 読点を打つ場所が分かりません。コツはありますか?
- 作文で「!」や「?」は使ってもいいですか?
作文でかぎかっこの中に句点は必要ですか?
一般的には、かぎかっこの中に句点「。」は必要ありません。会話文や引用文の文末に句点「。」を付けず、閉じかぎかっこ「」で直接閉じることが多いです。ただし、小学校の作文など、教育現場によっては句点「。」を付けてから閉じかぎかっこ「」で閉じるよう指導される場合もあります。提出先の指示に従うか、一貫したルールで書くことが大切です。
感嘆符「!」や疑問符「?」が最後に来る場合は、句点「。」は不要です。
原稿用紙で句読点が行の最初にきてしまったらどうすればいいですか?
原稿用紙のルールでは、句読点「。」「、」や閉じかぎかっこ「」が行の最初にきてはいけません(行頭禁則)。もし行の最初にきてしまう場合は、前の行の最後のマスに、その前の文字と一緒に書き入れます。これにより、原稿用紙の見た目が整い、読みやすくなります。
会話文の途中で改行する際のルールはありますか?
会話文が二行以上にわたる場合、二行目以降は行頭を一マス空ける必要はありません。そのまま続けて書きましょう。話し手が変わる場合は、前の会話文を閉じかぎかっこ「」で閉じた後、改行して新しい話し手の会話を始めます。
読点を打つ場所が分かりません。コツはありますか?
読点「、」は、文中の意味の区切りや誤読を防ぐために使われます。明確なルールが少ないため迷いやすいですが、文章を音読してみて、自然に息継ぎをする場所で打つのが一つのコツです。また、長い主語の後、文と文をつなぐ接続詞の後、並列する語句の間などに打つと、文章が読みやすくなります。
作文で「!」や「?」は使ってもいいですか?
作文で感嘆符「!」や疑問符「?」を使うことは可能ですが、多用は避けるのがおすすめです。特に、改まった作文や小論文では、これらの記号の使用は控えめにするのが一般的です。感情を表現したい場合は、記号に頼るのではなく、言葉の選び方や表現方法を工夫することで、より豊かな文章になります。
まとめ
- かぎかっこは会話、引用、強調、作品名に使う。
- 会話文は新しい行からかぎかっこで始める。
- かぎかっこの中の句点は通常省略する。
- 二重かぎかっこはかぎかっこ内の引用や作品名に使う。
- 句点「。」は文の終わりに打ち、感嘆符や疑問符の後は不要。
- 読点「、」は意味の区切りや誤読防止に使う。
- 読点の打ちすぎは文章を読みにくくする。
- 句読点や閉じかぎかっこは行の最初に置かない。
- 行頭禁則の場合、前の行の最後のマスにまとめる。
- 一文を短くすると文章が分かりやすくなる。
- 文末表現は作文全体で統一する。
- 感嘆符や疑問符の多用は避ける。
- 段落分けで文章にリズムと区切りを作る。
- 作文は読み手のことを考えて書くことが大切。
- 正しい記号の使い方で表現力が向上する。
