「むせるような咳」が止まらず、日常生活に支障をきたしていませんか?特に夜中に咳き込んで眠れなかったり、会議中に咳が出て困ったりすることは、本当につらいものです。市販薬で何とかしたいけれど、種類が多くてどれを選べば良いか分からないという方も多いでしょう。本記事では、むせるような咳の原因から、症状に合わせた市販薬の選び方、正しい服用方法、そして病院を受診すべき目安まで、詳しく解説します。
あなたのつらい咳の悩みを解決し、快適な毎日を取り戻すための助けとなれば幸いです。
むせるような咳とは?その特徴と主な原因

むせるような咳は、その名の通り、喉の奥が刺激されて息が詰まるような感覚を伴う咳を指します。このタイプの咳は、乾いた咳(空咳)であることが多いですが、時には痰が絡んでいるにもかかわらずうまく排出できずにむせてしまうこともあります。まずは、ご自身の咳がどのようなタイプかを見極めることが、適切な市販薬選びの第一歩となります。
乾いた咳と湿った咳の違い
咳は大きく分けて「乾いた咳(乾性咳嗽)」と「湿った咳(湿性咳嗽)」の2種類があります。乾いた咳は「コンコン」「ケンケン」といった音で、痰がほとんど出ないのが特徴です。喉のイガイガ感やヒリヒリ感を伴うことも少なくありません。一方、湿った咳は「ゴホゴホ」「ゲホゲホ」といった音で、痰が絡むのが特徴です。むせるような咳は、この乾いた咳に分類されることが多いですが、粘り気の強い痰が喉にへばりついて排出されにくい場合に、湿った咳でもむせることがあります。
ご自身の咳がどちらのタイプかを確認することが、薬を選ぶ上で非常に重要です。
むせるような咳の主な原因
むせるような咳の原因は多岐にわたります。最も一般的なのは風邪の引き始めや治りかけ、あるいは空気の乾燥による喉の刺激です。アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎による後鼻漏(鼻水が喉に垂れ込むこと)も、喉を刺激してむせるような咳を引き起こすことがあります。また、花粉やハウスダストなどのアレルギー、タバコの煙や刺激物の吸入も原因となります。
さらに、咳喘息や気管支喘息、胃食道逆流症、特定の薬剤の副作用(薬剤性咳嗽)など、風邪以外の病気が隠れている可能性も考えられます。
むせるような咳に効果的な市販薬の選び方

むせるような咳に悩むとき、市販薬は一時的な症状緩和に役立ちます。しかし、数多くの種類があるため、どれを選べば良いか迷ってしまうかもしれません。大切なのは、ご自身の咳のタイプや原因に合わせた成分を選ぶことです。ここでは、症状別に効果的な市販薬の選び方と、含まれる主な有効成分について解説します。
症状別に見る有効成分
市販の咳止め薬には、さまざまな有効成分が配合されています。それぞれの成分が異なる働きをするため、ご自身の症状に合ったものを選ぶことが大切です。
咳を鎮める「鎮咳成分」
鎮咳成分は、脳にある咳中枢に作用して咳の反射を抑えることで、つらい咳を鎮めます。乾いた咳や痰の少ない咳に特に効果的です。代表的な成分としては、非麻薬性のデキストロメトルファンやノスカピン、そして麻薬性のコデインリン酸塩やジヒドロコデインリン酸塩があります。デキストロメトルファンは比較的安全性が高く、眠気の副作用も少ないため、乾いた咳に適しています。
気管支を広げる「気管支拡張成分」
気管支拡張成分は、狭くなった気管支を広げることで呼吸を楽にし、咳を鎮める働きがあります。ゼーゼー、ヒューヒューといった喘鳴(ぜんめい)を伴う咳や、気管支喘息の疑いがある咳に有効です。メトキシフェナミンなどがこの成分に該当します。
炎症を抑える「抗炎症成分」
喉の炎症が原因でむせるような咳が出ている場合には、抗炎症成分が配合された薬が役立ちます。トラネキサム酸やグリチルリチン酸などが代表的で、喉の痛みや腫れを和らげ、咳の発生を抑える効果が期待できます。
痰を出しやすくする「去痰成分」
