皇室を支えるという、他に類を見ない特別な使命を持つ宮内庁。その職員になることは、多くの人にとって憧れであり、同時に「どうすればなれるのだろう?」という疑問を抱くことでしょう。
本記事では、宮内庁職員になるための採用ルートから、具体的な仕事内容、試験の進め方、そしてやりがいや待遇に至るまで、皆さんが知りたい情報を分かりやすく解説します。皇室の伝統と文化を守り、国民との橋渡し役を担う宮内庁の仕事に興味がある方は、ぜひ最後までお読みください。
宮内庁職員になるための主な採用ルート

宮内庁の職員は、国家公務員として採用されます。その採用ルートはいくつかありますが、主に国家公務員試験を通じた採用が中心です。それぞれのルートについて詳しく見ていきましょう。
国家公務員試験を通じた採用
宮内庁職員を目指す上で最も一般的なのが、人事院が実施する国家公務員採用試験に合格し、その後に宮内庁の官庁訪問を経て内定を得る方法です。これは、他の省庁への就職と同様の進め方となります。特に国家公務員一般職試験(大卒程度試験・高卒者試験)からの採用が主要なルートです。
- 国家公務員総合職試験: 将来的に幹部候補となる人材を対象とした試験です。高い専門性と政策立案能力が求められます。
- 国家公務員一般職試験: 事務処理能力や基礎的な知識を問われる試験で、大卒程度と高卒者試験があります。宮内庁では、この一般職からの採用が例年15人前後と多くを占めています。
試験合格後には、宮内庁への官庁訪問を通じて業務説明会に参加し、面接を受けることになります。宮内庁は、皇室と国民の間で皇室の活動が滞りなく進められるよう、社会や人々の動きに関する洞察力・感受性、日本の歴史や伝統への深い興味や理解、そして積極性を兼ね備えた人材を求めています。
皇宮護衛官採用試験
皇宮護衛官は、天皇皇后両陛下や皇族の方々の護衛、皇居や御所の警備を専門に行う職種です。この職種は、国家公務員採用試験とは別に、皇宮護衛官採用試験に合格する必要があります。体力や精神力はもちろんのこと、高い規律と責任感が求められる仕事です。
任期付職員・非常勤職員など
宮内庁では、特定の専門業務や期間を定めた業務のために、任期付職員や非常勤職員を募集することもあります。 例えば、自動車整備士や自動車運転及び管理の技能職員、正倉院事務所での修補業務職員などの募集実績があります。 これらの職種は、特定のスキルや経験を持つ方にとって、宮内庁での仕事に携わる貴重な機会となるでしょう。
宮内庁職員の仕事内容と職種の種類

宮内庁の仕事は、天皇皇后両陛下や皇族の方々に関わる事務をはじめ、宮中における儀式や行事、皇室用財産や陵墓の管理など、非常に多岐にわたります。 職員は大きく分けて特別職と一般職がおり、一般職はさらに事務職、技術職、専門職、皇宮護衛官などに分類されます。
事務職の主な仕事内容
事務職は、宮内庁の組織運営を支える幅広い業務を担当します。具体的には、長官官房における人事、会計、広報、報道に関する事務、皇室の儀式や行事に関する企画・運営、国内外へのお出ましに関する調整などがあります。 また、天皇陛下や皇族の方々のお身近なことを担当する侍従職や皇嗣職の事務も含まれます。 皇室の活動が円滑に進むよう、細やかな配慮と高い事務処理能力が求められる仕事です。
事務職の中には、皇室の歴史や文化に関する記録を編纂する書陵部や、皇居や御用邸などの施設管理を行う管理部など、専門性の高い部署もあります。 他の省庁からの出向者も多く、宮内庁長官をはじめとする上級ポストの一部は、他の省庁からの出向者が就くことが慣例となっています。
技術職・専門職の主な仕事内容
技術職や専門職は、それぞれの専門知識を活かして皇室の活動を支えます。例えば、皇居や御用邸などの建物や庭園の維持管理を行う技術系の職員、皇室の健康を支える医務主管や侍医などの医療系の職員がいます。 また、正倉院の宝物や陵墓の管理、御料牧場の運営など、特定の分野で専門的な知識やスキルが求められる仕事も存在します。
これらの職種は、皇室の伝統と文化を継承し、貴重な財産を守る上で不可欠な役割を担っています。
皇宮護衛官の主な仕事内容
皇宮護衛官は、皇室の安全と尊厳を守るという重要な使命を負っています。天皇皇后両陛下や皇族の方々の外出時の警護、皇居や御所、御用邸などの施設の警備、不審者の侵入防止、交通整理などが主な業務です。 皇宮護衛官は、常に高い緊張感の中で職務にあたり、皇室の平和と安全を確保するために日夜尽力しています。身体能力だけでなく、状況判断力や冷静な対応力も不可欠な仕事です。
宮内庁職員採用試験の具体的な進め方と対策

