高額な医療費を支払ったのに、確定申告の期限に間に合わなかったと焦っていませんか?「もう還付金は諦めるしかないのか…」と不安に感じている方もいるかもしれません。しかし、ご安心ください。実は、期限を過ぎてしまっても、まだ税金が戻ってくる可能性は十分にあります。本記事では、高額療養費と医療費控除の違いから、確定申告に間に合わなかった場合の具体的な対処法、そして還付申告の進め方まで、あなたが知りたい情報を分かりやすく解説します。
高額療養費と医療費控除は別物!それぞれの期限と仕組みを理解しよう

高額な医療費を支払った際に利用できる制度には、「高額療養費制度」と「医療費控除」の二つがあります。これらは混同されがちですが、それぞれ目的も申請先も異なる制度です。期限に間に合わなかったと焦る前に、まずはこの二つの制度の基本的な違いと、それぞれの申請期限をしっかりと理解することが大切です。
高額療養費制度とは?
高額療養費制度は、医療機関や薬局の窓口で支払う医療費が、ひと月(月の初めから終わりまで)で自己負担限度額を超えた場合に、その超えた分の金額が健康保険から払い戻される制度です。この制度は、加入している健康保険組合や協会けんぽ、市町村の国民健康保険などが運営しており、医療費の負担を軽減することを目的としています。
自己負担限度額は、年齢や所得によって異なり、世帯合算も可能です。 申請は、医療を受けた月の翌月1日から2年以内に行う必要があります。
医療費控除とは?
医療費控除は、1年間(1月1日から12月31日まで)に支払った医療費が一定額を超えた場合に、その超えた金額を所得から差し引くことで、所得税や住民税の負担を軽減する制度です。この制度は、税務署に確定申告を行うことで適用されます。自分だけでなく、生計を一つにする配偶者やその他の親族のために支払った医療費も合算できます。
医療費控除の対象となるのは、治療のために支払った費用であり、美容目的や健康増進のための費用は含まれません。
高額療養費制度と医療費控除の主な違い
二つの制度は、どちらも医療費の負担を軽減するものですが、その性質は大きく異なります。以下の表で主な違いを確認しましょう。
- 目的: 高額療養費制度は医療費の自己負担額を軽減、医療費控除は税負担を軽減。
- 申請先: 高額療養費制度は加入している健康保険、医療費控除は税務署。
- 対象期間: 高額療養費制度は1ヶ月単位、医療費控除は1年間(1月1日~12月31日)。
- 申請期限: 高額療養費制度は診療月の翌月1日から2年以内、医療費控除(還付申告)は対象年の翌年1月1日から5年以内。
- 対象となる費用: 高額療養費制度は保険診療の自己負担額、医療費控除は保険診療の自己負担額から高額療養費の給付額などを差し引いた額。
確定申告の期限に間に合わなくても大丈夫!還付申告の進め方

「確定申告の期限は過ぎてしまったけれど、医療費控除を受けたい」と諦める必要はありません。医療費控除による還付金を受け取るための申告は「還付申告」と呼ばれ、通常の確定申告の期限後でも手続きが可能です。この章では、還付申告の具体的な進め方について詳しく解説します。
還付申告はいつまでできる?
医療費控除の還付申告は、対象となる年の翌年1月1日から5年間行うことができます。例えば、2023年分の医療費控除であれば、2024年1月1日から2028年12月31日まで申告が可能です。通常の確定申告の期限(原則として毎年3月15日)を過ぎていても、この5年以内であれば問題なく手続きを進められます。
過去に遡って申告できるため、数年前の医療費についても今からでも還付金を受け取れる可能性があります。
還付申告に必要な書類
還付申告を行う際には、いくつかの書類を準備する必要があります。主な必要書類は以下の通りです。
- 確定申告書AまたはB: 国税庁のウェブサイトからダウンロードするか、税務署で入手できます。
- 医療費控除の明細書: 支払った医療費の内容をまとめた書類です。領収書に基づいて作成します。
- 医療費通知: 健康保険組合などから送られてくる医療費のお知らせで、医療費控除の明細書の一部として利用できます。
- 源泉徴収票: 給与所得者の場合、勤務先から発行されます。
- マイナンバーカードまたは通知カードと本人確認書類: 申告者の身元確認とマイナンバーの確認のために必要です。
- 還付金を受け取る金融機関の口座情報: 還付金が振り込まれる口座の情報を準備します。
- 医療費の領収書: 原則として提出は不要ですが、税務署から提示や提出を求められる場合があるため、5年間は大切に保管しておきましょう。
還付申告の具体的な進め方
還付申告の進め方は、通常の確定申告とほぼ同じです。以下のステップで手続きを進めましょう。
- 必要書類の準備: 上記で挙げた書類を全て揃えます。特に医療費控除の明細書は、正確に作成することが重要です。
- 医療費控除額の計算: 支払った医療費の合計額から、保険金などで補填された金額を差し引き、さらに10万円(所得が200万円未満の場合は所得の5%)を差し引いた額が控除対象額となります。
- 確定申告書の作成: 国税庁の確定申告書等作成コーナーを利用すると、画面の指示に従って入力するだけで簡単に作成できます。
- 申告書の提出: 作成した確定申告書と医療費控除の明細書を、所轄の税務署に提出します。提出方法は、e-Tax(電子申告)、郵送、税務署の窓口への持参のいずれかを選べます。
- 還付金の受け取り: 申告書提出後、通常1ヶ月から1ヶ月半程度で指定した口座に還付金が振り込まれます。
高額療養費制度の申請もまだ間に合う可能性あり!

