公共工事に携わる建設業者の皆さんにとって、コリンズ(CORINS)への登録は避けて通れない重要な手続きです。特に「竣工登録」は、工事の最終段階で行うため、そのタイミングや期限について疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか。本記事では、コリンズ竣工登録の「いつ」に焦点を当て、その原則的なタイミングから発注機関が定める具体的な期限、さらにはスムーズな手続きを進めるためのコツまで、分かりやすく解説します。
登録漏れや遅延によるトラブルを未然に防ぎ、安心して公共工事に取り組むための情報が満載です。
コリンズ竣工登録はいつまで?原則と発注機関の指示を理解する

コリンズの竣工登録は、工事の完了を正式に記録するための大切な手続きです。この登録をいつまでに行うべきかについては、原則と発注機関からの具体的な指示の両方を理解しておく必要があります。適切なタイミングで登録を済ませることで、後のトラブルを防ぎ、円滑な事業運営につながります。
竣工登録の基本的なタイミングは「竣工検査完了後」
コリンズの竣工登録は、原則として工事の竣工検査が完了した後に行うこととされています。これは、検査によって工事が設計図書通りに完成したことが確認され、その実績をシステムに登録する流れが一般的だからです。竣工検査が終わり、工事の最終的な内容が確定してから、速やかに登録手続きを進めることが求められます。
ただし、発注機関によっては、検査時に「登録内容確認書」の提出を求めるケースもあります。この場合は、検査前に竣工登録を済ませておく必要がありますが、もし検査で誤りを指摘された際には、速やかに訂正登録を行うことが大切です。
発注機関が定める「10日以内」の期限とは
コリンズ・テクリスシステム自体には、竣工登録の厳密な期限は設けられていません。発注機関の確認を得られれば、いつでも登録は可能です。
しかし、多くの発注機関では、工事請負契約書や共通仕様書、特記仕様書などの契約図書において、竣工登録の期限を具体的に定めています。一般的には、工事完成後、土曜日、日曜日、祝日等を除く10日以内に登録を行うよう義務付けられていることが多いです。 この期限は、発注機関が工事実績情報を迅速に把握し、その後の入札や契約手続きに活用するために設定されています。
契約内容をしっかりと確認し、定められた期限内に登録を完了させることが重要です。
期限を過ぎてしまった場合の対応
もし、何らかの事情でコリンズ竣工登録の期限を過ぎてしまった場合でも、登録自体は可能です。コリンズ・テクリスシステムには登録期限が設けられていないため、発注機関の確認を得られれば、10日以上経過していても登録できます。
しかし、発注機関が定める期限を過ぎてしまうと、契約違反となる可能性や、今後の入札参加資格に影響が出る恐れもあります。期限を過ぎてしまったことに気づいたら、まずは速やかに発注機関の担当者に連絡し、指示を仰ぐことが最善の進め方です。状況を正直に伝え、今後の対応について相談することで、問題を最小限に抑えることができるでしょう。
コリンズ(CORINS)とは?公共工事に必須の登録制度

コリンズ(CORINS)は、公共工事に携わる建設業者にとって、その実績を証明し、次の仕事へとつなげるために不可欠なシステムです。この制度の目的や役割、そしてどのような工事が登録の対象となるのかを理解することは、公共工事を円滑に進める上で非常に重要となります。
コリンズの目的と役割
コリンズは「Construction Records Information Service(工事実績情報サービス)」の略称で、公共工事の実績に関する情報を集約したデータベースシステムです。 このシステムの主な目的は、公共工事の発注機関が、入札に参加する建設会社の技術力や実績を客観的に評価できるようにすることにあります。
具体的には、発注機関はコリンズに登録された工事実績情報を参照することで、指名業者の選定、手持ち工事の確認、技術者の配置状況の確認などに利用します。 これにより、入札・契約手続きの透明性、公平性、競争性を高め、適切な企業が公共工事を受注できる環境を整備する役割を担っています。建設業者にとっては、自社の実績を公的に証明し、信頼性を高めるための重要なツールと言えるでしょう。
