春の訪れとともに、多くの人を悩ませる花粉症。くしゃみや鼻水だけでなく、目のかゆみや充血、そして朝起きたときに目がネバネバして開かないほどの目やにに困っていませんか?このネバネバした目やには、花粉症によるアレルギー反応が原因で起こる、つらい症状の一つです。
本記事では、花粉症でネバネバ目やにが出る原因から、今日から試せる効果的な対処法、そして眼科を受診すべきタイミングまで、詳しく解説します。あなたの目の不快感を和らげ、花粉症シーズンを少しでも快適に過ごすための情報をお届けします。
花粉症でネバネバ目やにが出るのはなぜ?その正体とメカニズム

花粉症の時期に目がネバネバするのは、アレルギー反応によって目の粘膜に炎症が起きているサインです。目やには、本来、目の表面の老廃物や異物を排出する役割を担っていますが、花粉症の際にはその性質が変化します。
目やにの役割と花粉症による変化
目やには、正式には「眼脂(がんし)」と呼ばれ、目の新陳代謝によって生じる老廃物や、外部から侵入したホコリ、細菌などを涙とともに排出する働きがあります。通常は少量で、朝に目頭や目尻に付着している程度ですが、目に炎症が起こるとその量や性状が変化します。花粉症の場合、アレルギー反応によって目の粘膜が刺激され、粘液の分泌が増えることで、ネバネバとした目やにが多く出るようになるのです。
これは、体が異物である花粉を排出しようとする防御反応の一つと言えます。
ネバネバ目やにの主な原因は「アレルギー性結膜炎」
花粉症によるネバネバ目やにの主な原因は、「アレルギー性結膜炎」です。結膜とは、まぶたの裏側と白目を覆う粘膜のことで、花粉などのアレルゲンがこの結膜に付着することでアレルギー反応が起こり、炎症を引き起こします。特に、ベタベタと糸を引くような白い目やには、アレルギー性結膜炎に特徴的な症状の一つとして知られています。
アレルギー性結膜炎は、花粉が原因となる「季節性アレルギー性結膜炎(結膜花粉症)」と、ハウスダストなどが原因で一年中症状が出る「通年性アレルギー性結膜炎」に分けられますが、ネバネバ目やには主に花粉症の時期に多く見られます。
アレルギー反応がネバネバ目やにを引き起こす仕組み
アレルギー反応がネバネバ目やにを引き起こす仕組みは、体内で起こる複雑な免疫反応によるものです。花粉が目に入ると、体はそれを異物と認識し、IgE抗体という物質を作り出します。このIgE抗体は、目の粘膜にあるマスト細胞(肥満細胞)と結合します。再び花粉が目に入ると、マスト細胞に結合したIgE抗体が反応し、ヒスタミンなどの化学伝達物質が放出されます。
これらの物質が神経や血管に作用することで、目のかゆみ、充血、そして粘液の分泌を促し、ネバネバとした目やにが生じるのです。 この一連の反応は、花粉を洗い流そうとする体の防御反応の結果であり、ネバネバ目やにはアレルギー反応が活発に起こっている証拠と言えます。
花粉症のネバネバ目やに、こんな症状にも注意が必要

花粉症によるネバネバ目やにには、他の目の症状が伴うことが多く、また、目やにの性状によっては花粉症以外の病気の可能性も考えられます。ご自身の目の状態をよく観察し、適切な対処につなげましょう。
花粉症でよく見られる目の症状
花粉症によるアレルギー性結膜炎では、ネバネバ目やにの他にも様々な目の症状が現れます。代表的なものとしては、かきむしりたくなるような強い目のかゆみ、白目の充血、涙が止まらないといった症状が挙げられます。また、目に異物感を感じたり、まぶたが腫れたりすることもあります。 これらの症状は、アレルギー反応によって放出されるヒスタミンなどの化学伝達物質が、目の神経や血管を刺激することで引き起こされます。
目をこすりすぎると、さらに炎症が悪化し、症状が長引く原因となるため注意が必要です。
ネバネバ目やにの色や性状でわかる目の病気
目やにの性状は、目の病気を推測する上で重要な手がかりとなります。花粉症によるネバネバ目やには、一般的に白色で糸を引くような粘り気があるのが特徴です。 しかし、もし目やにの色が黄色や緑色でドロドロしている場合は、細菌感染による「細菌性結膜炎」の可能性が高いです。これは、細菌と戦った白血球の死骸などが混じっているサインであり、朝、まぶたがくっついて目が開けにくくなることもあります。
