春に小さな白い花を枝いっぱいに咲かせ、見る人の心を和ませるコデマリ。その愛らしい姿から「小手毬」と名付けられたこの植物は、庭木としても切り花としても人気があります。もし今、お手持ちのコデマリを増やしたいと考えているなら、ぜひこの機会に挑戦してみませんか。自分で増やしたコデマリが元気に育っていく様子は、格別の喜びを与えてくれるでしょう。
本記事では、コデマリを増やす代表的な方法である「挿し木」と「株分け」について、それぞれの進め方や成功するためのコツを詳しく解説します。初心者の方でも安心して取り組めるよう、必要な道具から日々の管理まで、分かりやすくご紹介しますので、ぜひ最後まで読んで、あなたのお庭をコデマリで彩る一歩を踏み出してください。
コデマリを増やす主な方法を知ろう

コデマリを増やす方法はいくつかありますが、ご家庭で手軽に、かつ高い成功率で挑戦できるのは「挿し木」と「株分け」の二つの方法です。どちらの方法も、元気な親株から新しい命を育むことができるため、大切に育ててきたコデマリをさらに増やしたいという方にぴったりです。それぞれの方法には適した時期や進め方がありますので、まずはそれぞれの特徴を理解し、ご自身の環境や目的に合った方法を選びましょう。
挿し木は、剪定で出た枝を有効活用できるため、無駄なく株を増やしたい場合に特に向いています。一方、株分けは大きく育ったコデマリを若返らせる目的も兼ねて行えるため、株の更新を考えている方におすすめです。どちらの方法も、適切な時期に正しい進め方で行えば、きっと新しいコデマリの苗を育てられます。これからご紹介する具体的な手順を参考に、ぜひコデマリを増やす喜びを体験してください。
挿し木でコデマリを増やす進め方
挿し木は、コデマリを増やす方法の中でも特に手軽で、成功率も高いとされています。剪定で切り落とした枝を再利用できるため、資源を無駄にせず、同じ性質の株をたくさん増やせるのが大きな魅力です。適切な時期に正しい手順で進めれば、初心者の方でも十分に発根させ、新しいコデマリの苗を育てることが可能です。挿し木は、親株への負担も比較的少ないため、気軽に挑戦できる増やし方と言えるでしょう。
この方法で、あなたのお庭にたくさんのコデマリを迎え入れてみませんか。
挿し木に適した時期
コデマリの挿し木に最も適しているのは、花が終わった後の5月から6月頃、または新芽が動き出す前の2月下旬から3月上旬です。特に、花後の初夏は、その年に伸びた新しい枝が適度に充実し、発根しやすい時期にあたります。この時期に挿し木を行うことで、挿し穂が根を出すための十分なエネルギーを持ち、成功率が高まります。
真夏の暑い時期は、挿し穂が乾燥しやすく、発根しにくくなるため避けるのが賢明です。また、秋以降に挿し木を行うと、花芽を切り落としてしまう可能性があるので注意しましょう。地域によって気候が異なるため、お住まいの地域の気候条件を考慮し、最適なタイミングを見計らうことが大切です。
挿し木に必要な道具
コデマリの挿し木を始める前に、以下の道具を準備しておくとスムーズに進められます。
- 清潔な剪定ばさみまたはカッター:挿し穂を切り取る際に、切り口をきれいに保ち、病原菌の侵入を防ぎます。
- 発根促進剤(任意):発根を促し、成功率を高める効果が期待できます。
- 挿し木用の土:赤玉土の小粒や鹿沼土の小粒など、水はけと保水性のバランスが良い清潔な土が適しています。市販の挿し木用土でも良いでしょう。
- 挿し床となる容器:底に排水穴があるポットやトレー、平鉢などを用意します。
- 水を入れる容器:切り取った挿し穂を一時的に水揚げするために使います。
これらの道具を事前に準備しておくことで、作業中に慌てることなく、効率的に挿し木を進められます。特に、剪定ばさみは清潔なものを使用し、病気の感染を防ぐことが重要です。準備をしっかり整えることが、挿し木の成功への第一歩となります。
挿し木の具体的な手順
コデマリの挿し木は、以下の手順で進めます。
- 挿し穂の準備: 親株から、前年に伸びた健康な枝を10cm〜15cmほどの長さに切り取ります。枝の先端の細すぎる部分や、基部の硬すぎる部分は発根しにくいので避けましょう。切り口は斜めに切り、水揚げを良くします。
- 水揚げ: 切り取った挿し穂は、すぐに水を入れた容器に30分〜1時間ほど浸し、しっかりと水を吸わせます。これにより、挿し穂が乾燥するのを防ぎ、発根しやすくなります。
- 下葉の処理: 水揚げ後、土に挿す部分の葉は取り除き、先端に2〜3枚の葉を残します。葉が多すぎると、水分が蒸散しすぎて挿し穂が弱ってしまうためです。残す葉も半分にカットすると良いでしょう。
- 発根促進剤の使用(任意): 切り口に発根促進剤を塗布すると、より発根が促されます。
