三重県鳥羽市にある国崎漁港は、かつて多くの釣り人で賑わう人気の釣り場でした。しかし、「国崎漁港は釣りが禁止になった」という話を耳にして、困惑している方もいるのではないでしょうか。実際に、一部のエリアでは釣りが禁止されており、全体的に釣り人へのマナーが強く求められるようになっています。
本記事では、国崎漁港における釣りの現状、なぜ禁止区域が設けられたのか、そして釣りを楽しむために知っておくべきルールやマナーを詳しく解説します。さらに、国崎漁港周辺で安心して釣りができる代替スポットもご紹介しますので、ぜひ最後まで読んで、安全で楽しい釣り計画を立てるための参考にしてください。
国崎漁港で釣りが禁止されている理由と現状

国崎漁港は、三重県鳥羽市に位置する歴史ある漁港です。古くから神宮への供物であるノシあわびづくりが行われるなど、地域にとって重要な役割を担ってきました。周辺海域は「伊勢の神前、国崎の鎧、波切大王なけりゃよい」と唄われるほどの海の難所としても知られています。
近年、国崎漁港では一部のエリアで釣りが禁止され、全体的に釣り人への注意喚起が強化されています。これは、釣り人が安全に楽しむためだけでなく、漁業活動との共存や地域環境の保全が目的です。具体的な禁止区域やその背景にある理由を詳しく見ていきましょう。
立ち入り禁止区域と具体的な場所
国崎漁港では、特に東側の赤灯波止(赤灯堤防)が釣りの禁止区域に指定されています。 この場所は、以前はクロダイやアオリイカが釣れる人気のポイントでしたが、現在は立ち入りが制限されています。また、夜釣りについても禁止されているとの情報があり、時間帯による制限も存在します。
さらに、国崎漁港に隣接する鎧崎周辺も釣りが禁止されているため、注意が必要です。 これらの区域は、漁業活動の妨げになることや、安全上のリスクが高いことから、釣り人の立ち入りが制限されています。現地の看板や表示を必ず確認し、ルールを守ることが大切です。
安全確保と環境保全の重要性
漁港での釣り禁止の背景には、釣り人の安全確保と環境保全が大きく関わっています。漁港は漁業者の仕事場であり、漁船の往来や漁具の設置が頻繁に行われます。釣り人が危険な場所に立ち入ったり、漁業活動を妨げたりすることで、思わぬ事故につながる可能性があります。
また、釣り人によるゴミの放置も深刻な問題です。釣り餌の残りや仕掛け、飲食後のゴミなどが散乱することで、漁港の美観が損なわれるだけでなく、海洋環境への悪影響や、漁業関係者や地域住民への迷惑となります。 釣り針などが放置されていると、清掃作業をする人が怪我をするリスクも高まります。
過去のトラブル事例とその影響
全国的に見ても、漁港での釣り禁止が増えている主な理由として、ゴミ問題、違法駐車、事故の発生、漁業関係者とのトラブルが挙げられます。 国崎漁港でも、迷惑駐車やゴミ問題、そして漁船の航行を妨げる行為などが問題視されてきました。
特に、漁船のスクリューに釣り糸が絡まることで、漁業者がリールや竿を失うだけでなく、エンジンの故障につながることもあります。 こうしたトラブルが積み重なることで、漁港側は苦渋の決定として釣り禁止措置を取らざるを得なくなります。国崎漁港では、2025年4月8日に釣りマナーに関する大きな看板が設置され、釣り人に対して迷惑行為をしないよう強く呼びかけています。
国崎漁港周辺で釣りが楽しめる場所はある?