むせるような咳でも、実は粘り気の強い痰が喉に絡んで排出されにくいことが原因の場合があります。このような時には、痰をサラサラにして出しやすくする去痰成分が有効です。カルボシステインやブロムヘキシン塩酸塩などが代表的な成分です。痰が絡む咳に鎮咳成分だけを使うと、痰の排出が妨げられ、かえって症状が悪化する可能性があるので注意が必要です。
漢方薬という選択肢
西洋薬とは異なるアプローチで咳に作用する漢方薬も、むせるような咳の選択肢の一つです。例えば、空咳や痰が切れにくい咳、喉の乾燥感が強い場合には「麦門冬湯(ばくもんどうとう)」がよく用いられます。また、顔を赤くして激しく咳き込むような場合には「五虎湯(ごことう)」が検討されます。漢方薬は体質や症状に合わせて選ぶことが重要なので、薬剤師に相談することをおすすめします。
眠くなりにくい市販薬の選び方
仕事中や運転中に咳止めを服用したい場合、眠気が気になることがあります。多くの咳止め薬には、眠気を誘発する抗ヒスタミン成分や鎮咳成分(特にコデイン系)が含まれているためです。眠くなりにくい薬を選びたい場合は、デキストロメトルファン単剤の咳止めや、抗ヒスタミン成分を含まない漢方薬、あるいは生薬成分が主体ののど薬(例:龍角散ダイレクト)などを検討すると良いでしょう。
子供のむせるような咳に使える市販薬
子供の咳には、大人とは異なる注意が必要です。特に12歳未満の小児には、コデインリン酸塩やジヒドロコデインリン酸塩などのコデイン類を含む咳止め薬は使用できません。 これは、重篤な呼吸抑制を引き起こす可能性があるためです。子供用の市販薬を選ぶ際は、年齢制限を必ず確認し、コデイン類を含まないデキストロメトルファン配合薬や、漢方薬、あるいは子供向けのシロップやゼリータイプの薬を選ぶようにしましょう。
迷った場合は、必ず薬剤師や医師に相談してください。
おすすめの市販薬【症状別】

むせるような咳の症状は人それぞれです。ここでは、具体的な症状のタイプに合わせたおすすめの市販薬をいくつかご紹介します。ご自身の症状と照らし合わせながら、最適な薬を見つける参考にしてください。
乾いたむせる咳におすすめの市販薬
痰が絡まない「コンコン」という乾いた咳でむせる場合、咳中枢に作用して咳を鎮める成分が効果的です。
- メジコンせき止め錠Pro:医療用と同成分・同量のデキストロメトルファンを配合しており、非麻薬性で依存性が少なく、乾いた咳によく効きます。眠気も比較的少ないとされています。
- 新コンタックせき止めダブル持続性:デキストロメトルファンと気管支拡張成分が配合されており、つらい乾いた咳を抑え、呼吸を楽にする効果が期待できます。
- アネトンせき止め錠:ジヒドロコデインリン酸塩を主成分とし、強力な鎮咳作用が特徴です。ただし、眠気や便秘の副作用が出やすく、12歳未満の小児には使用できません。
痰が絡むむせる咳におすすめの市販薬
痰が絡んでいるのにうまく出せずにむせてしまう「ゴホゴホ」という咳には、去痰成分が配合された薬が適しています。
- ストナ去たんカプセル:2種類の去痰成分(L-カルボシステイン、ブロムヘキシン塩酸塩)を配合し、痰をサラサラにして出しやすくします。
- エスエスブロン錠エース:ジヒドロコデインリン酸塩と去痰成分(L-カルボシステイン)が配合されており、咳を鎮めつつ痰の排出も助けます。
アレルギー性のむせる咳におすすめの市販薬
花粉やハウスダストなどによるアレルギーが原因でむせるような咳が出る場合は、抗ヒスタミン成分や抗炎症成分が配合された薬、または漢方薬が選択肢となります。
- クラシエ漢方五虎湯エキス顆粒A:顔を赤くしてせきこむような、喘息様の咳に効果が期待できます。
- 龍角散ダイレクト:生薬成分がのど粘膜に直接作用し、線毛運動を正常に保ち、のどの異物排出を促進します。眠くなる成分は配合されていません。
市販薬を使う際の注意点と正しい服用方法
市販薬は手軽に購入できますが、正しく使用しないと効果が得られなかったり、思わぬ副作用が出たりする可能性があります。安全かつ効果的に薬を使うために、以下の点に注意しましょう。
服用上の注意と副作用
