新しいiPhoneやiPadに機種変更した際、便利なクイックスタート機能を使ってデータ移行を試みる方は多いでしょう。しかし、「クイックスタートデータ転送を完了できません」というメッセージが表示されてしまい、途方に暮れてしまうこともあります。この問題に直面すると、新しいデバイスをすぐに使いたい気持ちとは裏腹に、データ移行が進まず焦りを感じてしまうものです。
本記事では、クイックスタートでのデータ転送が完了できない主な原因と、その具体的な解決方法を徹底的に解説します。
また、クイックスタートがうまくいかない場合の代替手段や、よくある質問にもお答えしますので、安心してデータ移行を成功させるための参考にしてください。
クイックスタートデータ転送が完了できない主な原因

クイックスタートでのデータ転送がうまくいかないと、新しいiPhoneやiPadへの移行が滞ってしまい、困ってしまいますよね。まずは、なぜ転送が完了できないのか、その主な原因を把握することから始めましょう。
Wi-FiやBluetoothの接続問題
クイックスタートは、Wi-FiとBluetoothのワイヤレス接続を利用してデータを転送します。そのため、これらの接続が不安定だったり、途中で切れてしまったりすると、データ転送が完了できない原因となります。特に、Wi-Fi環境が不安定な場所や、Bluetoothの電波が届きにくい状況では、エラーが発生しやすい傾向にあります。
ソフトウェアのバージョンが古い
クイックスタート機能を利用するには、新旧両方のiPhoneやiPadが特定のiOS/iPadOSバージョン以降である必要があります。具体的には、iOS 12.4以降が必須です。 もし、どちらかのデバイスのソフトウェアバージョンが古い場合、クイックスタートが正常に動作せず、データ転送が完了できないことがあります。
デバイス間の距離や障害物
クイックスタートは、2台のデバイスを近くに置いて行う必要があります。デバイス同士が離れすぎていると、Bluetoothの電波が届きにくくなり、接続が不安定になってデータ転送が中断されることがあります。 また、間に障害物がある場合も同様に、接続に影響を与える可能性があります。
ストレージ容量の不足
新しいiPhoneやiPadのストレージ容量が、古いデバイスから転送しようとしているデータ量よりも少ない場合、データ転送を完了できません。 新しいデバイスに十分な空き容量がないと、途中で転送が停止してしまうため、事前に確認しておくことが大切です。
バッテリー残量の不足
データ転送には時間がかかることがあり、その間にデバイスのバッテリーが切れてしまうと、転送が中断されてしまいます。 特に古いデバイスはバッテリーの劣化が進んでいる場合があるため、転送中にバッテリー切れを起こしやすいので注意が必要です。 Appleは、クイックスタートを行う際に両方のデバイスを充電ケーブルに接続することを推奨しています。
システムの一時的な不具合
デバイスの一時的なシステムエラーや不具合が原因で、クイックスタートが正常に動作しないこともあります。これは、特定の原因が特定できない場合に考えられる一般的な問題です。再起動などで解決する場合も多いです。
クイックスタートデータ転送を完了させるための具体的な解決方法

原因が分かったら、次は具体的な解決方法を試していきましょう。一つずつ確認しながら進めることで、問題が解決する可能性が高まります。
- Wi-FiとBluetoothの再確認と再接続
- iOS/iPadOSの最新バージョンへのアップデート
- デバイスの再起動
- 十分なストレージ容量の確保
- バッテリーを十分に充電する
- ネットワーク設定のリセット
- SIMカードの抜き差し
Wi-FiとBluetoothの再確認と再接続
まず、両方のデバイスでWi-FiとBluetoothがオンになっているかを確認し、一度オフにしてから再度オンにしてみてください。 これにより、一時的な接続問題が解消されることがあります。
Wi-Fiネットワークのリセット
Wi-Fi接続が不安定な場合は、ルーターを再起動することでネットワークがリフレッシュされ、接続が改善されることがあります。 また、iPhoneのネットワーク設定をリセットすることも有効な方法です。これは「設定」>「一般」>「転送またはiPhoneをリセット」>「リセット」>「ネットワーク設定をリセット」から行えます。
Bluetoothのオンオフ切り替え
