「くしゃがら」という言葉を聞いたことがありますか?一度耳にすると、その謎めいた響きが頭から離れなくなるかもしれません。インターネットで検索しても、辞書を引いても、その意味は一向に見つからない。そんな不思議な言葉「くしゃがら」の元ネタについて、多くの方が疑問を抱いているのではないでしょうか。
本記事では、「くしゃがら」がどこから生まれたのか、その意味や作者、そして人気を博した実写ドラマ化の背景まで、深く掘り下げて解説します。この言葉に隠された真の恐怖と、人間の好奇心がもたらす影響について、一緒に探求していきましょう。
くしゃがら元ネタとは?謎の言葉の正体に迫る

「くしゃがら」という言葉は、多くの人々を惹きつけ、その意味を知りたいという強い衝動に駆り立てます。しかし、この言葉は現実世界に存在するものではありません。では、一体どこから生まれたのでしょうか。その正体と、物語の中での位置づけを詳しく見ていきましょう。
「くしゃがら」は実在しない言葉?その意味を解説
結論から言うと、「くしゃがら」は現実世界に存在する言葉ではありません。辞書にもインターネットにも、その本来の意味は記載されていません。これは、人気漫画『ジョジョの奇妙な冒険』のスピンオフ作品である『岸辺露伴は動かない』シリーズに登場する、架空の「禁止用語」なのです。
物語の中では、この言葉を知ると、その意味を調べずにはいられなくなり、やがて心身を蝕まれていくという恐ろしい設定がされています。つまり、「くしゃがら」自体に特定の意味があるのではなく、その言葉が持つ「知りたい」という好奇心を刺激する力が、物語の核となっています。
『岸辺露伴は動かない』スピンオフ小説が元ネタ
「くしゃがら」の元ネタは、荒木飛呂彦氏の漫画『ジョジョの奇妙な冒険』の登場人物、岸辺露伴を主人公としたスピンオフ作品『岸辺露伴は動かない』の小説版です。具体的には、『岸辺露伴は叫ばない 短編小説集』に収録されている短編「くしゃがら」がその発祥となります。
この小説は、漫画『岸辺露伴は動かない』の世界観を踏襲しつつ、新たな作家陣がそれぞれの視点で奇妙な物語を描いたものです。そのため、「くしゃがら」は漫画ではなく、小説から生まれたエピソードとして、多くのファンに知られることになりました。
「くしゃがら」の作者と物語のあらすじ
「くしゃがら」という言葉が持つ独特の不気味さは、その物語と作者によって生み出されました。ここでは、この謎めいた言葉の生みの親と、読者や視聴者を恐怖の渦に巻き込んだ物語のあらすじを詳しくご紹介します。
作者は北國ばらっど氏!『岸辺露伴は叫ばない』に収録
「くしゃがら」の物語を執筆したのは、小説家の北國ばらっど(きたぐに ばらっど)氏です。 荒木飛呂彦氏が原作を手がける『岸辺露伴は動かない』シリーズのノベライズ作品として、2018年6月に発売された『岸辺露伴は叫ばない 短編小説集』に「くしゃがら」は収録されています。
北國ばらっど氏は、この作品以外にも『岸辺露伴は倒れない 短編小説集』など、岸辺露伴シリーズの小説を手がけており、その独特の世界観と恐怖の描写で多くの読者を魅了しています。
好奇心が招く恐怖!「くしゃがら」のあらすじ
物語は、漫画家・岸辺露伴が、同業者の志士十五(しし じゅうご)から奇妙な相談を受けるところから始まります。十五は新しい担当編集者から渡された「禁止用語リスト」の中に、辞書にもネットにも載っていない謎の言葉「くしゃがら」を見つけました。
その意味が気になって仕方がない十五は、次第に「くしゃがら」に憑りつかれたかのように憔悴していきます。露伴は十五の異常な執着に危険を感じ、自身のスタンド能力「ヘブンズ・ドアー」を使って十五の記憶を「本」として読み解こうとします。
しかし、十五の記憶の中には、週刊誌の「袋とじ」のようなページが存在し、その中には得体の知れない「何か」が蠢いていました。この「袋とじ」こそが、「くしゃがら」という言葉の真の姿であり、それを知ろうとする者の好奇心を餌に増殖する存在だったのです。露伴は十五を救うため、そして自分自身も「くしゃがら」に囚われないために、ある決断を下します。