市販の咳止め薬には、眠気、めまい、口の渇き、便秘などの副作用が出ることがあります。特にコデイン系の成分は眠気を誘発しやすいため、服用後は自動車の運転や機械の操作は避けるべきです。 また、用法・用量を守り、漫然と長期連用することは避けましょう。薬によっては、喘息の人が服用すると痰が出にくくなって呼吸困難を起こすこともあるため、持病がある場合は薬剤師に相談することが大切です。
少しでも不安や疑問があれば、購入前に薬剤師に相談するようにしてください。
他の薬との併用について
複数の市販薬を同時に服用する際は注意が必要です。特に総合感冒薬には、咳止め成分や抗ヒスタミン成分など、市販の咳止め薬と重複する成分が含まれていることがあります。成分が重複すると、過剰摂取となり副作用のリスクが高まります。また、高血圧の薬(ACE阻害剤)など、特定の処方薬との飲み合わせが悪い市販薬もあります。
現在服用している薬がある場合は、必ず薬剤師に相談し、飲み合わせを確認しましょう。
むせるような咳で病院を受診すべき目安

市販薬で様子を見ることも大切ですが、症状によっては早めに医療機関を受診する必要があります。以下の症状が見られる場合は、自己判断せずに医師の診察を受けましょう。
市販薬で改善しない場合
適切な市販薬を数日~1週間試しても咳が全く良くならない、あるいは悪化している場合は、別の原因疾患が隠れている可能性があります。特に、咳が2~3週間以上長引く場合は、風邪以外の病気が原因である可能性が高まります。結核などの感染症、咳喘息、アトピー咳嗽、慢性気管支炎、胃食道逆流症など、専門的な診断と治療が必要な病気が考えられます。
緊急性の高い危険な症状
以下の症状がある場合は、緊急性が高いため、迷わず呼吸器内科などの専門医を受診してください。
- 呼吸が苦しい、ゼーゼー、ヒューヒューと喘鳴がある
- 咳をすると胸やわき腹が痛む
- 痰に血が混じっている(血痰)
- 38℃以上の高熱が数日経っても下がらない、悪寒を伴う、全身の倦怠感が強い
- 顔色が悪い、唇が紫色になっている
これらの症状は、肺炎、気管支喘息の悪化、肺がんなど、重大な疾患のサインである可能性があります。早期の受診が、病気の早期発見と適切な治療につながります。
薬剤性の咳の可能性
新しい薬を飲み始めてからむせるような乾いた咳が続くようになった場合は、「薬剤性咳嗽」の可能性があります。高血圧治療薬の一部(ACE阻害剤)などが原因となることが知られています。 薬の副作用による咳は、原因となる薬を中止することで改善することが多いため、心当たりのある場合は、自己判断で薬を中止せず、必ず処方医や薬剤師に相談しましょう。
むせるような咳を和らげる日常生活のコツ

市販薬の服用と合わせて、日常生活でできる工夫を取り入れることで、むせるような咳の症状を和らげることができます。薬だけに頼らず、体への負担を減らすことも大切です。
乾燥対策と加湿
空気が乾燥していると、喉の粘膜が乾燥し、咳が出やすくなります。特に冬場やエアコンを使用する際は、加湿器を使って室内の湿度を50~60%に保つように心がけましょう。濡れタオルを室内に干したり、マスクを着用したりするのも効果的です。喉の乾燥を防ぐことは、むせるような咳の予防と緩和に繋がります。
喉を刺激しない工夫
冷たい空気や刺激物は、喉を刺激して咳を誘発することがあります。外出時にはマフラーやマスクで喉を保護し、冷たい飲み物や刺激の強い食べ物は避けるようにしましょう。また、こまめに水分補給を行い、喉を潤すことも大切です。うがい薬で喉を清潔に保つのも良い方法です。
禁煙と受動喫煙の回避
タバコの煙は、喉や気管支を強く刺激し、慢性的な咳の原因となります。喫煙している場合は禁煙を検討し、喫煙しない方も受動喫煙を避けるようにしましょう。煙のない環境を整えることは、咳の症状を改善するために非常に重要です。
よくある質問

むせるような咳に関するよくある質問とその回答をまとめました。
- むせるような咳に効く市販薬は?
- むせるような咳が止まらない時はどうすればいいですか?
- むせるような咳はどんな病気が考えられますか?
- むせるような咳に効く漢方薬は?
- むせるような咳で病院に行く目安は?
