目が赤く充血し、目やにや涙が止まらない。そんな症状に悩まされていませんか?もしかしたら、それは「ウイルス性結膜炎」かもしれません。ウイルス性結膜炎は非常に感染力が強く、あっという間に周囲の人にうつってしまうことがあります。特に「はやり目」と呼ばれるタイプは、家庭内や学校、職場で感染が広がりやすく、日常生活に大きな影響を及ぼすことも少なくありません。
本記事では、ウイルス性結膜炎がどのようにうつるのか、その感染経路や潜伏期間、そして感染を広げないための具体的な予防策について詳しく解説します。もし感染してしまった場合の適切な対処法や、よくある疑問にもお答えしますので、ぜひ最後まで読んで、大切な目を守るための知識を身につけてください。
ウイルス性結膜炎の感染力と主な感染経路

ウイルス性結膜炎は、その名の通りウイルスによって引き起こされる目の炎症です。特に「はやり目」と呼ばれるものは、非常に強い感染力を持つことで知られています。この感染力の強さが、家庭内や集団生活の場で感染が広がりやすい理由です。
ウイルス性結膜炎はなぜうつりやすいのか
ウイルス性結膜炎がうつりやすいのは、主にウイルスが目の分泌物中に大量に存在し、それがわずかな接触でも他者に移るためです。感染者の目やにや涙には、多くのウイルスが含まれています。これらのウイルスが、無意識のうちに触れた手や、共有した物品を介して簡単に広がってしまうのです。
主な感染経路は接触感染
ウイルス性結膜炎の最も一般的な感染経路は「接触感染」です。感染者が目をこすったり、目やにを拭いたりした手で、ドアノブ、手すり、スイッチ、リモコン、スマートフォン、タオルなどを触ると、そこにウイルスが付着します。その後、別の人がそのウイルスが付着した場所に触れ、その手で自分の目を触ることで感染が成立します。
飛沫感染の可能性と注意点
接触感染が主ですが、感染者の咳やくしゃみ、あるいは大きな声を出した際に生じる飛沫にウイルスが含まれており、それを他の人が吸い込むことで感染が広がる「飛沫感染」の可能性も指摘されています。特に、感染者と近距離で会話をする際には注意が必要です。 飛沫感染のリスクを減らすためにも、感染が疑われる場合はマスクの着用を心がけましょう。
感染期間と潜伏期間を知って対策を

ウイルス性結膜炎の感染を効果的に防ぐためには、ウイルスがいつからいつまで感染力を持つのか、そして症状が出るまでにどのくらいの期間があるのかを知ることが大切です。これらの期間を理解することで、適切な予防策を講じ、感染拡大を食い止めることにつながります。
感染力がある期間はいつまで?
ウイルス性結膜炎の感染力は、発症前から始まり、症状が最も強い発症後5~7日間がピークとされています。その後、症状が治まっても、原因となるウイルスによっては数週間程度はウイルスが排出され続ける可能性があるため、注意が必要です。 完全に感染力がなくなるのは、医師が感染の恐れがないと判断するまでと考えるのが良いでしょう。
潜伏期間と初期症状
ウイルスに感染してから症状が現れるまでの期間を「潜伏期間」と呼びます。ウイルス性結膜炎の主な原因であるアデノウイルスによる流行性角結膜炎の場合、潜伏期間は約1週間程度です。 急性出血性結膜炎の場合は、エンテロウイルスやコクサッキーウイルスが原因で、潜伏期間は1~2日と比較的短いのが特徴です。 初期症状としては、片方の目の充血、目やに、涙目、異物感などが挙げられます。
ウイルス性結膜炎の主な症状と種類

ウイルス性結膜炎と一口に言っても、原因となるウイルスによって症状や経過が異なります。ここでは、特に人にうつりやすいとされる代表的なウイルス性結膜炎の種類と、それぞれの主な症状について詳しく見ていきましょう。
流行性角結膜炎(はやり目)の症状
流行性角結膜炎は、アデノウイルスが原因で起こるウイルス性結膜炎の代表格で、「はやり目」とも呼ばれます。主な症状は、急激な白目の充血、大量の水っぽい目やに、涙目、異物感、まぶたの腫れ、目の痛みなどです。 特に朝起きたときに目やにで目が開かないほどになることもあります。また、耳の前のリンパ節が腫れて触ると痛みを感じることも特徴です。
発病から1~2週間後に黒目に小さな濁り(点状表層角膜炎)が出ることがあり、まぶしさやかすみを感じる場合があります。
急性出血性結膜炎の症状
急性出血性結膜炎は、エンテロウイルスやコクサッキーウイルスが主な原因で、潜伏期間が1~2日と非常に短いのが特徴です。 症状は急激に現れ、白目の強い充血に加え、結膜下出血(白目が真っ赤になる)が見られることが多いです。 目やにや涙目、異物感、まぶたの腫れなども伴い、症状は流行性角結膜炎と同様に重い傾向にあります。
その他のウイルス性結膜炎
アデノウイルスによるものには、流行性角結膜炎の他に「咽頭結膜熱(プール熱)」もあります。これは目の症状に加えて、発熱やのどの痛みといった全身症状を伴うのが特徴です。 また、単純ヘルペスウイルスや帯状ヘルペスウイルスによる結膜炎もありますが、これらは人にうつることはまれで、流行することはほとんどありません。
感染拡大を防ぐための具体的な予防策