登録対象となる工事の条件
コリンズの登録が義務付けられる工事には、いくつかの条件があります。一般的に、請負金額が500万円(消費税込み)以上の公共工事が登録の対象となります。 ただし、この金額基準は発注機関によって異なる場合があるため、個別の契約内容や発注機関の指示を必ず確認することが大切です。
また、下請け事業者が行った工事は登録対象外となるのが原則で、登録は工事の元請企業が行います。 当初の請負金額が500万円未満であっても、変更契約によって500万円以上になった場合は、受注登録が必要となるケースもあります。 自身の請け負った工事が登録対象となるかどうか、事前にしっかりと確認するようにしましょう。
受注登録・変更登録・竣工登録の種類
コリンズへの工事実績登録には、工事の進捗に応じて主に以下の3つの種類があります。それぞれ登録するタイミングや内容が異なります。
- 受注登録:工事を受注し、契約を締結した際に行う登録です。工事の概要や契約金額、工期などの基本情報を登録します。
- 変更登録:受注した工事の契約内容(工期、配置技術者、請負金額など)に変更が生じた際に行う登録です。 変更があった日から土日祝日等を除く10日以内に行うのが一般的です。
- 竣工登録:工事が完成し、竣工検査が完了した際に行う登録です。工事の最終的な完成情報や、完了した技術者の実績などを登録します。 本記事の主要テーマであり、原則として竣工検査完了後、発注機関が定める期限内に行う必要があります。
これらの登録を適切に行うことで、工事実績が正確にデータベースに反映され、企業の信頼性向上や次の公共工事受注へとつながります。それぞれの登録のタイミングを逃さないよう、注意深く進めることが重要です。
コリンズ竣工登録の具体的な進め方

コリンズの竣工登録は、公共工事の最終段階における重要な手続きです。正確かつスムーズに進めるためには、事前の準備とシステム操作の理解、そして発注機関との連携が欠かせません。ここでは、竣工登録の具体的な進め方について詳しく解説します。
登録前の事前準備
竣工登録を始める前に、いくつかの事前準備が必要です。これらを怠ると、登録作業が滞ったり、誤りが発生したりする原因となります。
- 工事情報の最終確認:工事が完了した際の最終的な情報(工期、請負金額、配置技術者、工事内容など)を正確に把握しておきましょう。変更登録を複数回行っている場合は、最新の情報が反映されているかを確認することが大切です。
- 発注機関との連携:竣工検査完了後、速やかに発注機関に竣工登録を行う旨を伝え、登録内容の確認依頼をします。発注機関によっては、事前に「登録のための確認のお願い」を提出し、検査完了時に確認結果を受け取る流れもあります。
- 必要書類の準備:登録内容の根拠となる書類(竣工図書、検査調書など)を手元に用意しておくと、システム入力時にスムーズです。
- システム利用環境の確認:インターネットに接続できるパソコンと、JACICのコリンズ・テクリスシステムへのログイン情報(利用責任者のログイン名など)が準備できているかを確認します。
これらの準備を整えることで、実際の登録作業を効率的に進めることができます。
竣工登録のシステム操作手順
コリンズの竣工登録は、JACICの提供するシステムを通じてオンラインで行います。基本的な操作手順は以下の通りです。
- システムへのログイン:JACICのコリンズ・テクリスシステムに、利用責任者のログイン名とパスワードでログインします。
- コリンズ(工事)データ登録メニューへ:ホーム画面の左側メニューから「コリンズ(工事)データ登録」をクリックします。
- 竣工登録タブの選択:「【竣工登録(工事が竣工したとき)】」タブをクリックします。
- 竣工実績データ作成の開始:「1. 竣工実績データ作成」メニューをクリックし、登録作業を行っている工事の最新の登録種別の実績データ(引用する実績データ)を検索して選択します。