宮内庁職員になるための採用試験は、国家公務員試験の一部として実施されます。具体的な試験内容や選考基準を理解し、計画的に対策を進めることが大切です。
試験内容と選考基準
宮内庁職員の採用は、主に国家公務員一般職試験(大卒程度・高卒者)の合格者の中から行われます。 試験は、筆記試験(教養試験、専門試験)と人物試験(面接、集団討論など)が中心です。筆記試験では、幅広い知識と論理的思考力が問われます。人物試験では、皇室への敬愛、高い倫理観、責任感、協調性、コミュニケーション能力などが重視されます。
宮内庁は、皇室と国民の橋渡し役として、社会の動きや人々の心に対する洞察力と感受性、日本の歴史・伝統への強い関心と深い理解、そして個々の事務実施における新鮮な発想と細かい配慮を心がける積極性を身につけた人材を求めています。 これらの資質は、面接や官庁訪問を通じて評価されることになります。
効果的な試験対策のコツ
宮内庁職員採用試験の対策としては、まず国家公務員一般職試験の過去問を徹底的に解き、出題傾向と時間配分を把握することが重要です。教養試験では時事問題や一般知識も出題されるため、日頃からニュースに関心を持ち、幅広い分野の知識を身につけるようにしましょう。
専門試験では、自身の専攻分野に関する深い理解が求められます。また、面接対策としては、宮内庁の役割や皇室に関する知識を深め、自身の志望動機や宮内庁でどのように貢献したいかを明確に伝える練習を重ねることが大切です。 業務説明会や機関訪問には積極的に参加し、職員の方々と交流することで、宮内庁の雰囲気や求められる人物像を肌で感じることも、面接でのアピールに繋がります。
宮内庁職員に求められる人物像とやりがい

宮内庁の職員には、他の省庁とは異なる特別な資質が求められます。皇室を支えるという崇高な使命感と、その仕事から得られる深いやりがいについて見ていきましょう。
皇室への敬愛と高い倫理観
宮内庁職員として最も重要視されるのは、天皇皇后両陛下や皇族の方々への深い敬愛の念と、極めて高い倫理観です。皇室の伝統と尊厳を守り、その活動を陰で支えるという責任感は、他の仕事では得られないものです。職員は、常に皇室の立場を理解し、細心の注意を払って職務にあたる必要があります。公務員としての職務を全うするだけでなく、皇室の存在意義を深く理解し、その維持発展に貢献したいという強い意志が求められます。
また、宮内庁の仕事は、皇室のプライベートな部分にも関わるため、守秘義務の徹底や、公私の区別を明確にする姿勢も不可欠です。職員一人ひとりが、皇室への奉仕者としての自覚を持ち、誠実に行動することが期待されます。
仕事のやりがいと社会貢献
宮内庁職員の仕事は、日本の歴史と文化の中心である皇室を支えるという、非常に大きなやりがいがあります。国民に寄り添い、皇室と国民の橋渡し役となることで、社会に貢献しているという実感を得られるでしょう。
宮中行事の準備や、国内外へのご訪問の調整、皇室用財産の管理など、多岐にわたる業務を通じて、日本の伝統文化の継承に直接関わることができます。また、職員の雰囲気は穏やかで、緑豊かな職場環境も魅力の一つです。 皇室という特別な存在を支えることで得られる経験は、個人の成長にとってもかけがえのないものとなるはずです。
宮内庁職員の給与・待遇と福利厚生

宮内庁職員は国家公務員であるため、その給与や待遇、福利厚生は国家公務員制度に準じます。安定した生活基盤と充実した福利厚生が期待できるでしょう。
国家公務員としての給与体系
宮内庁職員の給与は、国家公務員の給与体系に基づいて支給されます。基本給に加えて、地域手当、扶養手当、住居手当、通勤手当、期末・勤勉手当(ボーナス)などが支給されます。 例えば、東京23区勤務の場合、本給の20%の地域手当がつくことがあります。 初任給は職種や学歴によって異なりますが、侍従職の初任給は約19万円とされています。
年収は等級によって大きく異なり、経験を積むことで昇給し、最終的には1000万円を超えることも可能です。
昇進のペースは比較的ゆっくりですが、安定した昇給制度が確立されています。 ただし、課長級以上の幹部には他省庁からの出向者が多いという声もあります。
充実した福利厚生
国家公務員である宮内庁職員は、充実した福利厚生を受けることができます。健康保険や年金制度はもちろんのこと、職員宿舎の利用、財形貯蓄制度、各種研修制度などが整備されています。 また、ワークライフバランスを重視した取り組みも進められており、育児休暇や介護休暇などの制度も利用可能です。
皇居や赤坂御用地といった歴史ある場所で勤務できることも、宮内庁職員ならではの魅力と言えるでしょう。 安定した環境で、日本の伝統と文化に触れながら仕事ができることは、大きなメリットです。
よくある質問