- 挿し床への挿し付け: 挿し木用の土を入れた容器に、割り箸などで穴を開け、挿し穂が2/3ほど埋まるように挿し付けます。挿し穂同士の間隔は、15cm×6cm程度を目安に、適度な間隔を空けましょう。
- 水やり: 挿し付けたら、土と挿し穂が密着するようにたっぷりと水を与えます。
これらの手順を丁寧に行うことで、コデマリの挿し木の成功率を大きく高められます。一つ一つの作業を確実に行い、新しいコデマリの成長を楽しみに待ちましょう。
挿し木後の管理のコツ
挿し木後の管理は、発根を促し、新しい苗を元気に育てるために非常に重要です。以下のコツを押さえて、丁寧に管理しましょう。
- 置き場所: 挿し木直後から発根までは、直射日光を避け、明るい半日陰で管理します。直射日光は挿し穂の乾燥を早め、枯れる原因となるためです。午前中に柔らかな日差しが当たり、午後は日陰になる場所が理想的です。
- 水やり: 土が乾かないように、こまめに水を与えます。特に乾燥しやすい時期は、朝夕の涼しい時間帯にたっぷりと水を与え、土の表面が常に湿っている状態を保ちましょう。
- 湿度管理: 挿し穂の周りの湿度を保つことも大切です。ビニール袋をかぶせたり、霧吹きで葉水を与えたりするのも効果的です。ただし、蒸れすぎるとカビの原因になるため、適度な換気も忘れずに行いましょう。
- 発根の確認: 挿し木から1ヶ月半〜2ヶ月程度で発根が始まります。軽く挿し穂を引っ張ってみて、抵抗があれば根が出ている証拠です。
- 鉢上げ: 十分に根が張ったら、小さめのポットに新しい培養土を入れて鉢上げします。この際、根を傷つけないように慎重に扱いましょう。鉢上げ後も、しばらくは半日陰で養生させ、徐々に日当たりの良い場所に慣らしていきます。
これらの管理を継続することで、挿し木したコデマリは順調に成長し、やがて美しい花を咲かせてくれるでしょう。日々の観察と愛情が、コデマリを元気に育てる一番の秘訣です。
株分けでコデマリを増やす進め方
コデマリの株分けは、大きく育った株を若返らせながら増やすことができる方法です。特に地植えで大きく成長したコデマリに適しており、株の勢いを保ちつつ、新しい株を複数作ることが可能です。挿し木に比べて、ある程度の体力が必要な作業ですが、成功すれば比較的早く立派な株に育ちます。親株の健康状態を良好に保ちながら、お庭にコデマリを増やしたい場合に検討してみましょう。
この方法で、コデマリの生命力を最大限に引き出し、お庭をさらに豊かに彩ることができます。
株分けに適した時期
コデマリの株分けに最適な時期は、落葉期である10月上旬から11月下旬、または新芽が芽吹く前の2月中旬から3月下旬です。この時期は、コデマリが休眠期に入っているため、株への負担が少なく、根を傷める心配も軽減されます。また、株分け後に新しい場所で根付くまでの期間も、植物が活動を始める春に向けて準備ができるため、成功率が高まります。
特に、秋の株分けは、冬の間に根を張る準備ができるため、春からの成長がスムーズです。開花期や生育が盛んな時期に株分けを行うと、株が弱ってしまう可能性があるので避けましょう。適切な時期を選ぶことが、株分けを成功させるための重要なコツです。
株分けに必要な道具
コデマリの株分けを行う際には、以下の道具を準備しておくと作業がスムーズに進みます。
- シャベルまたはスコップ:株を掘り起こす際に使用します。根を傷つけないよう、切れ味の良いものを選びましょう。
- 清潔な剪定ばさみまたはのこぎり:根や枝を切り分ける際に使います。病原菌の侵入を防ぐため、使用前には消毒しておくと安心です。
- 新しい植え付け場所または鉢:株分けしたコデマリを植え付ける場所や、一回り大きな鉢を用意します。
- 新しい用土:腐葉土や堆肥を混ぜた、水はけと水持ちの良い土が適しています。地植えの場合は、庭の土に腐葉土などを混ぜて改良しておくと良いでしょう。
- ジョウロ:株分け後にたっぷりと水を与えるために必要です。
これらの道具を事前に準備しておくことで、作業中に中断することなく、効率的に株分けを進められます。特に、根を傷つけないように慎重に作業を進めることが、株分けの成功につながります。道具の準備を怠らず、万全の体制で株分けに臨みましょう。
株分けの具体的な手順
コデマリの株分けは、以下の手順で慎重に進めます。
- 株の掘り上げ: 株分けに適した時期に、親株の周囲をシャベルで大きく掘り起こし、根を傷つけないように注意しながら株全体を掘り上げます。
- 土の除去と根の確認: 掘り上げた株の根についた土を軽く落とし、根の状態を確認します。傷んだ根や枯れた根があれば、清潔な剪定ばさみで切り取りましょう。
- 株の分割: 株元から出ている枝が4〜5本つくように、根と枝のバランスを見ながら株を切り分けます。手で分けられる部分は手で、難しい場合は剪定ばさみやのこぎりを使って慎重に分割します。