- 必要事項の入力:画面の指示に従い、工事の最終情報(竣工年月日、最終請負金額、最終配置技術者など)を正確に入力します。
- 登録内容の確認と申請:入力内容に誤りがないか最終確認を行い、登録申請を行います。
詳細な操作方法は、JACICが提供するコリンズ利用者編マニュアルで確認できます。 マニュアルを参照しながら、慎重に進めることが大切です。
発注機関への確認依頼と「登録内容確認書」
竣工登録をシステム上で完了させるだけでは、手続きは終わりません。登録後には、発注機関への確認依頼と「登録内容確認書」の提出が求められます。
システムで竣工登録を申請すると、コリンズから発注機関の監督員へ「登録のための確認のお願い」がメールで送信されます。 監督員は、その内容を確認し、問題がなければ承認します。承認後、システムから「登録内容確認書」が発行されます。この「登録内容確認書」には、竣工登録日として登録を行った日付が記載され、この日付は訂正できません。
発行された「登録内容確認書」の写しは、速やかに発注機関に提出することが義務付けられています。 この一連の進め方を完了することで、コリンズ竣工登録の全工程が完了したことになります。発注機関との密な連携を心がけ、スムーズな手続きを心がけましょう。
コリンズ竣工登録にかかる費用と注意点

コリンズの竣工登録には、費用が発生するのか、またどのような点に注意すべきか、気になる方も多いでしょう。ここでは、竣工登録にかかる費用と、登録を進める上での大切なポイントについて解説します。
竣工登録自体の費用は原則無料
コリンズの登録料金は、主に「受注登録」の際に発生します。工事実績データの登録料金は、工事の請負金額に応じて異なりますが、受注登録時に一度だけ課金されるのが原則です。
そのため、すでに受注登録を行っている工事であれば、変更登録や竣工登録自体には、原則として費用はかかりません。 これは、工事の基本情報が受注登録時にシステムに登録されており、その後の変更や完了は、既存データの更新とみなされるためです。ただし、受注登録を省略して竣工登録のみを行う場合(例えば、受注登録が義務付けられていなかった工事で、後から竣工登録を行うケースなど)には、竣工登録時に料金が発生することがあります。
自身のケースがこれに該当するかどうか、事前に確認しておくと安心です。
訂正登録は無料だが慎重に
登録済みの工事実績データに誤りがあった場合に行う「訂正登録」については、2023年4月1日より無料となっています。 以前は訂正登録にも費用がかかる場合がありましたが、現在は無料で修正が可能です。
しかし、訂正登録が無料だからといって、安易に何度も行うのは避けるべきです。登録内容の誤りは、発注機関からの信頼を損ねる可能性もあります。特に、竣工登録日など、一度登録すると訂正できない項目もあるため、入力時には細心の注意を払い、複数人で確認するなどして、誤りのないように慎重に進めることが大切です。
登録代行サービスの活用も検討
コリンズの登録手続きは、システムの操作や必要書類の準備、発注機関との連携など、専門的な知識と手間がかかる場合があります。特に、初めて登録を行う企業や、多忙で手続きに時間を割けない企業にとっては、大きな負担となることも少なくありません。
そのような場合、行政書士事務所などが提供しているコリンズ登録代行サービスの活用を検討するのも一つの方法です。 専門家に依頼することで、正確かつ迅速な登録が期待でき、本業に集中できるというメリットがあります。代行費用はかかりますが、手続きの煩雑さや誤りのリスクを考慮すると、費用対効果が高い選択肢となる場合もあるでしょう。
信頼できる代行業者を選び、相談してみることをおすすめします。
よくある質問

コリンズの竣工登録に関して、多くの方が抱える疑問とその回答をまとめました。これらの情報が、皆さんの疑問を解決し、スムーズな手続きの一助となれば幸いです。
- コリンズの登録をしないとどうなりますか?
- 竣工登録は工事完了日より前にできますか?
- 受注登録を省略して竣工登録のみを行うことは可能ですか?