なぜ「くしゃがら」は禁止用語なのか?その考察

「くしゃがら」が単なる架空の言葉であるにもかかわらず、なぜこれほどまでに人々の心に深く刻まれるのでしょうか。その背景には、言葉が持つ根源的な力と、人間の心理に深く関わる要素が隠されています。ここでは、「くしゃがら」が禁止用語とされる理由について、多角的に考察します。
言葉そのものが持つ「力」と「危険性」
「くしゃがら」が禁止用語とされる最大の理由は、その言葉自体が持つ「力」にあります。この言葉は、意味が不明であるからこそ、人間の「知りたい」という根源的な好奇心を強く刺激します。
物語の中では、この好奇心が暴走し、言葉の真の意味を探求しようとする者を精神的に追い詰めていきます。つまり、「くしゃがら」は、特定の意味を持つことで力を発揮するのではなく、意味がないこと、そしてその謎を解き明かそうとする人間の行動そのものをトリガーとして、その危険性を増していくのです。
まるでウイルスのように、人から人へと「知りたい」という感情を通じて伝播し、最終的にはその存在を蝕む。これは、言葉が単なる情報伝達のツールではなく、時に強力な影響力を持つことを示唆しています。
「袋とじ」に隠された真の恐怖
「くしゃがら」の物語で最も象徴的なのが、志士十五の記憶の中に現れた「袋とじ」です。この「袋とじ」は、通常の雑誌の袋とじのように、開くと秘密の情報が記されていることを示唆しています。しかし、その中身は、言葉では表現できないような「何か」が蠢いているという、得体の知れない恐怖を伴います。
この「袋とじ」は、「くしゃがら」の真の姿、つまり「本来の危険な言葉」が隠されている場所であり、それを開こうとすること自体が破滅を招く行為として描かれています。人間は、隠されたもの、未知のものに対して強い関心を抱きますが、「くしゃがら」は、その関心が最も危険な結果を招くことを示しています。真の恐怖は、言葉の意味そのものではなく、その言葉の背後に隠された、理解不能な存在にあると言えるでしょう。
実写ドラマ化で話題沸騰!『岸辺露伴は動かない』での描写

「くしゃがら」の物語は、小説として発表された後、さらに多くの人々にその存在を知らしめることになりました。それは、NHKで実写ドラマ化された『岸辺露伴は動かない』での鮮烈な描写があったからです。ここでは、ドラマ版「くしゃがら」がどのように視聴者を魅了し、大きな話題を呼んだのかを解説します。
高橋一生と森山未來が演じた「くしゃがら」の世界
2020年12月、NHK総合テレビとNHK BS4Kで放送された特集ドラマ『岸辺露伴は動かない』の第2話として、「くしゃがら」が実写化されました。
主人公の岸辺露伴を高橋一生さんが、そして「くしゃがら」に憑りつかれる漫画家・志士十五を森山未來さんが演じ、その迫真の演技は多くの視聴者を惹きつけました。 特に森山未來さんの、言葉に囚われ精神が崩壊していく様子の表現は「狂気」と評され、原作ファンからも高い評価を得ました。
ドラマは、原作小説の持つ不気味な雰囲気や、人間の好奇心がもたらす恐怖を忠実に再現し、視聴者を「くしゃがら」の世界へと引き込みました。
NHKの粋な演出と視聴者の反応
ドラマ「くしゃがら」の放送後、インターネット上では「くしゃがら」という言葉を実際に検索する人が続出し、Twitterではトレンド入りするほどの反響を呼びました。 これは、物語の中で「くしゃがら」の意味を調べようとする登場人物たちの行動が、現実の視聴者にも影響を与えた結果と言えるでしょう。
この現象に対し、NHKはドラマのラストで「おことわり 視聴者の皆様の安全のため、番組内で使用した『くしゃがら』は、実際の単語とは違うものを使っております NHK」という注意書きを出すという粋な演出を見せました。 この演出は、物語のテーマである「好奇心の危険性」を視聴者に再認識させるとともに、ドラマの世界観をさらに深めるものとして、大きな話題となりました。