- 植え付け: 分割した株を、事前に準備した新しい植え付け場所や鉢に植え付けます。植え穴は根鉢よりも一回り大きく掘り、腐葉土などを混ぜた新しい用土を入れましょう。
- 水やり: 植え付けたら、根と土が密着するようにたっぷりと水を与えます。
株分けは、親株に一時的な負担をかける作業ですが、丁寧に行うことで新しい株が元気に育ちます。一つ一つの工程を丁寧に進め、コデマリの新しい成長をサポートしましょう。
株分け後の管理のコツ
株分け後のコデマリは、新しい環境に順応するために丁寧な管理が必要です。以下のコツを参考に、しっかりとケアを行いましょう。
- 水やり: 植え付け後は、根が定着するまで土が乾かないようにたっぷりと水を与えます。特に、乾燥しやすい時期は、水切れに注意し、朝夕の涼しい時間帯に水やりを行いましょう。
- 置き場所: 株分け直後は、直射日光や強い風を避け、半日陰で管理するのが理想的です。根がまだ十分に張っていないため、過度なストレスを与えないようにしましょう。
- 肥料: 株分け直後の肥料は控えめにし、新しい根が十分に伸びてから、少量ずつ与えるようにします。急な施肥は、根に負担をかける可能性があります。
- 剪定: 株分けの際に、地上部の枝を適度に剪定し、根と地上部のバランスを整えることも大切です。これにより、根が少ない状態でも、地上部への水分の供給が追いつきやすくなります。
- 病害虫対策: 株分け後は、株が一時的に弱り、病害虫の被害を受けやすくなることがあります。日頃から株の状態をよく観察し、異変があれば早めに対処しましょう。
これらの管理を継続することで、株分けしたコデマリは新しい場所でしっかりと根付き、やがて美しい花を咲かせてくれるでしょう。株分け後の丁寧なケアが、コデマリの健やかな成長を促します。
コデマリの増やし方で失敗しないための注意点と成功のコツ

コデマリを増やす作業は、新しい命を育む喜びがある一方で、いくつかの注意点があります。これらのポイントを押さえることで、失敗のリスクを減らし、より高い成功率でコデマリを増やせるでしょう。特に、植物の生理や環境への配慮が重要となります。適切な時期に、適切な方法で、そして愛情を込めて世話をすることが、コデマリの増やし方を成功させるための鍵です。
ここでは、挿し木と株分けの両方に共通する、失敗しないための注意点と、成功へと導くためのコツを詳しくご紹介します。
まず、最も重要なのは「時期」です。コデマリは、休眠期や生育が穏やかな時期に増やす作業を行うことで、株への負担を最小限に抑えられます。次に、「清潔さ」も非常に大切です。使用する道具は常に清潔に保ち、病原菌の侵入を防ぎましょう。また、挿し木や株分け後の「環境管理」も欠かせません。直射日光や乾燥、過湿を避け、コデマリが落ち着いて根を張れる環境を整えることが求められます。
これらの点を意識することで、あなたのコデマリはきっと元気に育ってくれるはずです。
- 適切な時期を選ぶ: 挿し木は花後の5〜6月、または新芽が動く前の2月下旬〜3月上旬が適期です。株分けは落葉期の10月〜11月、または2月中旬〜3月下旬が適しています。時期を外すと、発根しにくくなったり、株が弱ったりする原因になります。
- 清潔な道具を使う: 剪定ばさみやカッター、シャベルなどの道具は、使用前に必ず消毒し、清潔な状態を保ちましょう。これにより、病原菌の感染を防ぎ、挿し穂や株の健康を守れます。
- 水はけの良い土を使う: 挿し木用には赤玉土小粒や鹿沼土小粒、株分け後の植え付けには腐葉土などを混ぜた水はけの良い土を選びましょう。水はけが悪いと根腐れの原因になります。
- 水やりを適切に行う: 挿し木や株分け後は、土を乾燥させないようにこまめに水を与えます。しかし、過湿も根腐れの原因となるため、土の表面が乾いたらたっぷりと与えるのが基本です。
- 半日陰で管理する: 発根するまでの間や、株分け直後は、直射日光を避け、明るい半日陰で管理しましょう。強い日差しは、挿し穂や株を弱らせる原因となります。
- 発根促進剤を活用する(挿し木の場合): 発根促進剤を使用することで、発根を促し、挿し木の成功率を高めることができます。
- 根を傷つけないように慎重に: 株分けの際は、根をできるだけ傷つけないように慎重に掘り起こし、分割しましょう。根の損傷は、株の回復を遅らせる原因となります。
- 焦らず見守る: 挿し木も株分けも、すぐに結果が出るものではありません。焦らず、日々の変化を観察しながら、愛情を持って見守ることが大切です。
これらの注意点とコツを実践することで、コデマリを増やす作業はきっと成功するでしょう。植物の生命力を信じ、丁寧なケアを心がけてください。
よくある質問

- コデマリの挿し木は水に挿すだけで増えますか?