- コリンズとテクリスの違いは何ですか?
- 登録内容に誤りがあった場合、どうすればいいですか?
コリンズの登録をしないとどうなりますか?
コリンズへの登録が義務付けられている公共工事において、登録を怠ると入札参加資格を満たせない可能性があります。 発注機関はコリンズの登録情報を基に、企業の工事実績や技術者の配置状況などを評価するため、登録がないと適切な評価を受けられず、今後の公共工事の受注機会を失うことにもつながりかねません。
また、契約図書に登録義務が明記されている場合は、契約違反となる恐れもあります。義務付けられている工事については、必ず登録を行いましょう。
竣工登録は工事完了日より前にできますか?
原則として、竣工登録は竣工検査完了後に行うこととされています。 工事完了日より前に登録することは、工事の最終的な内容が確定していないため、推奨されません。ただし、発注機関の指示により、検査時に「登録内容確認書」を提出する必要がある場合は、検査前に登録を行うこともありますが、その際も検査結果によっては訂正が必要となる可能性があります。
基本的には、工事の完了と検査の終了を待ってから登録を進めるのが安全です。
受注登録を省略して竣工登録のみを行うことは可能ですか?
はい、受注登録を省略して竣工登録のみを行うことは可能です。コリンズの竣工登録メニューには「受注登録をしない工事実績」というチェック項目があります。 この場合、通常は受注登録時に発生する登録費用が、竣工登録時に課金されることになります。 ただし、発注機関が受注登録を義務付けている工事では、この方法は適用できません。
あくまで、受注登録が義務付けられていない工事や、特別な事情がある場合に限られるため、事前に発注機関に確認することが重要です。
コリンズとテクリスの違いは何ですか?
コリンズ(CORINS)とテクリス(TECRIS)は、どちらも公共工事・業務の実績情報を管理するシステムですが、対象が異なります。
- コリンズ(CORINS):公共工事の「工事契約」に関する実績情報を登録します。主に、実際にモノを造ったり、直したりする建設工事が対象です。
- テクリス(TECRIS):調査・測量・設計などの「業務委託契約」に関する実績情報を登録します。
両システムは連携しており、公共工事の発注機関が企業の総合的な実績を評価するために活用されます。登録対象となる金額基準も異なるため、自身の請け負った案件がどちらに該当するかを確認し、適切なシステムに登録する必要があります。
登録内容に誤りがあった場合、どうすればいいですか?
登録内容に誤りがあった場合は、「訂正登録」を行うことで修正が可能です。 2023年4月1日以降、訂正登録は原則無料となっています。 ただし、竣工登録日など、一部訂正できない項目もありますので注意が必要です。誤りに気づいたら、速やかにシステムから訂正登録の手続きを行いましょう。訂正登録の際には、再度発注機関の確認が必要となる場合があるため、事前に連絡を入れておくとスムーズです。
まとめ
- コリンズ竣工登録は原則として竣工検査完了後に行う。
- 多くの発注機関は工事完成後10日以内(土日祝除く)の登録を義務付けている。
- システム自体に厳密な期限はないが、発注機関の指示に従うことが重要。
- 期限を過ぎた場合は速やかに発注機関に相談する。
- コリンズは公共工事の実績情報を集約するデータベースシステム。
- 登録目的は公共工事の入札・契約手続きの透明性・公平性向上。
- 請負金額500万円以上の公共工事が主な登録対象。
- 登録には受注登録、変更登録、竣工登録の種類がある。
- 竣工登録前には工事情報の最終確認と発注機関との連携が必須。
- システム操作はJACICのマニュアルを参照し慎重に進める。
- 登録後には「登録内容確認書」の発注機関への提出が必要。
- 竣工登録自体の費用は原則無料(受注登録時に課金)。
- 訂正登録は2023年4月1日より無料。
- 登録内容の誤りは発注機関の信頼に関わるため慎重に入力する。
- 手続きが困難な場合は行政書士による登録代行サービスも有効。