国崎漁港の一部エリアで釣りが禁止されていると聞くと、がっかりする方もいるかもしれません。しかし、鳥羽市周辺には他にも魅力的な釣り場が点在しており、ルールとマナーを守れば十分に釣りを楽しむことができます。ここでは、国崎漁港周辺で釣りが可能な場所や、安全に釣りをするための選択肢をご紹介します。
近くの釣り公園や開放されている漁港
国崎漁港周辺には、相差漁港や石鏡漁港、安乗漁港、波切漁港など、他にも多くの漁港があります。 これらの漁港の中には、一部で釣りが許可されている場所や、釣り公園として整備されている場所も存在します。ただし、それぞれの漁港で独自のルールや立ち入り禁止区域が設けられている場合があるため、事前に最新情報を確認することが重要です。
例えば、相差漁港は国崎漁港から車で10分ほどの距離にあり、アオリイカなどが狙える釣り場として知られています。 訪れる際は、必ず現地の看板や漁業協同組合のウェブサイトなどで、釣りが許可されているエリアや時間帯、駐車場の利用方法などを確認しましょう。
渡船を利用した沖磯・沖堤防の選択肢
陸っぱりからの釣りに制限がある場合でも、渡船を利用して沖磯や沖堤防へ渡るという選択肢もあります。国崎漁港からは、釣り船「勝丸」 や「第八幸丸」 などが出船しており、ヒラメや青物などを狙う船釣りが盛んです。沖磯や沖堤防は、陸からでは狙えない大物に出会える可能性が高く、より本格的な釣りを楽しめます。
渡船を利用する際は、事前に予約が必要な場合がほとんどです。また、天候に左右されるため、出船状況を必ず確認しましょう。安全のため、ライフジャケットの着用は必須であり、渡船業者から指示されたルールを厳守することが求められます。
釣り禁止区域での違反行為のリスク
釣り禁止区域での釣りは、重大なトラブルや罰則につながる可能性があります。 立ち入り禁止の場所は、安全上の理由や漁業活動の保護のために設定されています。例えば、消波ブロックや護岸が整備されている場所でも、高波の影響を受けやすく、命に関わる事故につながる危険性があります。
また、漁業関係者や地域住民とのトラブルに発展し、警察に通報されるケースも少なくありません。違反行為は、釣り場全体の閉鎖につながる可能性もあり、真面目にルールを守っている釣り人にも迷惑をかけることになります。釣り禁止の看板がある場所では絶対に釣りをせず、指定された場所で安全に釣りを楽しむように心がけましょう。
釣り人が守るべきマナーとルール

釣り場は、釣り人だけでなく、漁業関係者や地域住民、そして自然の生き物たちが共存する場所です。誰もが気持ちよく過ごせるように、釣り人一人ひとりがマナーとルールを守ることが大切です。特に漁港では、漁業活動が最優先されることを理解し、配慮ある行動が求められます。
ここでは、釣り人が守るべき基本的なマナーとルールについて解説します。これらの点を意識することで、釣り場を未来へとつなげ、より多くの人が釣りを楽しめる環境を守ることにつながります。
ゴミの持ち帰り徹底と環境への配慮
釣り人が守るべき最も基本的なマナーの一つが、ゴミの持ち帰り徹底です。 釣りで出たゴミはもちろんのこと、飲食後のゴミやタバコの吸い殻なども含め、全て持ち帰るようにしましょう。特に、釣り糸や釣り針、ルアーなどは、海洋生物に深刻な影響を与える可能性があります。
ゴミを放置することは、釣り場が閉鎖される大きな原因となります。 自分の出したゴミだけでなく、もし可能であれば、落ちているゴミを拾って持ち帰る「クリーンアップ」の意識を持つことも、釣り場を守るための大切な行動です。釣り場を訪れる際は、ゴミ袋を必ず持参し、来た時よりも美しくする気持ちで行動しましょう。
周囲への配慮と安全な釣り方
釣り場では、他の釣り人や漁業関係者、地域住民への配慮が欠かせません。先行者がいる場合は、適切な距離を保ち、割り込みなどの迷惑行為は避けましょう。 大声での会話や音楽を鳴らす行為も、周囲に不快感を与える原因となるため、慎むべきです。
また、安全な釣り方を心がけることも重要です。特に、キャスティング(投げる動作)の際は、周囲に人がいないか、建物や電線がないかなどを十分に確認しましょう。 漁港内では、漁船の往来に細心の注意を払い、船が近づいてきたら速やかに竿を上げるなど、漁業活動の妨げにならないように配慮することが求められます。
ライフジャケットの着用も、自身の命を守るための大切な安全対策です。
地域住民との共存の重要性
漁港は、地域住民の生活の場でもあります。釣り人が地域住民と良好な関係を築くことは、釣り場が維持されるための重要な要素です。 漁港やその周辺での違法駐車は、住民の生活や漁業者の仕事に支障をきたし、大きなトラブルの原因となります。 指定された駐車場を利用し、満車の場合は無理に駐車せず、別の釣り場を探すなどの対応が必要です。
また、早朝や深夜の釣りでは、騒音に特に注意し、静かに行動しましょう。地域の人々とすれ違う際には、挨拶を交わすなど、日頃からのコミュニケーションも大切です。釣り場を利用させてもらっているという感謝の気持ちを持ち、地域社会の一員として責任ある行動を心がけることで、釣り場が閉鎖される事態を避けることにつながります。
よくある質問

国崎漁港での釣りに関して、多くの方が抱く疑問にお答えします。
- 国崎漁港ではいつから釣りが禁止になりましたか?