- 宮内庁の職員になるにはどうすればいいですか?
- 宮内庁の採用試験の難易度は?
- 宮内庁の職員の給料はいくらですか?
- 宮内庁の職員は何人いますか?
- 宮内庁の仕事内容は?
- 宮内庁の職員の学歴は?
- 宮内庁の職員の年齢制限は?
- 宮内庁の職員はどこに住む?
- 宮内庁の職員は公務員ですか?
- 宮内庁の職員はどんな人が多い?
宮内庁の職員になるにはどうすればいいですか?
宮内庁の職員になるには、主に国家公務員採用一般職試験(大卒程度試験・高卒者試験)に合格し、その後、宮内庁の官庁訪問を通じて内定を得るのが主要な方法です。 皇宮護衛官を目指す場合は、皇宮護衛官採用試験に合格する必要があります。
宮内庁の採用試験の難易度は?
宮内庁の採用試験は、国家公務員試験の一部として行われるため、一定の難易度があります。特に一般職試験からの採用は倍率も高く、筆記試験と人物試験の両方で高い評価を得る必要があります。
宮内庁の職員の給料はいくらですか?
宮内庁の職員の給料は、国家公務員の給与体系に準じます。初任給は職種や学歴によりますが、侍従職の初任給は約19万円です。 経験を積むことで昇給し、年収1000万円を超えることも可能です。
宮内庁の職員は何人いますか?
宮内庁の職員数は、平成30年末現在で1,027人(特別職・一般職含む)とされています。 一般職は約985人です。
宮内庁の仕事内容は?
宮内庁の仕事内容は、天皇皇后両陛下・皇族の方々に関わる事務、宮中における儀式や行事、皇室用財産や陵墓の管理など、非常に多岐にわたります。 事務職、技術職、専門職、皇宮護衛官など様々な職種があります。
宮内庁の職員の学歴は?
宮内庁の職員の採用は、国家公務員一般職試験(大卒程度試験・高卒者試験)を通じて行われるため、大卒や高卒の学歴を持つ方が多く採用されています。 幹部職員には他省庁からの出向者も多く、様々な学歴の職員がいます。
宮内庁の職員の年齢制限は?
国家公務員採用試験には年齢制限があります。一般職大卒程度試験は21歳以上30歳未満、高卒者試験は17歳以上21歳未満が目安です。具体的な年齢制限は、人事院の試験案内で確認が必要です。
宮内庁の職員はどこに住む?
宮内庁職員の勤務地は主に皇居及び赤坂御用地です。 転勤は稀に京都事務所、正倉院事務所(奈良)、御料牧場(栃木)などへの数年単位の転勤があります。 職員宿舎の利用も可能です。
宮内庁の職員は公務員ですか?
はい、宮内庁の職員は国家公務員に区分されます。 特別職と一般職があり、給与体系や福利厚生は国家公務員制度に準じます。
宮内庁の職員はどんな人が多い?
宮内庁の職員には、皇室への深い敬愛と、日本の歴史・伝統への強い関心を持つ人が多いです。 社会や人々の動きに対する洞察力や感受性、そして細やかな配慮を心がける積極性を持った人材が求められています。
まとめ
- 宮内庁職員は国家公務員として採用される。
- 主な採用ルートは国家公務員一般職試験(大卒程度・高卒者)の合格。
- 皇宮護衛官は専門の採用試験がある。
- 任期付・非常勤職員の募集もある。
- 仕事内容は皇室関係事務、儀式、施設管理など多岐にわたる。
- 事務職、技術職、専門職、皇宮護衛官などの職種がある。
- 皇室への敬愛と高い倫理観が最も重視される。
- 社会貢献と日本の伝統文化継承にやりがいを感じられる。
- 給与は国家公務員体系に準じ、安定している。
- 充実した福利厚生が提供される。
- 採用試験は筆記と人物試験が中心。
- 過去問対策と面接練習が重要。
- 宮内庁の役割や皇室に関する知識を深めることが大切。
- 職員数は約1,000人規模。
- 勤務地は主に皇居や赤坂御用地。
- 年齢制限は国家公務員試験の規定に準じる。