Bluetoothがオフになっているとクイックスタートは利用できません。 コントロールセンターからBluetoothアイコンをタップしてオンオフを切り替えるか、「設定」>「Bluetooth」から設定を確認しましょう。
iOS/iPadOSの最新バージョンへのアップデート
新旧両方のデバイスのiOS/iPadOSを最新バージョンにアップデートしてください。 「設定」>「一般」>「ソフトウェアアップデート」から確認し、利用可能なアップデートがあれば適用しましょう。 特に、移行元のiOSバージョンが新しいiPhoneのiOSバージョンよりも新しい場合、データ転送ができないことがあります。
デバイスの再起動
両方のiPhoneやiPadを一度電源オフにしてから再起動することで、一時的なシステム不具合が解消され、クイックスタートが正常に動作するようになることがあります。 動きが止まってしまったと感じたら、慌てずに再起動を試してみましょう。
十分なストレージ容量の確保
新しいiPhoneやiPadのストレージ容量が不足している場合は、不要なアプリや写真、動画などを削除して空き容量を増やしましょう。 古いデバイスのデータ量よりも新しいデバイスの空き容量が多い状態が理想です。
バッテリーを十分に充電する
データ転送中はバッテリーを消費するため、両方のデバイスを充電ケーブルに接続した状態でクイックスタートを行うのがおすすめです。 事前に十分に充電しておくか、充電しながら作業を進めることで、途中でバッテリー切れになるのを防げます。
ネットワーク設定のリセット
Wi-FiやBluetoothの設定に問題がある場合、ネットワーク設定をリセットすることで改善されることがあります。これは「設定」>「一般」>「転送またはiPhoneをリセット」>「リセット」>「ネットワーク設定をリセット」から行えます。この操作を行ってもデータが消えることはありませんが、Wi-Fiパスワードなどは再入力が必要になります。
SIMカードの抜き差し
稀にSIMカードが原因でクイックスタートがうまくいかないケースもあります。一度SIMカードを抜き差ししてみることで、状況が改善される可能性も考えられます。クイックスタートのデータ移行はBluetoothを使って行われるため、SIMカードの抜き差しは転送の前後どちらでも問題ありません。
クイックスタートが難しい場合の代替データ移行方法

上記の方法を試してもクイックスタートがうまくいかない場合は、別の方法でデータを移行することも検討しましょう。いくつかの選択肢を知っておくと、いざという時に役立ちます。
iCloudバックアップからの復元
クイックスタートが利用できない場合、iCloudバックアップから新しいiPhoneにデータを復元する方法があります。 古いiPhoneでiCloudバックアップを作成し、新しいiPhoneの初期設定時に「iCloudバックアップから復元」を選択することで、写真やアプリ、設定などを移行できます。 iCloudバックアップがオフになっていると、クイックスタートがうまくいかない原因になることもあるため、事前にオンにしておくことが大切です。
iTunes/Finderを使ったデータ移行
パソコン(Macの場合はFinder、Windowsの場合はiTunes)を使って、古いiPhoneのデータをバックアップし、新しいiPhoneに復元する方法もあります。 この方法は、Wi-Fi環境が不安定な場合や、大量のデータを確実に移行したい場合に有効です。 有線接続で行うため、ワイヤレス接続のトラブルを回避できます。
その他のデータ移行アプリの利用
Apple公式以外のデータ移行ツールやアプリも存在します。これらのツールは、クイックスタートやiCloud、iTunesでは対応できない特定の状況や、より柔軟なデータ移行を求める場合に選択肢となります。ただし、利用する際は信頼できるアプリを選び、セキュリティに注意しましょう。
よくある質問

- クイックスタートのデータ転送にはどれくらいの時間がかかりますか?
- クイックスタート中に電話がかかってきても大丈夫ですか?
- クイックスタートで転送されるデータは何ですか?
- クイックスタート中にエラーが発生した場合、最初からやり直すべきですか?
- 古いiPhoneが壊れていてもクイックスタートはできますか?
- クイックスタートで転送できないデータはありますか?
- クイックスタートはWi-Fiがないとできませんか?
- クイックスタートで転送中に電源が切れたらどうなりますか?
- クイックスタートは途中でキャンセルできますか?
