細菌感染症の治療に用いられる「ケフラールカプセル」について、「強さ」という言葉から、どのような効果があるのか、自分に合った用量はどれくらいなのか、疑問を感じている方もいるのではないでしょうか。この薬は、感染症の種類や重症度、患者さんの年齢や体重によって適切な「強さ」、つまり用量が異なります。
本記事では、ケフラールカプセルの種類や作用、そして適切な用量の選び方、服用時の注意点までを詳しく解説します。ご自身の治療をより深く理解し、安心して服用するための参考にしてください。
ケフラールカプセルとは?その基本を理解する

ケフラールカプセルは、細菌による感染症を治療するために処方される抗生物質です。その有効成分や、どのような「強さ」のものが存在するのかを知ることは、薬への理解を深める第一歩となります。
どんな薬?有効成分と作用
ケフラールカプセルの有効成分は「セファクロル」です。これはセフェム系抗生物質に分類され、細菌の細胞壁の合成を阻害することで、細菌の増殖を抑え、最終的に殺菌する働きを持っています。 この作用により、さまざまな細菌感染症に対して効果を発揮します。
具体的には、ブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、大腸菌、クレブシエラ属、プロテウス・ミラビリス、インフルエンザ菌など、幅広い種類の細菌に感性を示すことが特徴です。 多くの感染症の原因となる菌に作用するため、医療現場で広く用いられています。
規格(強さ)の種類と剤形
ケフラールカプセルには、主に「ケフラールカプセル250mg」と「ケフラールカプセル500mg」の2種類の規格があります。 これらの数字は、1カプセルに含まれる有効成分セファクロルの量(力価)を示しており、この量が「強さ」の目安となります。かつては500mgも販売されていましたが、現在は250mgが主流です。
剤形としては、名前の通りカプセル剤が一般的です。 小児向けには細粒剤も存在しますが、本記事ではカプセル剤に焦点を当てて解説を進めます。カプセルは、ボディが白色でキャップが青色の硬カプセル剤であり、識別コードとして「ケフラール」と記載されています。
ケフラールカプセルの「強さ」はなぜ重要?適切な用量の選び方

ケフラールカプセルの「強さ」、つまり用量は、治療効果を最大限に引き出し、副作用のリスクを最小限に抑えるために非常に重要です。医師は患者さんの状態を総合的に判断し、最適な用量を決定します。
用法・用量の基本原則
ケフラールカプセルの用法・用量は、感染症の種類、重症度、患者さんの年齢、体重、そして腎機能などによって細かく調整されます。 薬の添付文書には一般的な用法・用量が記載されていますが、これはあくまで目安であり、個々の患者さんに合わせて医師が判断を下します。
自己判断で用量を変更したり、服用を中止したりすることは、治療効果の低下や耐性菌の発生、症状の悪化につながる可能性があるため、絶対に避けるべきです。 医師の指示に必ず従い、正しく服用することが大切です。
成人の一般的な用量と調整
成人では、通常、セファクロルとして1回250mg(力価)を1日3回服用することが一般的です。 しかし、感染症が重症である場合や、原因菌の感受性が比較的低いと判断された場合には、1回500mg(力価)を1日3回に増量されることもあります。
これは、より高い薬の濃度を体内で維持することで、頑固な細菌に対しても効果を発揮させるためです。年齢や症状によって用量が適宜増減されるため、必ず医師の指示に従いましょう。
小児の用量と体重・年齢による考慮
小児の場合、ケフラールカプセルの用量は体重に基づいて決定されるのが一般的です。通常、1日あたり体重1kgにつき20~40mg(力価)を、1日数回に分けて服用します。 重症の場合や、分離菌の感受性が低い場合は、1日あたり体重1kgにつき50~100mg(力価)まで増量されることもあります。
小児の用量は、成長段階や腎機能なども考慮されるため、医師が慎重に判断します。 保護者の方は、医師や薬剤師から指示された用量と服用方法を正確に守り、疑問があればすぐに確認するようにしてください。
症状や感染部位による用量の違い
ケフラールカプセルの用量は、治療する感染症の種類や感染部位によっても異なることがあります。例えば、皮膚感染症、呼吸器感染症、尿路感染症など、それぞれの部位や菌の種類に応じた適切な薬の濃度が必要となるためです。
医師は、診断された病名や症状の程度、そして検査結果などを総合的に判断し、最も効果的かつ安全な用量を決定します。同じ病気であっても、患者さん一人ひとりの状態によって用量が異なる場合があるため、必ず個別の指示を確認することが大切です。
ケフラールカプセルが使われる主な病気と効果