- コデマリの挿し木はどこを切れば良いですか?
- コデマリの挿し木で成功率を高めるにはどうすれば良いですか?
- コデマリの株分けは毎年必要ですか?
- コデマリを増やすのに最適な土はありますか?
コデマリの挿し木は水に挿すだけで増えますか?
コデマリの挿し木は、水に挿すだけでも発根する可能性はありますが、土に挿す方法に比べて成功率は低い傾向にあります。水挿しの場合、水中で根が出ても、土に植え替える際に環境の変化に順応できず枯れてしまうことがあります。より確実に増やすためには、水揚げ後に挿し木用の土に挿し付ける方法がおすすめです。土に挿すことで、根が土の成分から栄養を吸収しやすくなり、安定した成長を促せます。
コデマリの挿し木はどこを切れば良いですか?
コデマリの挿し木には、前年に伸びた健康な枝を選びましょう。枝の先端の細すぎる部分や、基部の硬すぎる部分は発根しにくい傾向があります。長さは10cm〜15cm程度に切り、切り口は斜めにカットして水揚げを良くします。下葉は取り除き、先端に2〜3枚の葉を残すようにしましょう。
コデマリの挿し木で成功率を高めるにはどうすれば良いですか?
コデマリの挿し木で成功率を高めるには、いくつかのコツがあります。まず、適切な時期(花後の5〜6月、または新芽が動く前の2月下旬〜3月上旬)に、健康な枝を選んで挿し穂を準備することです。次に、挿し穂を切り取ったらすぐに水揚げを行い、清潔な挿し木用土に挿し付けます。挿し付け後は、直射日光を避け、土が乾かないようにこまめに水を与え、湿度を保つことが重要です。
発根促進剤の利用も効果的です。
コデマリの株分けは毎年必要ですか?
コデマリの株分けは、毎年行う必要はありません。地植えで大きく育った株を若返らせたい場合や、株を増やしたい場合に数年に一度行うのが一般的です。株が大きく育ちすぎて混み合ってきたと感じた時や、株の勢いが衰えてきたと感じた時が、株分けを検討する良いタイミングです。株分けの適期は、落葉期の10月上旬から11月下旬、または新芽が芽吹く前の2月中旬から3月下旬です。
コデマリを増やすのに最適な土はありますか?
コデマリは丈夫な植物なので、土質を選びにくいですが、水はけと水持ちの良い土を好みます。地植えの場合は、特別な土壌改良は不要ですが、水はけが悪い場合は腐葉土や堆肥を混ぜて改良すると良いでしょう。鉢植えで挿し木や植え付けを行う場合は、赤玉土の小粒6割と腐葉土4割を混ぜた培養土が理想的です。市販の花木用培養土も利用できます。
まとめ
- コデマリは挿し木と株分けで増やせる。
- 挿し木は剪定枝を再利用でき手軽。
- 株分けは大きく育った株の若返りにも有効。
- 挿し木の適期は花後の5〜6月か2月下旬〜3月上旬。
- 株分けの適期は落葉期の10〜11月か2月中旬〜3月下旬。
- 挿し木には健康な前年枝を10〜15cmに切る。
- 挿し穂は水揚げをしっかり行う。
- 挿し木用土は赤玉土小粒などがおすすめ。
- 挿し木後は半日陰で土を乾燥させない。
- 株分けは根を傷つけないよう慎重に。
- 株分け後は新しい植え付け場所で水やりを。
- 清潔な道具を使うことが病気予防になる。
- 発根促進剤は挿し木の成功率を高める。
- 水挿しより土挿しの方が成功しやすい。
- コデマリは水はけと水持ちの良い土を好む。
