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葛餅の「くず」とは?本葛と小麦澱粉の違いを徹底解説

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葛餅の「くず」とは?本葛と小麦澱粉の違いを徹底解説
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葛餅と聞くと、透明でプルプルとした食感を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。しかし、実は「葛餅」には二つの異なる種類があり、それぞれに使われている「くず」の正体も違います。本記事では、この奥深い葛餅の「くず」について、その秘密を徹底的に解説します。

目次

葛餅の「くず」の正体を知る!本葛と小麦澱粉の二つの顔

葛餅の「くず」の正体を知る!本葛と小麦澱粉の二つの顔

葛餅に使われる「くず」には、大きく分けて二つの種類があります。一つは、植物の葛の根から採れる「本葛(ほんくず)」、もう一つは、小麦粉から作られる「小麦澱粉(こむぎでんぷん)」です。この二つの「くず」が、それぞれ異なる葛餅を生み出しています。

本葛(ほんくず)とは?葛の根から生まれる伝統の味

本葛は、マメ科のつる性多年草である「クズ」という植物の根から抽出されるデンプンを指します。特に奈良県の吉野地方で生産される「吉野本葛」は、その品質の高さで全国的に知られています。 本葛を使った葛餅は、透明感があり、なめらかで上品な口当たりが特徴です。

本葛の原料となる「クズ」という植物

「クズ」は、日本全国の山野に自生する植物で、その根は古くから食用や薬用として利用されてきました。 奈良県の吉野地方に住んでいた「国栖人(くずびと)」が、この葛から葛粉を作り、販売していたことが「葛」という名前の由来になったとも言われています。 クズの根は非常に大きく、そこからわずかな量のデンプンしか採れないため、本葛は貴重な食材とされています。

職人の技が光る本葛の製造進め方

本葛の製造は、非常に手間と時間のかかる進め方です。まず、冬の寒い時期にクズの根を掘り起こし、細かく砕きます。次に、清らかな地下水を使って何度も洗い、デンプンを抽出します。この際、不純物を取り除くために、沈殿と水の入れ替えを繰り返し行います。 この伝統的な製法は「吉野晒(よしのざらし)製法」と呼ばれ、数ヶ月かけて純度の高い本葛粉が作られます。

職人の丁寧な手作業によって、本葛ならではの品質が保たれているのです。

本葛がもたらす葛餅の食感と透明感

本葛を原料とする葛餅は、加熱すると美しい透明感と、独特のプルプルとした弾力のある食感を生み出します。 口に入れると、なめらかにとろけるような舌触りで、上品な甘さが広がります。 この涼しげな見た目と繊細な味わいから、特に夏の和菓子として親しまれています。

関東風葛餅に使われる「小麦澱粉」とは?

一方、関東地方で「くず餅」として親しまれているものは、小麦粉から作られる「小麦澱粉」を発酵させて製造されます。 関西の葛餅とは異なり、原材料に葛粉は含まれていません。 この小麦澱粉を使った葛餅は、乳白色で独特の風味と歯ごたえが特徴です。

小麦澱粉が葛餅に使われるようになった背景

関東のくず餅は、江戸時代後期に誕生したと言われています。 当時、小麦の生産が盛んだった地域で、小麦粉から作られたおやつが「くず餅」として売り出されました。 特に、現在の東京都区部東部を含む葛飾郡(下総国)の「葛」に由来し、関西の葛餅と区別するために「久寿餅」の字が当てられたという説もあります。 庶民の甘味として長く愛されてきた歴史があります。

関東風葛餅ならではの独特な風味と弾力

関東風のくず餅は、小麦澱粉を乳酸菌で発酵させるという独特の製法で作られます。 この発酵進め方によって、乳白色の見た目と、ぷるんと弾けるような歯切れの良い食感が生まれます。 また、ヨーグルトにも似たほのかな酸味があり、これが関東風くず餅ならではの個性的な風味となっています。 和菓子で唯一の発酵食品とも言われ、その独特の味わいが多くの人を魅了しています。

本葛餅と関東風葛餅、それぞれの魅力と見分け方

本葛餅と関東風葛餅、それぞれの魅力と見分け方

本葛を使った葛餅と、小麦澱粉を使った関東風葛餅は、どちらも「くずもち」と呼ばれますが、その魅力は大きく異なります。それぞれの特徴を知ることで、より深く葛餅の世界を楽しめるでしょう。

口の中でとろける本葛餅の繊細な味わい

本葛餅は、その名の通り本葛粉を主原料としているため、非常になめらかで、口の中でとろけるような繊細な食感が特徴です。 透明感のある見た目は涼やかで、夏の暑い日にぴったりのお菓子と言えます。 黒蜜ときな粉をかけていただくことで、葛本来のほのかな風味と甘さが引き立ち、上品な味わいを堪能できます。

独特の歯ごたえが楽しい関東風葛餅の魅力

一方、関東風葛餅は、小麦澱粉を発酵させて作られるため、ぷるんと弾力があり、独特の歯ごたえが楽しめます。 乳白色の見た目と、発酵によるほのかな酸味が特徴で、関西の葛餅とは全く異なる個性を持っています。 船橋屋などの老舗が有名で、その独特の風味は一度食べたら忘れられない魅力があります。

どちらの葛餅も美味しい!選び方のコツ

本葛餅と関東風葛餅は、どちらもそれぞれの魅力を持つ美味しい和菓子です。どちらを選ぶかは、個人の好みによるところが大きいでしょう。透明感のある上品な口当たりを求めるなら本葛餅独特の弾力と発酵風味を楽しみたいなら関東風葛餅がおすすめです。