ケフラールカプセルは、その幅広い抗菌スペクトルにより、多岐にわたる細菌感染症の治療に用いられます。どのような病気に効果が期待できるのかを知ることで、治療への理解が深まります。
幅広い細菌感染症への適用
ケフラールカプセルは、ブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、大腸菌、クレブシエラ属、プロテウス・ミラビリス、インフルエンザ菌など、多くの細菌に効果を発揮する広域スペクトルの抗生物質です。 このため、全身のさまざまな部位で発生する細菌感染症に適用されます。
ただし、ウイルス感染症や真菌(カビ)による感染症には効果がありません。 医師が細菌感染症と診断した場合にのみ処方される薬です。
どんな症状に効果があるのか
ケフラールカプセルが適応となる主な症状や病気は以下の通りです。
- 皮膚科領域の感染症:表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、リンパ管・リンパ節炎、慢性膿皮症、乳腺炎、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染
- 呼吸器領域の感染症:咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、肺炎、慢性呼吸器病変の二次感染
- 尿路領域の感染症:膀胱炎、腎盂腎炎
- 眼科領域の感染症:麦粒腫
- 耳鼻科領域の感染症:中耳炎、副鼻腔炎
- 歯科・口腔外科領域の感染症:歯周組織炎、歯冠周囲炎、顎炎、抜歯創・口腔外科手術後の二次感染
- その他:猩紅熱
これらの症状がある場合でも、必ず医師の診察を受け、適切な診断と処方を受けることが重要です。 症状が改善しても、医師の指示があるまで服用を続けることで、再発や耐性菌の発生を防ぐことにつながります。
ケフラールカプセルを飲む上での注意点と副作用

ケフラールカプセルは効果的な薬ですが、服用にあたってはいくつかの注意点や副作用があります。これらを理解しておくことで、安心して治療を進められます。
知っておきたい主な副作用
ケフラールカプセルを服用すると、以下のような副作用が現れることがあります。
- 消化器症状:下痢、悪心(吐き気)、腹痛、嘔吐、胃不快感、胸やけ、食欲不振など。
- 過敏症:発疹、蕁麻疹、紅斑、かゆみ、発熱など。
- 肝機能障害:AST上昇、ALT上昇など。
- その他:頭痛、めまいなど。
これらの症状の多くは軽度ですが、まれに以下のような重篤な副作用が現れることもあります。
- ショック、アナフィラキシー:息苦しさ、全身の発赤、眼や口唇の腫れなど。
- 急性腎不全:むくみ、倦怠感、尿量の減少など。
- 血液障害:汎血球減少、無顆粒球症、血小板減少など。
- 皮膚粘膜眼症候群(スティーブンス・ジョンソン症候群)、中毒性表皮壊死融解症(TEN):高熱、水ぶくれ、眼や口など粘膜のただれ、全身の発赤など。
- 偽膜性大腸炎:血便を伴う重篤な下痢など。
もし、これらの症状に気づいたら、すぐに医師や薬剤師に相談してください。
飲み合わせやアレルギーについて
ケフラールカプセルを服用する際は、他の薬との飲み合わせやアレルギー歴について医師や薬剤師に伝えることが非常に重要です。
- 他の薬:市販薬やサプリメントを含め、他に服用している薬があれば必ず医師や薬剤師に伝えてください。 薬によっては、お互いの作用を強めたり弱めたりする可能性があります。
- アレルギー歴:以前に薬や食べ物で、かゆみ、発疹などのアレルギー症状が出たことがある場合は、必ず医師に伝えてください。 特に、ペニシリン系抗生物質でアレルギー症状が出たことがある方は注意が必要です。
- 妊娠中・授乳中:妊娠中または妊娠している可能性のある女性、授乳中の女性は、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与されます。 授乳中は、母乳中に移行する可能性があるため、医師と相談し、授乳の継続または中止を検討します。
これらの情報は、安全に治療を進めるために不可欠です。
飲み忘れや過量投与の対処法
薬の飲み忘れや過量投与は、治療効果に影響を与えたり、副作用のリスクを高めたりする可能性があります。
- 飲み忘れ:飲み忘れた場合は、気がついたときにすぐに1回分を服用してください。 ただし、次の服用時間が近い場合は、飲み忘れた分は飛ばして、次の時間から指示通りに服用してください。絶対に2回分を一度に飲んではいけません。
- 過量投与:誤って多く飲んでしまった場合は、すぐに医師または薬剤師に相談してください。
薬は、医師の指示通りに正しく服用することが最も重要です。
よくある質問