「くしゃがら」と関連する都市伝説や作品

「くしゃがら」が持つ「知りたい」という好奇心を刺激する力は、他の都市伝説や作品にも通じるものがあります。ここでは、「くしゃがら」と似たようなテーマを持つ作品や、その魅力について考察します。
「ズンドコベロンチョ」との共通点
「くしゃがら」の物語は、1991年に放送されたテレビドラマ『世にも奇妙な物語』の一編に登場する「ズンドコベロンチョ」という架空の言葉を思い起こさせる、という声が多く聞かれました。 「ズンドコベロンチョ」もまた、意味不明な言葉でありながら、その意味を知ろうとすることで人々が翻弄されるという点で、「くしゃがら」と共通のテーマを持っています。
これらの作品は、人間が未知の言葉や情報に対して抱く好奇心、そしてその好奇心が時に危険な結果を招く可能性を示唆しています。意味のない言葉が、人々の心をこれほどまでに揺さぶるのは、言葉の持つ本質的な力と、人間の心理の奥深さを物語っていると言えるでしょう。
「検索してはいけない言葉」としての魅力
「くしゃがら」は、その性質上、インターネット上で「検索してはいけない言葉」として語られることもあります。実際に検索すると、その元ネタや物語に関する情報が出てくるため、物語の「禁止用語」という設定とは異なる結果になりますが、それでも「検索してはいけない」という言葉の響き自体が、人々の興味を強く引きつけます。
こうした言葉は、都市伝説やホラー作品において、読者や視聴者の想像力を掻き立て、現実と虚構の境界を曖昧にする効果を持っています。意味不明な言葉の背後に隠された恐怖や謎を想像することは、エンターテインメントとして大きな魅力があるのです。
よくある質問
「くしゃがら」は本当に存在する言葉ですか?
いいえ、「くしゃがら」は現実世界に存在する言葉ではありません。漫画『ジョジョの奇妙な冒険』のスピンオフ小説『岸辺露伴は叫ばない 短編小説集』に登場する架空の「禁止用語」です。
「くしゃがら」の読み方は?
「くしゃがら」は、そのまま「くしゃがら」と読みます。
「くしゃがら」の小説はどこで読めますか?
「くしゃがら」は、北國ばらっど氏による小説『岸辺露伴は叫ばない 短編小説集』に収録されています。電子書籍ストアや書店で購入して読むことができます。
「くしゃがら」のドラマは何話ですか?
NHKで放送された実写ドラマ『岸辺露伴は動かない』の第2話が「くしゃがら」のエピソードです。
「くしゃがら」の作者は荒木飛呂彦先生ですか?
「くしゃがら」の物語を執筆したのは小説家の北國ばらっど氏です。荒木飛呂彦氏は『ジョジョの奇妙な冒険』および『岸辺露伴は動かない』の原作漫画家ですが、「くしゃがら」はノベライズ作品として北國ばらっど氏が手がけました。
まとめ
- 「くしゃがら」は『岸辺露伴は動かない』シリーズに登場する架空の禁止用語です。
- 現実世界に特定の意味は存在しません。
- 元ネタは北國ばらっど氏の小説「くしゃがら」です。
- 『岸辺露伴は叫ばない 短編小説集』に収録されています。
- 物語は好奇心が招く恐怖を描いています。
- 言葉の意味を探求する者が心身を蝕まれます。
- 「袋とじ」に真の危険な言葉が隠されています。
- NHKで実写ドラマ化され、高橋一生と森山未來が演じました。
- ドラマ放送後、「くしゃがら」検索が急増しトレンド入りしました。
- NHKは視聴者への注意書きで粋な演出を見せました。
- 「ズンドコベロンチョ」と共通のテーマを持っています。
- 「検索してはいけない言葉」として興味を引きます。
- 言葉の持つ根源的な力と人間の好奇心を問いかけます。
- 物語は現実と虚構の境界を曖昧にする魅力があります。
- 北國ばらっど氏は岸辺露伴シリーズの小説を多数執筆しています。