最近では、スーパーなどで手軽に購入できるものから、専門店の上質なものまで、様々な葛餅が販売されています。 食べ比べをして、お好みの「くずもち」を見つけるのも楽しいでしょう。

葛餅だけじゃない!「くず」が活躍する様々な場面

葛餅だけじゃない!「くず」が活躍する様々な場面

葛のデンプンである「葛粉」は、葛餅だけでなく、日本の食文化において様々な形で活用されています。その用途は和菓子にとどまらず、料理や健康維持にも役立てられています。

涼やかな和菓子「葛切り」と体を温める「葛湯」

葛粉を使った和菓子として葛餅と並んで有名なのが「葛切り」です。 葛切りは、葛粉を水で溶いて加熱し、薄く板状に固めたものを細長く切って作られます。 透明でつるりとした喉ごしが特徴で、冷やして黒蜜をかけていただくのが一般的です。 また、葛粉をお湯で溶いて作る「葛湯」は、体を温める効果があるとされ、風邪のひきはじめや体調が優れない時に飲まれることが多いです。

消化に優しく、滋養があるとされています。

漢方薬「葛根湯」にも使われる葛の力

葛の根は、古くから漢方薬の原料としても重宝されてきました。 特に有名なのが、風邪の初期症状に用いられる「葛根湯(かっこんとう)」です。 葛根湯は、葛の根(葛根)をはじめとする生薬を配合したもので、体を温め、発汗を促すことで症状の緩和を助けます。 葛には、女性ホルモンに似た働きをするイソフラボンが含まれていることも知られており、健康維持に役立つ食材として注目されています。

葛餅に関するよくある質問

葛餅に関するよくある質問

葛餅について、多くの方が疑問に感じる点にお答えします。

葛餅とわらび餅の違いは何ですか?

葛餅とわらび餅は、見た目や食感が似ていますが、主な原材料が異なります。葛餅は「葛粉」を主原料とするのに対し、わらび餅は「わらび粉」を主原料としています。 ただし、本わらび粉は非常に高価で希少なため、市販のわらび餅には、さつまいも澱粉やタピオカ澱粉などの代用デンプンが使われていることが多いです。 関西の葛餅は透明感がありますが、本わらび粉100%のわらび餅は黒っぽい色をしているのが特徴です。

本葛餅はどこで手に入りますか?

本葛餅は、和菓子専門店や百貨店の和菓子売り場、またはオンラインショップなどで購入できます。 特に、奈良県の吉野地方にある老舗の葛専門店では、高品質な吉野本葛を使った葛餅が手に入ります。 また、最近では、こだわりの食材を扱うスーパーマーケットでも見かけることがあります。

葛餅は健康に良いと聞きましたが本当ですか?

葛餅に使われる葛粉には、体を温める効果や消化に良いという特徴があります。 また、大豆と同じマメ科の植物であるため、イソフラボンが含まれており、女性の健康維持にも役立つとされています。 ただし、市販の葛餅には砂糖が多く含まれている場合もあるため、食べ過ぎには注意が必要です。 適量を美味しくいただくことが大切です。

葛餅の保存方法や日持ちについて教えてください。

葛餅は、基本的に生菓子であり、日持ちはあまりしません。 特に本葛餅は、作りたてが最も美味しく、時間の経過とともに食感が変化しやすいです。常温で保存する場合は、直射日光を避け、涼しい場所で保存し、できるだけ早く食べきるのがおすすめです。冷蔵庫に入れると硬くなることがあるため、食べる直前に冷やす程度が良いでしょう。

関東風のくず餅も同様に、購入後は早めに食べるのが基本です。

自宅で葛餅を作ることはできますか?

はい、自宅で葛餅を作ることは可能です。 葛粉と水、砂糖があれば、鍋や電子レンジを使って比較的簡単に作ることができます。 市販の葛粉には、本葛粉や、より手軽に使える加工澱粉をブレンドしたものなどがあります。 自分好みの甘さや食感に調整できるのも手作りの醍醐味です。 レシピサイトなどで作り方を参考に、ぜひ挑戦してみてください。

まとめ

  • 葛餅の「くず」には、本葛と小麦澱粉の二種類がある。
  • 本葛は、クズという植物の根から採れるデンプンである。
  • 本葛餅は、透明感があり、なめらかで上品な口当たりが特徴。
  • 関東風葛餅は、小麦澱粉を発酵させて作られる。
  • 関東風葛餅は、乳白色で独特の弾力と酸味がある。
  • 本葛の製造は、吉野晒製法という伝統的な進め方で行われる。
  • 吉野本葛は、奈良県の吉野地方が特に有名である。
  • 葛餅以外にも、葛切りや葛湯、漢方薬の葛根湯に葛が使われる。
  • 葛には、体を温めたり消化を助けたりする効果がある。
  • 葛餅とわらび餅は、原材料が異なる別の和菓子である。
  • 本葛餅は和菓子専門店や百貨店、オンラインショップで手に入る。
  • 葛餅は日持ちしないため、早めに食べきるのがおすすめ。
  • 自宅で葛粉と水、砂糖があれば葛餅を作れる。
  • 葛はイソフラボンを含み、健康維持に役立つ。
  • 葛餅は、地域によって異なる魅力を持つ奥深い和菓子である。
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