高額療養費制度の申請も、確定申告と同様に期限が設けられています。しかし、こちらも期限を過ぎてしまったからといって、すぐに諦める必要はありません。まだ間に合う可能性や、申請を忘れないためのコツについて解説します。
高額療養費の申請期限と時効
高額療養費の申請期限は、医療を受けた月の翌月1日から2年間です。この期間を過ぎると、原則として時効となり、給付を受けることができなくなります。ただし、健康保険組合によっては、自動的に高額療養費を支給してくれる場合や、申請勧奨の通知を送ってくれる場合もあります。 念のため、加入している健康保険組合に問い合わせてみることをおすすめします。
高額療養費の申請方法
高額療養費の申請方法は、加入している健康保険の種類によって異なりますが、一般的な進め方は以下の通りです。
- 申請書の入手: 健康保険組合や協会けんぽ、市町村の国民健康保険の窓口で申請書を入手するか、ウェブサイトからダウンロードします。
- 必要事項の記入: 申請書に、氏名、住所、医療を受けた期間、医療機関名、自己負担額などの必要事項を記入します。
- 添付書類の準備: 医療機関の領収書や、健康保険証のコピーなど、指示された添付書類を準備します。
- 申請書の提出: 記入済みの申請書と添付書類を、加入している健康保険の窓口に提出するか、郵送で送付します。
- 給付金の受け取り: 申請が受理されると、後日、指定した口座に給付金が振り込まれます。
よくある質問

- 高額療養費の申請期限はいつまでですか?
- 確定申告の医療費控除はいつまで遡れますか?
- 医療費控除の還付申告はいつまでですか?
- 高額療養費と医療費控除は併用できますか?
- 確定申告を忘れた場合、どうすればいいですか?
高額療養費の申請期限はいつまでですか?
高額療養費の申請期限は、医療を受けた月の翌月1日から2年間です。この期間を過ぎると、原則として時効となり、給付を受けられなくなります。
確定申告の医療費控除はいつまで遡れますか?
医療費控除の還付申告は、対象となる年の翌年1月1日から5年間遡って行うことができます。例えば、2023年分の医療費控除であれば、2028年12月31日まで申告が可能です。
医療費控除の還付申告はいつまでですか?
医療費控除の還付申告は、対象となる年の翌年1月1日から5年間です。通常の確定申告の期限(毎年3月15日)を過ぎていても、この期間内であればいつでも申告できます。
高額療養費と医療費控除は併用できますか?
はい、高額療養費制度と医療費控除は併用できます。ただし、医療費控除の計算をする際には、高額療養費制度で払い戻された金額を医療費の総額から差し引いて計算する必要があります。
確定申告を忘れた場合、どうすればいいですか?
確定申告を忘れた場合でも、医療費控除による還付申告であれば、対象年の翌年1月1日から5年間は手続きが可能です。もし、税金を納める必要があったのに申告を忘れた場合は、「期限後申告」となり、無申告加算税や延滞税が課される可能性がありますが、速やかに申告することでペナルティを軽減できる場合があります。
まとめ
- 高額療養費と医療費控除は異なる制度である。
- 高額療養費は健康保険からの給付で、申請期限は2年。
- 医療費控除は税金からの還付で、還付申告は5年遡って可能。
- 確定申告の期限に間に合わなくても医療費控除は諦めなくて良い。
- 還付申告は対象年の翌年1月1日から5年間手続きできる。
- 高額療養費の申請も2年以内ならまだ間に合う可能性がある。
- 両制度は併用可能だが、控除額計算時は高額療養費分を差し引く。
- 還付申告には確定申告書、医療費控除の明細書などが必要。
- 国税庁の作成コーナーを使えば簡単に申告書が作れる。
- 医療費の領収書は5年間保管することがおすすめ。
- 健康保険組合によっては高額療養費が自動支給される場合もある。
- 不明な点は税務署や健康保険組合に問い合わせるのが確実。
- 早めの手続きで還付金を確実に受け取ろう。
- 過去の医療費も遡って確認する価値がある。
- 制度を理解し、賢く医療費負担を軽減しよう。