- 釣り禁止の看板はどこにありますか?
- 違反した場合の罰則はありますか?
- 国崎漁港以外で近くにおすすめの釣り場はありますか?
- 漁港での釣りはなぜ禁止されることが多いのですか?
国崎漁港ではいつから釣りが禁止になりましたか?
国崎漁港全体が一斉に釣りが禁止になったという明確な情報は見当たりませんが、東側の赤灯波止は釣りが禁止されています。 また、夜釣りも禁止されているとの情報があります。 釣りマナーに関する看板が2025年4月8日に設置されたことから、近年、マナー問題への対応が強化されていることがわかります。
釣り禁止の看板はどこにありますか?
2025年4月8日に、鳥羽市国崎漁港の左右の堤防のたもとに、横幅200cm×122cmの大きな釣りマナー看板が2枚設置されました。 漁港を訪れる際は、これらの看板を必ず確認し、記載されているルールやマナーを守るようにしましょう。
違反した場合の罰則はありますか?
釣り禁止区域での釣りや、漁業活動を妨げる行為、ゴミの不法投棄などは、法律や条例に基づき罰則の対象となる可能性があります。 例えば、漁業法や港湾法、各自治体の迷惑防止条例などに違反した場合、罰金などが科せられることがあります。また、漁業関係者とのトラブルに発展した場合は、民事上の責任を問われる可能性も考えられます。
国崎漁港以外で近くにおすすめの釣り場はありますか?
国崎漁港周辺では、相差漁港、石鏡漁港、安乗漁港、波切漁港などが釣り場として挙げられます。 これらの漁港でも、それぞれ釣り可能なエリアやルールが異なるため、事前に情報収集を行い、現地の指示に従って釣りを楽しむことが大切です。
漁港での釣りはなぜ禁止されることが多いのですか?
漁港での釣りが禁止される主な理由は、釣り人によるゴミの放置、違法駐車、漁業活動への支障、そして釣り人自身の事故防止です。 特に、漁業者の仕事場である漁港では、漁船の航行や漁具の設置に影響が出ることが多く、トラブルの原因となります。また、テロ対策のための国際条約(ソーラス条約)により、一部の港湾施設が立ち入り禁止になっているケースもあります。
まとめ
- 国崎漁港では、東側の赤灯波止が釣りの禁止区域に指定されています。
- 夜釣りも禁止されているとの情報があり、注意が必要です。
- 国崎漁港に隣接する鎧崎周辺も釣りが禁止されています。
- 釣り禁止の主な理由は、安全確保、環境保全、漁業活動への配慮です。
- 迷惑駐車、ゴミの放置、漁船の妨害などが問題視されています。
- 2025年4月には、釣りマナー向上のための大きな看板が設置されました。
- 釣り禁止区域での違反行為は、罰則の対象となる可能性があります。
- 国崎漁港周辺では、相差漁港や石鏡漁港などが代替の釣り場として挙げられます。
- 渡船を利用して沖磯や沖堤防へ渡る船釣りも選択肢の一つです。
- 釣り場では、ゴミの持ち帰り、周囲への配慮、地域住民との共存が不可欠です。
- 現地の看板や最新情報を必ず確認し、ルールとマナーを守りましょう。
- ライフジャケットの着用など、安全対策を徹底することが重要です。
- 釣り場を未来へつなぐため、一人ひとりの意識的な行動が求められます。
- 国崎漁港は、アジやアオリイカ、クロダイなどが釣れる人気の釣り場でした。
- 駐車場やトイレなどの設備は整備されています。