ケフラールカプセルについて、多くの方が抱く疑問にお答えします。
- ケフラールカプセルはどんな菌に効きますか?
- ケフラールカプセルは食前と食後どちらに飲むのが良いですか?
- ケフラールカプセルはどれくらいで効果が出ますか?
- ケフラールカプセルと似た薬はありますか?
- ケフラールカプセルは妊娠中や授乳中に飲めますか?
ケフラールカプセルはどんな菌に効きますか?
ケフラールカプセルは、ブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、大腸菌、クレブシエラ属、プロテウス・ミラビリス、インフルエンザ菌など、幅広い種類の細菌に効果を発揮します。 これらの菌が原因となる様々な感染症に用いられます。
ケフラールカプセルは食前と食後どちらに飲むのが良いですか?
ケフラールカプセルは食事の影響が少ないとされていますが、胃腸への負担を考慮して食後に服用することが一般的です。 ただし、医師から特定の指示があった場合は、それに従ってください。
ケフラールカプセルはどれくらいで効果が出ますか?
抗生物質であるケフラールカプセルは、服用を開始してから数日以内に症状の改善が見られることが多いです。しかし、症状が改善したからといって自己判断で服用を中止すると、再発や耐性菌の発生につながる可能性があります。 医師から指示された期間は、必ず服用を続けるようにしてください。
ケフラールカプセルと似た薬はありますか?
ケフラールカプセルの有効成分であるセファクロルと同じセフェム系抗生物質には、他にも多くの種類があります。例えば、セファレキシン(ケフレックスなど)も同じセフェム系に分類される抗生物質です。 医師は、患者さんの症状や原因菌、アレルギー歴などを考慮して、最適な抗生物質を選択します。
ケフラールカプセルは妊娠中や授乳中に飲めますか?
妊娠中または妊娠している可能性のある女性、授乳中の女性は、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ、医師の指示のもとで服用が検討されます。 授乳中は、有効成分が母乳中に移行する可能性があるため、医師と相談し、授乳の継続または中止を慎重に検討することが大切です。
まとめ
- ケフラールカプセルはセファクロルを有効成分とするセフェム系抗生物質である。
- 細菌の細胞壁合成を阻害し、幅広い細菌感染症に効果を発揮する。
- 主な規格は250mgカプセルで、かつては500mgも存在した。
- 「強さ」とは用量のことであり、感染症の種類や重症度で異なる。
- 成人の一般的な用量は1回250mgを1日3回だが、重症時は増量される。
- 小児の用量は体重に基づき、1日20~40mg/kgを分割して服用する。
- 皮膚、呼吸器、尿路、耳鼻科、歯科など多岐にわたる感染症に適用される。
- 主な副作用は下痢、吐き気、発疹などだが、重篤な副作用もまれにある。
- 服用時は他の薬やアレルギー歴、妊娠・授乳の有無を医師に伝える。
- 飲み忘れ時は次の服用時間が近ければ飛ばし、2回分を一度に飲まない。
- 自己判断での用量変更や服用中止は避け、医師の指示を厳守する。
- ケフラールはウイルスや真菌には効果がない。
- 食後服用が一般的だが、医師の指示に従うことが重要。
- 服用開始から数日以内に効果が見られることが多い。
- 妊娠中・授乳中は医師と相談し、有益性が上回る場合にのみ服用を検討する。
- 不明な点があれば、必ず医師や薬剤師に確認する。