- クイックスタートの途中で「認証できません」と表示されました。
クイックスタートのデータ転送にはどれくらいの時間がかかりますか?
データ転送にかかる時間は、転送するデータ量やWi-Fi環境によって大きく異なります。数十分で完了することもあれば、数時間かかることもあります。大容量のデータを転送する場合は、時間に余裕を持って行い、両方のデバイスを充電しながら進めることをおすすめします。
クイックスタート中に電話がかかってきても大丈夫ですか?
クイックスタート中は、データ転送が中断される可能性があるため、電話やその他の操作は避けるのが望ましいです。重要な連絡がある場合は、データ転送が完了してから対応するようにしましょう。
クイックスタートで転送されるデータは何ですか?
クイックスタートでは、写真、動画、連絡先、メッセージ、アプリ、本体の設定、壁紙などが転送されます。 ほとんどの個人データや設定が新しいデバイスに引き継がれるため、手間なく移行できます。
クイックスタート中にエラーが発生した場合、最初からやり直すべきですか?
エラーの内容にもよりますが、多くの場合、最初からやり直す必要があります。 一度新しいiPhoneを初期化し、再度クイックスタートを試すことで問題が解決することがあります。 その際、本記事で紹介した解決方法を試しながら進めてみてください。
古いiPhoneが壊れていてもクイックスタートはできますか?
古いiPhoneが完全に壊れていて電源が入らない、画面が操作できないなどの状態では、クイックスタートを利用することはできません。 その場合は、事前にiCloudやiTunesでバックアップを取っていたデータから復元する方法を検討しましょう。
クイックスタートで転送できないデータはありますか?
ほとんどのデータは転送されますが、一部のアプリのデータやキャリアメールの設定、Apple PayやモバイルSuicaなどの設定は、個別に引き継ぎや再設定が必要になる場合があります。 各アプリの公式情報を確認し、必要な引き継ぎ作業を事前に行っておきましょう。
クイックスタートはWi-Fiがないとできませんか?
クイックスタートは、Wi-Fi環境がなくてもiPhone同士を近づけることでデータ移行が可能です。 テザリングを利用したり、有線ケーブルで接続したりする方法もあります。 自宅にWi-Fiがない場合でも、諦める必要はありません。
クイックスタートで転送中に電源が切れたらどうなりますか?
転送中に電源が切れると、データ移行が中断され、最初からやり直しになる可能性が高いです。 最悪の場合、データが破損するリスクも考えられます。そのため、両方のデバイスを充電しながら作業を進めることが非常に重要です。
クイックスタートは途中でキャンセルできますか?
クイックスタートの途中でキャンセルすることは可能ですが、データ転送が不完全になる可能性があります。もしキャンセルする場合は、新しいiPhoneを初期化してから再度データ移行を試みるのが安全です。
クイックスタートの途中で「認証できません」と表示されました。
「認証できません」と表示される場合、Apple IDのサインインに問題がある可能性があります。古いiPhoneでApple IDにサインインできているか確認し、パスワードが不明な場合は再設定を試みましょう。 また、Apple IDが未設定の場合もクイックスタートは利用できません。
まとめ
- クイックスタートのデータ転送が完了できない原因は多岐にわたる。
- Wi-FiやBluetoothの接続問題がよくある原因の一つ。
- iOS/iPadOSのバージョンが古いとクイックスタートは機能しない。
- デバイス間の距離が離れすぎていると転送が中断される。
- 新しいiPhoneのストレージ容量不足も転送失敗の原因となる。
- バッテリー残量が少ないと途中で転送が停止する。
- デバイスの再起動で一時的な不具合が解消されることがある。
- Wi-FiとBluetoothの再確認と再接続は基本的な解決策。
- 両方のデバイスを最新のiOS/iPadOSにアップデートする。
- 新しいiPhoneのストレージに十分な空き容量を確保する。
- データ転送中は両方のデバイスを充電ケーブルに接続する。
- ネットワーク設定のリセットも有効な対処方法。
- SIMカードの抜き差しで改善されるケースもある。
- クイックスタートが難しい場合はiCloudバックアップからの復元を検討する。
- iTunes/Finderを使った有線でのデータ移行も確実な方法。