また、涙のようにサラサラとした水っぽい目やにが大量に出る場合は、ウイルス感染による「ウイルス性結膜炎(はやり目)」や、アレルギー性結膜炎の初期症状であることも考えられます。 目やにの色や粘り気がいつもと違うと感じたら、自己判断せずに眼科を受診することをおすすめします。
片目だけネバネバ目やにが出る場合の注意点
花粉症によるアレルギー性結膜炎は、通常、両目に症状が現れることが多いですが、片目だけネバネバ目やにが出る場合もあります。しかし、片目だけに強い充血や痛み、まぶしさを感じるなどの症状が伴う場合は、花粉症以外の病気の可能性も考慮する必要があります。例えば、角膜感染症(角膜炎)や、目に異物が入っていることなどが考えられます。
特にコンタクトレンズを使用している場合は、レンズに付着した汚れや細菌が原因で感染症を引き起こすリスクもあるため、注意が必要です。片目だけの症状が続く場合や、痛みを伴う場合は、速やかに眼科を受診し、適切な診断と治療を受けることが大切です。
今日からできる!花粉症のネバネバ目やにの対処法とセルフケア
花粉症によるネバネバ目やにの不快感を和らげるためには、日々の適切な対処法とセルフケアが欠かせません。症状を悪化させないためにも、正しいケアを心がけましょう。
目やにを安全に取り除く方法
ネバネバした目やにが目元に付着していると、不快感が増すだけでなく、かゆみを誘発することもあります。目やにを取り除く際は、清潔なティッシュやガーゼを湿らせて、優しく拭き取りましょう。この時、目をゴシゴシこすらないように注意してください。水道水には塩素が含まれており、直接目を洗うと刺激になる可能性があるため、目の周りを洗い流す程度に留めるか、防腐剤フリーの人工涙液や洗眼薬を使って洗い流すのがおすすめです。
清潔な手で優しく拭き取ることが、目を傷つけずに目やにを除去するコツです。
目のかゆみや炎症を和らげるコツ
目のかゆみや炎症を和らげるためには、いくつかのコツがあります。まず、目を冷やすことで、かゆみや充血を一時的に抑える効果が期待できます。清潔なタオルを冷水で濡らして軽く絞り、まぶたの上に数分間置くと良いでしょう。 また、花粉症用の市販の目薬を使用するのも一つの方法です。抗アレルギー成分や抗ヒスタミン成分が配合された目薬は、かゆみや炎症を抑えるのに役立ちます。
ただし、目薬を選ぶ際は、薬剤師に相談してご自身の症状に合ったものを選ぶことが重要です。目をこすらないようにすることも、炎症の悪化を防ぐ上で非常に大切です。
コンタクトレンズ使用時の注意点
花粉症の時期にコンタクトレンズを使用している方は、特に注意が必要です。コンタクトレンズの表面には花粉などのアレルゲンが付着しやすく、それが目のアレルギー症状を悪化させる原因となることがあります。 症状が強い場合は、コンタクトレンズの装用を一時的に中止し、メガネに切り替えることを検討しましょう。また、使い捨てコンタクトレンズを使用している場合は、毎日新しいレンズに交換し、清潔を保つことが大切です。
定期交換レンズやハードレンズを使用している場合も、普段以上に丁寧な洗浄とケアを心がけ、少しでも異変を感じたらすぐに眼科医に相談してください。コンタクトレンズの適切な使用方法について、眼科医の指示に従うことが目の健康を守る上で重要です。
日常生活で花粉を避ける工夫
花粉症の症状を和らげるためには、日常生活で花粉との接触をできるだけ避けることが最も効果的な対策です。花粉が多く飛散する時間帯(一般的に午後1時から午後3時頃)や、風の強い日、晴れた日の外出はなるべく控えましょう。 外出する際は、花粉対策用のメガネやゴーグル、マスク、帽子などを着用し、花粉が目や顔に直接付着するのを防ぎます。
衣類も、花粉が付着しにくいツルツルした素材のものを選ぶのがおすすめです。帰宅時には、玄関に入る前に服や髪に付着した花粉をよく払い落とし、すぐに手洗いや洗顔、うがいを行いましょう。室内の清掃もこまめに行い、空気清浄機を活用することも有効です。
専門家による治療法:眼科でのアプローチ

セルフケアだけでは症状が改善しない場合や、症状が重い場合は、眼科での専門的な治療が必要です。眼科では、症状の原因を特定し、患者さん一人ひとりに合った治療法を提案してくれます。
眼科で受けられる検査