ウイルス性結膜炎は感染力が強いため、感染を広げないための予防策が非常に重要です。特に家庭内や職場、学校など、人が集まる場所では、一人ひとりが意識して対策を行うことが求められます。ここでは、具体的な予防策をいくつかご紹介します。
徹底した手洗いの重要性
ウイルス性結膜炎の予防で最も大切なのは、石鹸と流水による徹底した手洗いです。 外出から帰ったとき、食事の前、トイレの後、そして目を触る前後は必ず丁寧に手を洗いましょう。アルコール消毒だけでは効果が薄いウイルスもあるため、石鹸を使った手洗いを心がけることが大切です。
タオルや洗面用具の共有は避ける
感染者が使用したタオルや洗面用具にはウイルスが付着している可能性が高いです。家族間であっても、タオル、バスタオル、洗顔料、石鹸、シャンプー、コンタクトレンズケースなどの共有は絶対に避けましょう。 洗濯物も感染者のものと分けて洗うのがおすすめです。
目を触らない習慣をつける
無意識のうちに目を触ってしまうことは、ウイルス感染のリスクを高めます。かゆみや異物感があっても、できるだけ目を触らないように意識しましょう。特に、手洗いができない状況では、目を触るのを避けることが重要です。
家庭内での感染を防ぐコツ
感染者がいる家庭では、感染拡大を防ぐためにいくつかのコツがあります。まず、感染者のお風呂は家族の最後に入るようにしましょう。 ドアノブ、電気のスイッチ、手すり、リモコンなど、家族がよく触れる場所はこまめに消毒液で拭き取ることが効果的です。 また、感染者と食器を共有しない、寝具を分けるといった対策も有効です。
コンタクトレンズ使用時の注意
ウイルス性結膜炎に感染している間は、コンタクトレンズの使用を中止し、眼鏡に切り替えましょう。 コンタクトレンズは目の状態を悪化させるだけでなく、レンズにウイルスが付着し、感染を広げる原因にもなりかねません。治癒後も、医師の許可があるまではコンタクトレンズの使用は控えるべきです。
もし感染してしまったら?適切な対処法と治療

どんなに予防に努めても、ウイルス性結膜炎に感染してしまうことはあります。もし感染が疑われる症状が出た場合は、慌てずに適切な対処をすることが大切です。早期の対応が、症状の悪化を防ぎ、周囲への感染拡大を最小限に抑えることにつながります。
眼科受診の目安と治療の進め方
目の充血、目やに、涙目、異物感などの症状が現れたら、早めに眼科を受診しましょう。 ウイルス性結膜炎には、ウイルスを直接殺す特効薬はありません。 治療は、炎症を抑えるためのステロイド点眼薬や、細菌による二次感染を防ぐための抗菌点眼薬が処方される対症療法が中心となります。 医師の指示に従い、症状が改善しても自己判断で点眼を中止せず、完治するまで治療を続けることが重要です。
症状を和らげるためのケア
目の不快な症状を和らげるためには、いくつかのケアが役立ちます。目やにが多い場合は、清潔なガーゼやコットンをぬるま湯で湿らせて、優しく拭き取りましょう。 この際、目をこすらないように注意し、使用したガーゼなどはすぐに捨てて、その後は必ず手を洗ってください。また、目を温めたり冷やしたりする際は、清潔なタオルを使用し、家族と共有しないようにしましょう。
登園・登校・出勤の基準
ウイルス性結膜炎の中でも、流行性角結膜炎や急性出血性結膜炎は、学校保健安全法で「第三種の感染症」に指定されており、感染の恐れがないと医師が認めるまで登園・登校停止となります。 職場への出勤についても、感染拡大のリスクを考慮し、医師や職場の指示に従うことが大切です。感染力が強い期間は、外出を控えるなど、周囲への配慮を忘れないようにしましょう。
よくある質問