- むせるような咳で眠れない時の対処法は?
- むせるような咳に効く食べ物は?
- むせるような咳、コロナの可能性は?
- むせるような咳、子供の場合の市販薬は?
- むせるような咳、乾燥が原因?
むせるような咳に効く市販薬は?
むせるような咳には、咳中枢に作用する鎮咳成分(デキストロメトルファンなど)や、喉の炎症を抑える抗炎症成分、気管支を広げる成分などが配合された市販薬が効果的です。痰が絡む場合は去痰成分も重要です。
むせるような咳が止まらない時はどうすればいいですか?
まずは咳のタイプ(乾いた咳か湿った咳か)を見極め、それに合った市販薬を試しましょう。加湿や水分補給、喉を温めるなどの対策も有効です。数日~1週間市販薬を試しても改善しない場合は、医療機関を受診してください。
むせるような咳はどんな病気が考えられますか?
風邪、アレルギー、後鼻漏、咳喘息、気管支喘息、胃食道逆流症、薬剤性咳嗽などが考えられます。長引く咳や他の症状を伴う場合は、より重篤な病気の可能性もあるため、医師の診察が必要です。
むせるような咳に効く漢方薬は?
乾いた咳や痰が切れにくい咳には「麦門冬湯」、激しい咳には「五虎湯」などが一般的に用いられます。体質や症状によって適した漢方薬が異なるため、薬剤師に相談して選ぶのが良いでしょう。
むせるような咳で病院に行く目安は?
咳が2~3週間以上続く場合、市販薬を数日~1週間試しても改善しない場合、呼吸が苦しい、喘鳴がある、胸痛、血痰、高熱などの症状がある場合は、すぐに医療機関を受診してください。
むせるような咳で眠れない時の対処法は?
就寝前に加湿器を使用したり、枕元に濡れタオルを置いたりして湿度を保ちましょう。体を温め、カフェインやアルコールを控えることも大切です。眠くなりにくい咳止めを選ぶか、医師に相談して処方薬を検討するのも一つの方法です。
むせるような咳に効く食べ物は?
喉を潤す効果のあるはちみつ、大根、梨などが良いとされます。温かい飲み物(ハーブティーなど)も喉の刺激を和らげます。刺激物や冷たい食べ物は避けましょう。
むせるような咳、コロナの可能性は?
新型コロナウイルス感染症の症状の一つとして、むせるような咳が出ることがあります。発熱や倦怠感、味覚・嗅覚異常など他の症状も伴う場合は、医療機関に相談し、検査を検討してください。
むせるような咳、子供の場合の市販薬は?
12歳未満の子供には、コデイン類を含まない市販薬を選びましょう。デキストロメトルファン配合薬や、子供向けの漢方薬、シロップ、ゼリータイプなどがあります。必ず年齢制限を確認し、薬剤師に相談してください。
むせるような咳、乾燥が原因?
はい、乾燥はむせるような咳の一般的な原因の一つです。喉の粘膜が乾燥すると刺激に敏感になり、咳が出やすくなります。加湿器の使用やこまめな水分補給で、喉を潤すことが大切です。
まとめ
- むせるような咳は乾いた咳が多いが痰が絡む場合もある
- 咳のタイプを見極めて市販薬を選ぶのが重要
- 鎮咳成分は咳中枢に作用し咳を鎮める
- デキストロメトルファンは非麻薬性で眠気が少ない
- コデイン系は強力だが眠気や便秘に注意が必要
- 気管支拡張成分は喘鳴を伴う咳に有効
- 抗炎症成分は喉の炎症を和らげる
- 去痰成分は痰をサラサラにして排出を助ける
- 漢方薬は体質や症状に合わせて選ぶ
- 麦門冬湯は乾いた咳や痰が切れにくい咳に
- 五虎湯は激しい咳に効果が期待できる
- 眠くなりにくい薬はデキストロメトルファン単剤や漢方薬
- 12歳未満の子供にはコデイン類は使用禁止
- 市販薬の用法・用量を守り長期連用は避ける
- 他の薬との併用は薬剤師に相談する
- 2~3週間以上続く咳は医療機関を受診する
- 呼吸困難や血痰など緊急性の高い症状はすぐに受診
- 薬剤性咳嗽の可能性も考慮する
- 加湿や水分補給で喉の乾燥を防ぐ
- タバコの煙など喉への刺激を避ける