眼科を受診すると、まず目の状態を詳しく診察し、必要に応じていくつかの検査が行われます。アレルギー性結膜炎の診断を確定するためには、目やにの中にアレルギー反応で出現する「好酸球」という炎症細胞を見つける検査が確実とされています。 また、何がアレルゲンとなっているかを特定するために、血液検査や皮膚テストでアレルゲンを調べることも可能です。
これらの検査によって、スギやヒノキなどの花粉、ダニ、ハウスダストなど、ご自身のアレルギーの原因となっている物質を特定し、より効果的な対策を立てるための根拠を得られます。
症状に応じた点眼薬の種類と使い方
アレルギー性結膜炎の治療の中心は、点眼薬による薬物療法です。症状の重さや種類に応じて、様々な点眼薬が処方されます。
- 抗アレルギー点眼薬: アレルギー反応の原因となる化学伝達物質の放出を抑えたり、ヒスタミンの働きをブロックしたりすることで、かゆみや充血などの症状を和らげます。副作用が少なく、比較的安全に使えるため、初期治療や予防にも用いられます。
- ステロイド点眼薬: 炎症を強力に抑える作用があり、かゆみや充血が非常に強い場合に処方されます。しかし、眼圧上昇などの副作用のリスクがあるため、医師の指示に従い、定期的な診察を受けながら慎重に使用する必要があります。
- 免疫抑制点眼薬: 重症のアレルギー性結膜炎である春季カタルなど、他の点眼薬で改善が難しい場合に用いられることがあります。特に子供の重症例に効果が期待されます。
- 人工涙液: 目に入った花粉などのアレルゲンを洗い流す目的で使われることがあります。防腐剤フリーのものが推奨されます。
これらの点眼薬は、症状に合わせて適切に使い分けることが重要です。医師の指示通りに正しく使用することで、症状を効果的にコントロールできます。
早期治療(初期療法)の重要性
花粉症の症状が本格的に現れる前から治療を開始する「早期治療(初期療法)」は、症状を軽くし、発症期間を短縮するために非常に有効な方法です。 スギ花粉症であれば、花粉が飛び始める1月下旬から2月上旬頃に抗アレルギー点眼薬の使用を開始することで、花粉飛散量のピーク時の症状を抑えることが期待できます。毎年花粉症に悩まされている方は、症状が出る前に眼科を受診し、早期治療について相談してみましょう。
こんな時は迷わず眼科へ!受診のタイミング

花粉症の症状は個人差が大きく、セルフケアで乗り切れる場合もあれば、専門的な治療が必要な場合もあります。特に以下のような症状が見られる場合は、迷わず眼科を受診することが大切です。
市販薬で改善しない、症状が悪化する場合
市販の目薬やセルフケアを試しても、ネバネバ目やにや目のかゆみ、充血などの症状が改善しない、あるいは悪化していると感じる場合は、眼科を受診するタイミングです。市販薬では対応しきれない強い炎症が起きている可能性や、アレルギー性結膜炎以外の病気が隠れている可能性も考えられます。 症状が長引いたり、日常生活に支障をきたしたりするようであれば、専門医の診断を仰ぐことが賢明な選択です。
強い痛みや視力低下を伴う場合
花粉症によるアレルギー性結膜炎では、通常、強い痛みや視力低下を伴うことは稀です。もし、ネバネバ目やにとともに、目の強い痛み、異物感、まぶしさを感じる、あるいは視界がかすむ、視力が低下したと感じる場合は、角膜に傷がついている可能性や、他の重篤な目の病気が原因である可能性も考えられます。 これらの症状は、放置すると目の健康に深刻な影響を及ぼす恐れがあるため、緊急性の高い症状として、速やかに眼科を受診する必要があります。
子供のネバネバ目やに、春季カタルに注意
子供がネバネバ目やにや強い目のかゆみを訴える場合は、特に注意が必要です。子供に多く見られる重症のアレルギー性結膜炎に「春季カタル」があります。春季カタルは、激しい目のかゆみや白い糸を引くようなネバネバ目やにが特徴で、まぶたの裏に粘膜の盛り上がり(乳頭)が生じることもあります。 放置すると角膜に傷がつき、視力低下を引き起こす可能性もあるため、子供の目の症状に異変を感じたら、早めに眼科を受診することが非常に重要です。
子供の目の症状は大人よりも進行が早い場合があるため、特に注意深く観察しましょう。
よくある質問

- 花粉症の目やには放置しても大丈夫ですか?