- ウイルス性結膜炎は自然治癒しますか?
- 子供が感染した場合、どうすればいいですか?
- 目薬は感染予防に効果がありますか?
- 家族が感染した場合、自分も感染しているか心配です。
- 感染力が強いのはどのくらいの間ですか?
- プールに入っても大丈夫ですか?
- 完治までの期間はどれくらいですか?
- 感染しても症状が出ないことはありますか?
- 流行性角結膜炎と急性出血性結膜炎の違いは何ですか?
- 感染した目を触った手で他のものを触っても大丈夫ですか?
ウイルス性結膜炎は自然治癒しますか?
ウイルス性結膜炎には特効薬がないため、基本的には感染したウイルスに対する免疫ができて、自然に治るのを待つことになります。症状は1~3週間程度で改善することが多いです。
子供が感染した場合、どうすればいいですか?
子供が感染した場合は、早めに眼科を受診し、医師の指示に従って治療を進めましょう。登園・登校は医師の許可があるまで控える必要があります。家庭内での感染を防ぐため、手洗いの徹底やタオルなどの共有を避けることが特に重要です。
目薬は感染予防に効果がありますか?
ウイルスを直接殺す目薬は現在のところありません。処方される目薬は、炎症を抑えたり、細菌による二次感染を防いだりするためのものです。感染予防に直接的な効果はありませんが、症状の緩和や合併症の予防には役立ちます。
家族が感染した場合、自分も感染しているか心配です。
家族が感染した場合、接触感染のリスクが高いため、ご自身も感染している可能性を考慮し、目の症状に注意しましょう。症状がなくても、手洗いの徹底や目を触らない習慣を続けることが大切です。心配な場合は、眼科を受診して相談してください。
感染力が強いのはどのくらいの間ですか?
ウイルス性結膜炎の感染力は、発症前から始まり、特に症状が強い発症後5~7日間が最も高いとされています。症状が治まっても、数週間はウイルスが排出される可能性があるため、油断は禁物です。
プールに入っても大丈夫ですか?
ウイルス性結膜炎に感染している間は、プールに入るのは控えましょう。プールを介して他の人に感染を広げるリスクがあります。治癒後も、医師の許可があるまではプールを避けるのが賢明です。
完治までの期間はどれくらいですか?
流行性角結膜炎の場合、症状は2~3週間で改善することが多いですが、角膜に濁りが残るなどの合併症がある場合は、さらに治療期間が長くなることがあります。急性出血性結膜炎は1週間程度で治ることが多いです。
感染しても症状が出ないことはありますか?
ウイルス性結膜炎の中には、感染しても症状がほとんど出ない「不顕性感染」のケースもあります。しかし、症状がなくてもウイルスを排出している可能性があり、感染源となることもあるため、注意が必要です。
流行性角結膜炎と急性出血性結膜炎の違いは何ですか?
流行性角結膜炎はアデノウイルスが原因で、潜伏期間は約1週間です。急性出血性結膜炎はエンテロウイルスやコクサッキーウイルスが原因で、潜伏期間は1~2日と短いです。急性出血性結膜炎では、結膜下出血(白目が真っ赤になる)が特徴的に見られることが多いです。
感染した目を触った手で他のものを触っても大丈夫ですか?
感染した目を触った手にはウイルスが付着しているため、その手で他のものを触るとウイルスが広がり、接触感染の原因となります。目を触った後は、必ずすぐに石鹸で手を洗い、消毒するようにしましょう。
まとめ
- ウイルス性結膜炎は非常に感染力が強い病気です。
- 主な感染経路は、ウイルスが付着した手で目を触る「接触感染」です。
- 咳やくしゃみによる「飛沫感染」の可能性もあります。
- 流行性角結膜炎の潜伏期間は約1週間程度です。
- 急性出血性結膜炎の潜伏期間は1~2日と短いです。
- 感染力は発症前から始まり、症状が強い時期がピークです。
- 症状が治まっても数週間はウイルスを排出する可能性があります。
- 目の充血、目やに、涙目、異物感などが主な症状です。
- 流行性角結膜炎では耳前リンパ節の腫れが見られることがあります。
- 急性出血性結膜炎では結膜下出血が特徴です。
- 予防には石鹸と流水による徹底した手洗いが最も重要です。
- タオルや洗面用具の共有は絶対に避けましょう。
- 目を触らない習慣をつけることが感染予防につながります。
- 感染が疑われる場合は、早めに眼科を受診しましょう。
- 特効薬はなく、対症療法で自然治癒を待ちます。
- 登園・登校・出勤は医師の許可があるまで控えましょう。
- 感染中はコンタクトレンズの使用を中止し、眼鏡に切り替えてください。
- 家庭内での感染を防ぐため、ドアノブなどの消毒も有効です。
- 症状が改善しても、医師の指示に従い治療を続けましょう。