- 目やにがひどい時、水道水で目を洗っても良いですか?
- 花粉症の時期にコンタクトレンズは使えますか?
- 目やにが出ない花粉症もありますか?
- 花粉症の目やにに効く市販薬はありますか?
- 目やに以外に花粉症で目がゴロゴロするのはなぜですか?
花粉症の目やには放置しても大丈夫ですか?
花粉症によるネバネバ目やにを放置すると、かゆみで目をこすりすぎてしまい、目の表面を傷つけたり、炎症を悪化させたりする可能性があります。また、症状が長引くことで日常生活に支障をきたすこともあります。症状が軽度であればセルフケアで様子を見ることもできますが、改善しない場合や悪化する場合は、眼科を受診して適切な治療を受けることが大切です。
目やにがひどい時、水道水で目を洗っても良いですか?
目やにがひどい時に水道水で直接目を洗うことは、あまりおすすめできません。水道水には塩素が含まれており、目の粘膜に刺激を与えたり、角膜を傷つけたりする恐れがあるためです。目の周りに付着した花粉を洗い流す程度であれば問題ありませんが、目の中を洗う場合は、防腐剤フリーの人工涙液や洗眼薬を使用するようにしましょう。
花粉症の時期にコンタクトレンズは使えますか?
花粉症の時期は、コンタクトレンズの使用に注意が必要です。レンズの表面に花粉などのアレルゲンが付着しやすく、目のアレルギー症状を悪化させる原因となることがあります。症状が強い場合は、メガネに切り替えることを検討するか、眼科医に相談して適切な装用方法について指示を仰ぎましょう。
目やにが出ない花粉症もありますか?
はい、目やにが出ない花粉症もあります。花粉症の症状は個人差が大きく、目のかゆみや充血、涙目などが主な症状で、目やにはほとんど出ないという方もいます。目やにの有無にかかわらず、目の不快な症状が続く場合は、アレルギー性結膜炎の可能性がありますので、適切な対策を講じることが重要です。
花粉症の目やにに効く市販薬はありますか?
花粉症による目やにや目のかゆみには、抗アレルギー成分や抗ヒスタミン成分が配合された市販の目薬が有効な場合があります。しかし、目やにの性状によっては細菌感染など他の病気が原因である可能性もあるため、市販薬を使用する前に薬剤師に相談し、症状に合ったものを選ぶようにしましょう。症状が改善しない場合は、眼科を受診してください。
目やに以外に花粉症で目がゴロゴロするのはなぜですか?
花粉症で目がゴロゴロする異物感は、アレルギー反応によって目の粘膜(結膜)に炎症が起き、むくんだり、小さなブツブツ(乳頭)ができたりすることが原因です。 また、目に入った花粉そのものが異物感を引き起こすこともあります。目をこするとさらに刺激となり、症状が悪化する可能性があるため、こすらないように注意しましょう。
まとめ
- 花粉症によるネバネバ目やには、アレルギー性結膜炎の典型的な症状の一つです。
- ネバネバ目やには、アレルギー反応で目の粘膜から分泌される粘液が原因です。
- 目のかゆみ、充血、涙目、異物感なども花粉症でよく見られる症状です。
- 黄色や緑色のドロドロした目やには細菌感染の可能性があり、注意が必要です。
- 片目だけの強い症状や痛み、視力低下を伴う場合は、速やかに眼科を受診しましょう。
- 目やにを取り除く際は、清潔なティッシュやガーゼで優しく拭き取ることが大切です。
- 水道水で直接目を洗うのは避け、防腐剤フリーの人工涙液や洗眼薬を使いましょう。
- 目を冷やすことで、かゆみや炎症を一時的に和らげることができます。
- 花粉症の時期は、コンタクトレンズの使用を控え、メガネに切り替えるのがおすすめです。
- 外出時の花粉対策(メガネ、マスク、帽子など)や、帰宅時の手洗い・洗顔を徹底しましょう。
- 眼科では、アレルゲン検査や症状に応じた点眼薬(抗アレルギー薬、ステロイド薬など)が処方されます。
- 花粉が飛び始める前の早期治療(初期療法)は、症状を軽くするのに有効です。
- 子供のネバネバ目やにには、重症のアレルギー性結膜炎である春季カタルの可能性も考慮し、早めの受診が重要です。
- 市販薬で改善しない場合や症状が悪化する場合は、迷わず眼科を受診しましょう。
